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4350 メディシス

東証S
630円
前日比
-10
-1.56%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
11.2 1.18 1.90
時価総額 193億円
決算発表予定日

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メディシス Research Memo(8):組織再編で収益力・成長性の向上に期待、在宅医療向けサービスは全国展開へ


■グループ組織再編と在宅医療向けサービスの取り組みについて

1. グループ組織再編について
メディカルシステムネットワーク<4350>は2017年5月19日に今後の成長に向けて最適なグループ組織体制を構築することを目的に、連結子会社3社の同社への統合と、調剤薬局事業を行う北海道3社の統合を発表した。統合の目的は、組織間の機能重複解消によるコスト削減とグループガバナンスの強化、経営の意思決定の迅速化、医薬品等ネットワーク事業及び調剤薬局事業への経営資源の集中が挙げられる。

北海道子会社については2017年7月に統合する予定で、新社名は(株)なの花北海道とする。この統合により調剤薬局事業については全国5ブロックで子会社展開する体制が整うことになる。一方、連結子会社3社との統合については10月に実施する予定となっている。今回の組織再編によって、同社の収益力が強化されるだけでなく、経営資源の集中と選択、意思決定の迅速化が進むことで成長性も向上するものと弊社では見ている。

2. 在宅医療向けサービスの取り組み
在宅医療向けサービスの取り組みとしては、2016年5月に発表した日本郵便との協業による「処方薬等の宅配サービス」「買い物支援サービス」が注目される。

このうち、「処方薬等の宅配サービス」については札幌市、名古屋市の「なの花薬局」5店舗にて、服薬指導を行った在宅患者向けに輸液パック・栄養剤の宅配サービスの運用テストを実施してきた。配送時の温度管理等の安全性に問題がないことが確認されたため、2017年度中に順次全国展開を開始する。また、処方薬については全国展開後に検討していくことになるが、政府の規制緩和策により遠隔医療サービスが2018年以降に認められるようになれば、薬剤師による遠隔での服薬指導も認められる可能性がある。服薬指導が遠隔でできるようになれば、処方薬の宅配サービス需要も拡大する可能性があり、今後の動向が注目される。調剤薬局にとっては、薬剤師の業務負担軽減につながるほか、先行者メリットによる顧客数の増加が期待される。

一方、「買い物支援サービス」については、2016年10月より小樽市、名古屋市にて対象商品を大人用紙おむつ(日本郵便との共同開発品で、生産は日本製紙クレシア(株)に委託)に絞って、介護施設向けを中心に運用テストを実施してきた。こちらも問題なく順調に進んでいることから、2017年度中に順次全国の介護施設向けに販売を開始する。当面は1品目のみに絞り展開していく予定で、早期に年間売上高で10億円を目指していく考えだ。対象商品については今後、日用品や健康食品などに広げていきたい考えだが、協業先である日本郵便の意向次第となる。調剤薬局としては販売商品の拡充によって、収益獲得機会の増大につながることになる。

今後、超高齢化社会の到来によって在宅患者や要介護者数の増加が見込まれるなかで、宅配サービスの需要も高まってくることが予想される。特に、薬局の数が少ない地方においてその重要性が高まるものと思われる。こうした宅配サービスの取り組みについては業界でも同社が先行して進めており、今後の調剤薬局事業の競争力並びに収益力向上につながる取り組みとして注目される。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《HN》

 提供:フィスコ

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