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4650 SDエンターテイメント

東証S
286円
前日比
-5
-1.72%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
255 1.89
時価総額 25.7億円
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SDエンター Research Memo(4):GAME事業は不採算店舗からの撤退で巻き返しを図る


■各事業部門の現状と成長戦略

(2) GAME事業

a)足元の業況
SDエンターテイメント<4650>の2016年3月期のGAME事業は、売上高2,274百万円(前期比7.0%減)、営業利益63百万円(同63.7%減)と大幅な減収減益となった。

GAME事業の事業内容はいわゆるゲームセンターの運営だ。業界全体が依然として長期低迷を抜け出せていない状況のなか、同社は、残存者利益を狙える地域において出店を進め、2015年5月に「南福島店」(福島県)、12月に「上磯店」(北海道)を出店した。これら新規店舗は、順調なスタートを切った。他方で、不採算だった名古屋市内の店舗を閉鎖したほか、札幌市内の主力店舗について大規模改装に踏み切った。店舗閉鎖と改装に伴う休業の影響を新規開店効果では補いきれず、売上高は前期比減収となった。

利益面では、休業等に伴う減収要因に加え、新規事業ネットキャッチャー(ブランド名は「ぽちっとクレーン」)の開業負担の影響もあり、営業利益は大幅減益となった。店舗閉鎖に関連して、営業外収支において、機器の売却益と処分損が計上され、ネットキャッチャーでは約20百万円の損失となった。また、特別損失において店舗閉鎖に伴い固定資産除却損44百万円が計上された。

b)成長戦略
既述のようにゲームセンター業界は総需要の減少傾向が続いている。その中にあって同社は今後も、残存者利益が狙える地域において、出店コストを抑制できる営業継承や居抜きの物件について、新規出店の機会をうかがう方針を採用している。その方針に基づいてここ1年ほどの間に出店した南福島、上磯及び音更(おとふけ、帯広近郊の町。2016年5月出店)の各店は、順調な業績を上げている。特に上磯と音更は、現段階では、同社の基本的な投資回収モデルを圧倒的に上回るペースのスタート業績となっているもようだ。

同社では、上磯店や音更店の成功体験をモデル化し、今後も出店のチャンスをうかがう方針だ。特徴的なことは、需要の見誤りや経済環境の変化に柔軟に対応できることを出店時の条件に組み入れている点だ。極端な例では、開店後1年未満で閉店するようなケースだ。現在の事業環境(少子高齢化、レジャーの多様化など)にあっては、店舗の収益状況の変化が激しいため、状況悪化に即座に対応して深手を負わないことが最大のリスク管理という考えに基づくものだ。

具体的な集客戦略としては、一部店舗では改装と機器の入れ替えを行い、風営法の適用対象になっても集客の見込める機器の設置を優先させる戦略を採用した。さらに店舗単位でイベントの開催や、SNS(twitter、Facebook、ブログなど)を活用した情報発信を行って集客に努めている。

新事業として期待するネットキャッチャー(オンラインによるクレーンゲーム)は好調な滑り出しを見せたが足元は伸び率が巡航速度に落ち着いている状況だ。同社は単月黒字の損益分岐売上高を20百万円/月とみており、その到達時期について同社は、足元の成長率から判断して、今期末(2017年2月~3月頃)としている。

弊社では、同社がGAME事業の新規出店することについて、合理性はあると評価している。とりわけ地方においては、他の娯楽との競合が少ないところも多く、物件に恵まれれば成功する可能性は十分にあると考えている。重要なことは、立地を吟味した上で出店することにあると考えている。その点、同社は出店の目標数値を設定していないが、これは同社が目標に縛られて判断の目が鈍ることを避けるための施策と思われる。また退店のしやすさを条件に入れている点もポジティブな要素だと評価している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)

《HN》

 提供:フィスコ

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