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4641 アルプス技研

東証P
2,621円
前日比
-48
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PTS
2,628.7円
14:57 04/19
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
14.9 3.10 3.36 4.30
時価総額 570億円
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決算発表予定日

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アルプス技研 Research Memo(2):幅広く高度技術サービスを提供する総合アウトソーシング企業


■会社概要

1.会社概要
アルプス技研<4641>は、機械、電気・電子、ソフト・ITなどの分野において、大手製造業各社に高度技術サービスを提供する総合エンジニアリングアウトソーシング企業である。有期雇用が主体の派遣会社と異なり、すべての技術者を正社員として雇用※しているところや、開発・設計などの上流工程に特化した高度技術者集団であるところに特徴がある。

※例えば、リーマンショック時の不況期にも一切解雇をしていない


“Heart to Heart”「人と人との心のつながり」を経営理念とし、技術者としてのみならず社会人としても一流であるべしとの思いから、創業以来一貫して、技術力の強化に加え、ヒューマン教育にも注力してきた。特に、質の高い人材を生み出す企業組織文化や、独自の教育・研修体系※に強みがあり、顧客からの高い評価や好調な受注環境にも支えられながら業績は順調に拡大している。

※「能力開発教育体系」と「キャリア開発支援」の2つに大別され、レベルやニーズに応じた教育やキャリアサポーター(先輩技術者)によるフォローなど、高度な技術力や専門性を持った人材を育成するための教育・研修体系が確立されている。また、無期雇用(正社員)であるところも、長期的な育成プランを可能としている。


最近では、労働者派遣法改正(2015年9月30日施行)によって、無期雇用派遣は期間制限がなくなったこと、専門業務区分の撤廃によって付随的業務の制限がなくなったことなども同社にとってフォローの風となっている。

2017年6月末時点の技術社員数は3,133人。そのうち、稼働人数は2,998人となっており、高稼働率を維持している。また、顧客企業の分野別に技術者の人員構成比をみると、機械系が約40%、電気・電子系及びソフト・IT系がそれぞれ約30%と3つの分野を中心にバランスよく構成されている。

事業セグメントは、国内の派遣・受託等の「アウトソーシングサービス事業」と、海外の日系企業向けの「グローバル事業」の2つに区分される。「アウトソーシングサービス事業」が売上高の96%を占めているが、今後は「グローバル事業」も大きく伸ばしていく方針である。

業種別の売上高では、自動車関連が約40.3%、電機・精密機器・半導体関連が合計で約36.2%を占めているが、業種は多岐にわたっており、景気変動の影響を受けにくい構成となっている。また、顧客数は約700社に上るが、売上上位10社(三菱電機<6503>、東芝<6502>、キヤノン<7751>など大手製造業中心)に対する依存度についても19.8%と年々低下傾向にある(2017年12月期上期実績)。

連結対象の子会社は、総合人材サービスの(株)アルプスビジネスサービス、2016 年9 月にグループ入りした技術者派遣事業の(株)パナR&D、グローバル事業を推進する臺灣阿爾卑斯技研股分有限公司(台湾)、阿邇貝司機電技術(上海)有限公司(中国)の4社である。本社、事務管理・総合研修センターのほかに、ものづくりを行うテクノパーク2ヶ所、国内営業所22拠点、海外1 支店(ミャンマー)を有する。

2.事業概要
(1)アウトソーシングサービス事業
アウトソーシングサービス事業は、同社の中核事業である。同社は、ものづくりの上流工程である開発・設計分野に特化し、開発設計エンジニアによる高度技術サービスの提供をビジネスモデルの中心に位置付けている。

サービス提供の形態は、派遣と請負の両方があり、顧客の多種多様なニーズに対応し、同社エンジニアのより高いパフォーマンスを発揮させている。派遣については、スポット派遣(エンジニアの単独派遣)とチーム派遣(各種高度技術を有した構成メンバーによる技術者チームが、製品開発・設計業務を行うもの)の形態がある。請負についてはプロジェクト受託(設計・試作・製造・評価を単独または一括で請負う)で、オンサイト(客先構内常駐型)とオフサイト(同社テクノパーク等への持帰り型)がある。

また、設計事務所として創業された当初から、「機電一体設計」をコンセプトとし、メカトロニクス全域の技術ニーズに対応している。特に、ものづくり拠点(自社工場)をもつユニークな業態を強みに、グループ全体で開発→試作→製造→評価にわたるマニュファクチュアリングのすべてのプロセスの対応が可能な体制を有している。なかでも、同社の主な技術対応領域は上流工程で、基礎研究、製品企画、構想設計、詳細・量産設計、試作・実験、評価・解析などであり、高度な技術力を要する領域に優位性をもっている。

技術分野では、機械設計、電気・電子設計、ソフト開発、化学などが中心である。高度ネットワーク社会への変遷に伴い、IoT やAI 等、先進技術の開発設計や、更なる需要が期待される3D-CAD、CAE 技術、航空宇宙関連、医療関連、ロボット開発技術など様々な先端技術を重点項目としている。したがって、顧客企業の業種としては、自動車、半導体・LSI、産業機器、デジタル・精密機器、航空・宇宙・防衛、医療・福祉機器など多岐にわたる。

(2)グローバル事業
現在の海外子会社は、台湾の臺灣阿爾卑斯技研股分有限公司、中国の阿邇貝司機電技術(上海)有限公司である。海外の日系企業等に対する生産設備等の据付業務及びメンテナンス業務並びに付随する人材サービスを提供している。経済のグローバル化が進展する中で、グローバル事業の拡大は戦略軸のひとつとなっている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)

《MW》

 提供:フィスコ

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