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4321ケネディクス

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ケネディクス Research Memo(1):2018年12月期上期の業績は大きく拡大。通期業績予想を上方修正


■要約

ケネディクス<4321>は、国内最大の独立系不動産アセットマネジメント会社である。1995年の設立以降、日本の不動産証券化ビジネスの勃興期から活躍するとともに、不動産アセットマネジメント会社の草分けとして業容を拡大してきた。メインスポンサーREITの3銘柄や私募REITのほか、多数の私募ファンドを運用しており、受託資産残高は2.0兆円を超える。国内外の機関投資家や年金基金など幅広い投資家層を顧客基盤に持つ。堅調な不動産市場に加えて、同社が目指してきた「ケネディクスモデル」※が本格稼働フェーズに入ってきたことから、ここ数年の業績は順調に拡大基調にある。最近では、ホテルや住宅を対象としたコアファンドの設立のほか、開発ファンドや海外案件など、将来を見据えた新規分野の拡大にも積極的に取り組んでいる。また、新たな不動産投資の仕組みである不動産クラウドファンディング事業の立ち上げも進行中である。

※不動産を自ら保有せず、グループで組成・運用するファンドが保有することにより、安定的な収益力を追求する収益モデル。


同社は、2015年に定めた長期ビジョン「Kenedix Vision 2025」のもと、2018年12月期からは、新たな3ヶ年の中期経営計画「Partners in Growth, Next 2020」をスタートした。新中期経営計画は、前中期経営計画の方向性を継承し、「ケネディクスモデルの発展期」と位置付けられている。すなわち、同社の強みである投資案件の組成力と運用力を高め、顧客投資家層を拡大し、「ケネディクスモデル」を多方面に発展・深化させることで、同社の収益基盤を一層強化する。また、機動的な投資と健全な財務体質を維持しながら、資本の有効活用と株主還元の充実を図り、不動産アセットマネジメントのリーディングカンパニーとして企業価値の一層の向上を目指す方針である。定量計画として、ROE(3年平均)10%以上、総還元性向(3年平均)50%以上を掲げている。

新中期経営計画1年目となる2018年12月期第2四半期の業績は、営業収益が前年同期比264.4%増の49,228百万円、営業利益が同49.2%増の10,200百万円、経常利益が同62.1%増の9,931百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同57.6%増の9,361百万円と増収増益となった。アセットマネジメント事業が堅調に推移したことに加えて、不動産投資事業が拡大したことが業績の伸びに寄与した。また、メインスポンサーREITの成長や私募ファンド(コア)の設立に加えて、ESGへの取り組みなどでも一定の成果を残した。

2018年12月期の通期業績予想について同社は、上期業績の進捗が順調であったことから上方修正を実施した。営業収益を前期比136.8%増の62,400百万円、営業利益を同14.0%増の14,000百万円、経常利益を同15.2%増の13,200百万円、親会社株主に帰属する当期純利益を同9.4%増の11,500百万円と増収増益を見込んでいる。

同社の中長期的な成長戦略の軸は、3つのプラットフォーム(メインスポンサーREIT、私募ファンド、不動産クラウドファンディング)をそれぞれ強化するとともに、そこに同社の競争力を足し合わせることにより、AUMの成長(2025年の長期ビジョンとして4兆円)と投資家層の拡大を目指すものである。弊社でも、「ケネディクスモデル」を確立してきた同社にとって、好調な外部環境(投資対象としての不動産への注目度の高まり等)を追い風としながら、持続的な成長を実現することは可能であると評価している。注目すべきは、「ケネディクスモデル」をさらに発展させるための具体的な施策とその成果にあると言える。独自のポジショニングやビジネスモデルを展開する同社ならではの価値創造に期待したい。

■Key Points
・2018年12月期上期の業績は、アセットマネジメント事業が堅調に推移したことに加えて、不動産投資事業が拡大
・2018年12月期の通期業績予想についても上方修正
・同社の成長戦略の軸は、3つのプラットフォーム(メインスポンサーREIT、私募ファンド、不動産クラウドファンディング)をそれぞれ強化することにより、AUMの成長と投資家層の拡大を目指すものである。
・ESG活動についても、積極的な取り組みと情報開示の充実を図る方針

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)

《NB》

 提供:フィスコ

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