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4413 ボードルア

東証G
3,420円
前日比
-220
-6.04%
PTS
3,438円
12:34 04/19
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
35.0 12.88
時価総額 544億円
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ボードルア Research Memo(3):専門性が高い分野で効率的な教育体制を確立し競争力の高いサービスを提供(1)


■事業概要

1. 事業内容
ボードルア<4413>は、様々なアプリケーション・システムを利用するためにシステムを動作させるサーバー、システムに接続するためのネットワーク、安全な通信・情報を守るためのセキュリティなど複雑なIT基盤の設計・構築、運用・保守を請け負っている。

同社のサービス導入の流れは、まず企業のITインフラストラクチャの新規導入やシステム更改にあたり、現状の課題や要望をヒアリング、要件分析、要件定義を行ったうえで企画・提案することから始まる。その後、基本設計及び詳細設計を経て構築・検証し、導入へと至る。同社のサービスは、得意分野である基本的なネットワーク・サーバーの構築以外にも、近年需要が高い先端技術分野である仮想化、ロードバランサー、セキュリティ、ワイヤレス、クラウド、SDN※に及ぶ。なお、オンプレミス環境・クラウド環境のどちらの環境上でも対応が可能で、構築後は導入、運用(監視、保守、障害分析、改善業務など)のサービスも提供している。

※Software Defined Networkの略で、ソフトウェアを用いてネットワークを制御する技術の総称。ネットワークをソフトウェアで集中制御することで、ネットワーク構成や設定などを柔軟に動的に変更することができる。SDNを導入することで、物理的な制約に縛られずネットワーク構成の大幅な変更が可能となる。


こうした情報システムの構築や運用、業務効率化の提案等を通じ、顧客が抱える各種課題の解決を行っている。具体的にはITインフラストラクチャにおける1)ネットワーク、サーバーなどの運用や導入における課題をヒアリングし、データセンター、 サーバー集約化、仮想基盤への移行、ITコストの削減やネットワークセキュリティの改善などを提案する「ITコンサルティング」、2)異なるメーカーを複数組み合わせて使用するマルチベンダーシステムのように、多種多様な機器から構成されるITインフラストラクチャ全般構築を支援する「マルチベンダー構築支援」、3)ITインフラストラクチャ環境に関する運用管理、保守対応などの一連の業務を請け負う「マネージドサービス」、4)オンプレミス環境から運用コスト、イニシャルコストを削減できるクラウドサービスへの移行を行い、各種検証、及び適切かつオンデマンドな運用設計を支援する「クラウド基盤導入支援」につなげている。

2. 先端技術分野
同社は、オンプレミス環境から急速に移行しつつあるクラウド環境への対策として、1)ネットワーク仮想化、2)クラウドソリューション、3)ITセキュリティ、4)ワイヤレスを中心に先端技術分野の技術をいち早く取り入れ、顧客の課題解決のサービスにつなげている。プロジェクト単位でサービスを単発で請け負うこともある。

1) ネットワーク仮想化
近年多数のデバイスが接続できる5Gの登場や、クラウドサービス利用によるインターネット宛通信の急増により、リソースや構成変更に対し柔軟に対応できるネットワークが必要となってきた。同社は、ネットワークをソフトウェアで制御するSDNやNFV※1の技術を用いてローカルブレイクアウト※2でクラウドサービス宛の通信のトラフィックを軽減するほか、複数拠点間の通信をオーバーレイ方式※3に変更するなど、リソースを最大限に活用できる柔軟なネットワークを構築することで、コスト削減やシステム一元化による業務効率化に貢献する。

※1 Network Functions Virtualizationの略で、ネットワーク機器の機能を汎用サーバー(OSやサーバーソフトウェアをインストールすればどのようなサーバーにも設定することができる汎用性が高いサーバーのこと)の仮想化基盤上でソフトウェア(仮想マシン)として実装する方式。
※2 ローカルブレイクアウトとは、データセンターやネットワークを経由せずに拠点のインターネット回線から直接アクセスすることができる機能。これにより、トラフィックが集中し負荷がかかることでコンピュータ動作が重くなることを回避することが可能となる。
※3 オーバーレイ方式とは、設置場所、物理構成にとらわれずに通信を行う環境を構築する技術。


2) クラウドソリューション
ITインフラストラクチャ設計において、利用者がインフラやソフトウェアを持たずにインターネットを通じてサービスを利用できるのが、「クラウドサービス」である。現在ではテレワークの影響もあり、一般的に知られるようになってきた。同社は、顧客企業のシステムをオンプレミス環境からAWS(アマゾンウェブサービス)、Azure(マイクロソフトアジュール)、GCP(グーグルクラウドプラットフォーム)をはじめとするパブリッククラウド※1やハイブリッドクラウド※2環境へのマイグレーション※3を、策定から導入までトータルにサポートしている。

※1 クラウドサービス提供事業者が構築した環境を他の利用者と共同利用するクラウドサービスのこと。
※2 パブリッククラウド(複数企業が共有するクラウドサーバー)とプライベートクラウド(自社専用のクラウドサーバー)や物理サーバーなど、いくつかのサービスを組み合わせて使うクラウドサービスのこと。
※3 既存システムやソフトウェア、データなどの別環境への移転や新しい環境への移行のこと。


3) ITセキュリティ
IoTの普及による接続デバイスの多様化、BYOD※1や面識のない人々が同じ空間を共有して仕事をしているコワーキングスペース用のVPN※2接続や仮想デスクトップ等、通信ネットワークに接続された端末や機器(エンドポイント)の多様化が進んでいる。しかし適切に管理されていないIT機器やクラウドサービスといった「シャドーIT」や、企業への標的型サイバー攻撃に対するセキュリティリスクも日々増加している。こうした状況を踏まえ、あらゆる通信は完全には信頼せず、すべての通信に対して安全性の検証を行うという「ゼロトラストセキュリティ」の考え方が一般的になってきており、企業のセキュリティ意識が高まっている。同社は、顧客のネットワーク環境を適切に把握し、WAF※3、UTM※4、クラウドプロキシ※5、サンドボックス※6といったあらゆるセキュリティ技術を駆使し、導入から運用までワンストップで支援している。

※1 Bring Your Own Deviceの略で、業務従事者が個人保有の携帯用機器を業務に使用すること。
※2 Virtual private networkの略で、デバイスがやりとりするインターネット上のデータを暗号化することができる「仮想プライベートネットワーク」のこと。
※3 Web Application Firewallの略で、Webアプリケーションの脆弱性を悪用した攻撃からWebサイトを保護するセキュリティ対策。Webサーバーの前段に設置して通信を解析・検査し、攻撃と判断した通信を遮断することで、Webサイトを保護する。
※4 Unified Threat Managementの略で、ネットワークに関係するセキュリティ機能を統合した専用機器のこと。
※5 クラウド上にあるネットワークの内部から外部へのアクセスを代理で行うシステムのこと。
※6 実際のコンピュータの環境を模した疑似環境を作り出した仮想環境のことで、マルウェア(ウイルスを含む、悪意のあるソフトウェア)であるかどうかを検証するための環境として用いられる。


4) ワイヤレス
ICT技術の活用は企業に留まらず、教育現場や医療現場にも浸透している。2019年に開始された全国の児童・生徒1人に1台のコンピュータと高速ネットワークを整備する文部科学省の取り組みである「GIGAスクール構想」は、新型コロナウイルス感染症拡大により急加速し、小中高等学校においてもタブレット端末を利用した教育がスタートした。医療現場においても遠隔手話通訳やリモート診療においてタブレット端末やスマートフォンの活用が進むなど、ワイヤレス技術の必要な環境は年々拡大している。同社は、ワイヤレス市場拡大に乗じて、ワイヤレス接続サービスを積極的に提供している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 中山博詞)

《SI》

 提供:フィスコ

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