貸借
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
日経平均株価の構成銘柄。同指数に連動するETFなどファンドの売買から影響を受ける側面がある
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4502 武田薬品工業

東証P
4,069円
前日比
-20
-0.49%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
68.6 0.95 4.62 51.79
時価総額 64,388億円
比較される銘柄
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塩野義
決算発表予定日

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ラクオリア創薬 Research Memo(9):P-CABを2017年秋に承認申請、2018年に新薬上市へ


■導出済みプログラムの進捗と今後の見通し

3. カリウムイオン競合型アシッドブロッカー/P-CAB(RQ-4/tegoprazan)
カリウムイオン競合型アシッドブロッカー(Potassium-Competitive Acid Blocker、P-CABと略)/(RQ-4/tegoprazan)は胃食道逆流症を主たる適応症とする薬剤で、ラクオリア創薬<4579>のP-CABは一般名をテゴプラザン(tegoprazan)と言う。同社はこのP-CABを、韓国・台湾・中国及び東南アジア地域について、韓国CJヘルスケアに導出済みだ(日本を含めたそれ以外の地域についての導出はまだ済んでおらず、その点では導出候補プログラムでもある)。

CJヘルスケアは韓国において、2015年5月に第3相臨床試験を開始したが、この度、2017年中に胃食道逆流症の第3相臨床試験を完了し、製造販売の承認申請を行う見通しとなった(CJヘルスケア幹部が韓国の報道機関のインタビューに応えた記事の日本語訳が同社ホームページに掲載されているが、それによれば2017年9月に申請を行うとされている)。これまでは、適応症を絞って上市のスピードを優先するのか、適応症を広げて一括して承認申請を行うのか、明確でなかったが、今回CJヘルスケアは前者を選択したということだ。したがって今回の承認申請はいわば初回の承認申請であり、将来、適応症を拡大させる場合には別途承認申請が行われることになる。

P-CABは、既存の主流であるプロトンポンプ阻害薬(Proton Pump Inhibitor、PPIと略。代表的なものに、第一三共<4568>の『ネキシウムR』、武田薬品工業<4502>(以下、武田)の『タケプロンR』など)の置き換えを狙う次世代新薬として期待されている。P-CABの開発においては、武田がトップランナーで、『タケキャブR』を2015年2月に発売済みだ。同社はそれに続くポジションにある。

CJヘルスケアによるP-CAB新薬の同社の業績へのインパクトは、2018年12月期になると弊社ではみている。韓国では新薬の承認申請から発売開始までの期間が一般的に約1年とされているためだ。同社の現在の中期経営計画では、慎重にみて2019年12月期の販売開始を想定しているとみられるため、半年から1年程度前倒しでの収益貢献となる。ただし、韓国におけるPPIの市場規模は約500億円と小さいため、当初の収益貢献は限定的と弊社ではみている(前述の韓国紙のインタビュー記事において、CJヘルスケアは年間売上高1,000億ウォン=約100億円を期待としている)。

弊社では、CJヘルスケアによるP-CAB新薬の発売からの直接的な収益貢献以外に、1)中国市場での新薬販売の時期前倒しと、2)日本・欧米等についての導出契約のサポート、の2つの点で非常に重要な意義があるとみている。

中国におけるPPI市場は約2,600億円(約26億ドル)と推定されており、韓国の5倍以上の規模だ。この中国市場について、CJヘルスケアは中国企業Luoxin Pharmaとの間で中国市場における独占的コラボレーション契約を締結し、発売に向けて準備を進めている。発売に至るまでには中国国内での臨床試験が不可欠だが、第2相試験をスキップできるかどうかで発売開始のタイミングが年単位で変わってくる。韓国における第3相試験の結果と2018年の上市見込という事実によって、中国においては第2相試験をスキップできる可能性が高いと弊社ではみているが、仮にそうなれば市場規模が大きいだけに、同社へのロイヤルティ等の収益インパクトもそれだけ早期に具体化すると期待される。

日本・欧米への導出契約への影響に関しては、導出候補プログラムの進捗の項で詳述する。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)

《HN》

 提供:フィスコ

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