―日経平均&JPX日経400入れ替え候補リストアップ―
今月から来月にかけて、インデックス(指数)絡みの重要イベントが続く。「JPX日経インデックス400(JPX日経400)」と「
日経平均株価」の採用銘柄の定期入れ替えがそれだ。主要インデックスの入れ替えは、実需面でのインパクトが見込め株価への影響も大きい。今年のJPX日経400と日経平均株価の定期入れ替えでは、どの銘柄がどんな理由で見直しが予想されているのか。そのポイントを探った。
●JPX日経400は3回目の定期見直し、優良銘柄の“お墨付き”も
主要インデックスであるJPX日経400と日経平均株価の入れ替えはそれぞれ8月31日と10月第1営業日(3日)に実施される。
まず、JPX日経400では、同指数の定期見直しの発表は今月5日に予定されている。パッシブ連動資金による、リバランスは8月30日の終値で発生する見込みだ。市場では新規採用・除外はそれぞれ30銘柄強の入れ替えが予想されている。昨年の採用43銘柄、除外42銘柄からは、やや減少しそうだ。
JPX日経400は過去3年平均のROEなどで銘柄を選定。400銘柄で構成され、同指数に採用されることは、市場から優良銘柄としての“お墨付き”を得ることを意味し、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)などの買い対象となることなども期待される。14年1月にスタートした同指数は今年で3度目の定期入れ替えを迎える。
●上場3年経過で採用候補にJAL、コロプラなど、ベネッセは除外も
その具体的な、新規採用・除外候補銘柄をみてみよう。新規採用候補では、上場後3年を経過した12年IPO銘柄のJAL <
9201> は有力候補。同様に12年上場のコロプラ <
3668> 、全国保証 <
7164> も新規採用候補として名前が挙がっている。
昨年は、東京電力(現・東京電力ホールディングス <
9501> )が新規採用されるか否かが話題を集め、結局、採用はされなかった。今年は、電力会社では東北電力 <
9506> や中部電力 <
9502> が採用候補として名を連ねている。
また、公共投資増で業績拡大の建設関連では、熊谷組 <
1861> 、東急建設 <
1720> 、前田道路 <
1883> などが採用候補となっている。
さらに、いちごグループホールディングス <
2337> やSCREENホールディングス <
7735> 、江崎グリコ <
2206> なども新規採用が有力視されている。業績回復のソニー <
6758> は新規採用の当落の微妙なラインにいるとみられ、見方は割れている。
一方、燃費データの不正問題が発覚した三菱自動車 <
7211> や情報漏えい事件の影響が尾を引くベネッセホールディングス <
9783> は除外候補に挙げられている。また、原油や非鉄市況下落で業績悪化の三井金属 <
5706> や昭和シェル石油 <
5002> 、千代田化工建設 <
6366> などは除外候補。テレビの視聴率低迷が話題に上がるフジ・メディア・ホールディングス <
4676> も除外候補に挙げられている。
●日経平均は楽天、カカクコムが採用候補、日本曹達は除外も
一方、日経平均株価の定期入れ替えに関しては、日本経済新聞から9月2日前後に発表があるとみられている。市場では、新規採用候補は2銘柄前後との見方が出ているが、なかには「新規採用・除外ともに無し」(銀行系証券)との声も出ている。日経平均銘柄の入れ替えに伴うリバランスは9月30日の終値で発生する見込みだ。
こうしたなか、市場からは新規採用候補として楽天 <
4755> を挙げる見方が多いほか、カカクコム <
2371> も採用候補に挙げられている。他ではLIXILグループ <
5938> やケネディクス <
4321> 、サイバーエージェント <
4751> 、それに大塚ホールディングス <
4578> やオリエンタルランド <
4661> 、リクルートホールディングス <
6098> なども候補に挙げられている。
一方、除外候補は日本曹達 <
4041> を有力視する声は多い。他には北越紀州製紙 <
3865> 、明電舎 <
6508> などを除外候補に挙げる見方もある。
●ファミリーマート株は今月下旬に向け動向を注視
なお、日本経済新聞は2日、ファミリーマート <
8028> を日経平均株価の構成銘柄に新規採用すると発表した。ユニーグループ・ホールディングス <
8270> との9月の経営統合に向けたもので、ユニーグループは日経平均銘柄から削除され、存続会社のファミリーマートが新規採用される。臨時入れ替えのリバランスに伴う売買需要は8月26日の終値にかけ発生する見込みだ。ファミリーマートの株価水準はユニーの約7倍あり、その差を埋めるためファミリーマート株を調達するための需要が発生するとの見方も出ており、リバランスに向けた株価動向が市場の注目を集めている。
【主なJPX日経400入れ替え候補銘柄】
◎新規採用
JAL <
9201> 、コロプラ <
3668> 、全国保証 <
7164> 、東北電力 <
9506> 、中部電力 <
9502> 、熊谷組 <
1861> 、東急建設 <
1720> 、前田道路 <
1883> 、いちごグループホールディングス <
2337> 、SCREENホールディングス <
7735> 、江崎グリコ <
2206> 、ソニー <
6758> 、DMG森精機 <
6141> 、日本水産 <
1332> 、ルネサスエレクトロニクス <
6723> 、朝日インテック <
7747> 、クスリのアオキ <
3398> など
◎除外候補
三菱自動車 <
7211> 、ベネッセホールディングス <
9783> 、フジ・メディア・ホールディングス <
4676> 、三井金属 <
5706> 、昭和シェル石油 <
5002> 、千代田化工建設 <
6366> 、セガサミーホールディングス <
6460> 、アコム <
8572> 、エイベックス・グループ・ホールディングス <
7860> 、アンリツ <
6754> 、AOKIホールディングス <
8214> など
【主な日経平均株価入れ替え候補銘柄】
◎新規採用
楽天 <
4755> 、カカクコム <
2371> 、LIXILグループ <
5938> 、ケネディクス <
4321> 、サイバーエージェント <
4751> 、大塚ホールディングス <
4578> 、オリエンタルランド <
4661> 、リクルートホールディングス <
6098> など
◎除外候補
日本曹達 <
4041> 、北越紀州製紙 <
3865> 、明電舎 <
6508> など
株探ニュース