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4321ケネディクス

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ケネディクス Research Memo(7):2Qは減収ながら2ケタの大幅増益、期初想定を上回る


■決算概要

(2) 2015年12月期第2四半期累計期間の業績

ケネディクス<4321>の2015年12月期第2四半期累計期間(2015年1月?6月、以下、上期)の業績は、営業収益が前年同期比8.3%減の13,279百万円、営業利益が同22.3%増の5,829百万円、経常利益が同36.2%増の5,274百万円、純利益が同61.8%増の7,934百万円となり、想定を上回る進捗であったようだ。

連結対象不動産(棚卸資産)の売却が一巡したことで営業収益は減収となったものの、同社の中核であるアセットマネジメント事業は受託資産残高の拡大により順調に伸長しており、同社業績の伸びをけん引している。また、総合的な収益力を示す純利益が大きく伸びたのは、ノンリコースローン※の減少による支払金利の削減と、好調な不動産マーケットを背景として連結対象不動産(有形固定資産)の売却益が特別利益に計上されたことによる。
※ノンリコースローンとは、返済の原資とする資産を投資物件等に限定した借入れ方法である。

なお、受託資産残高は、各REITの成長(2015年2月と7月に上場した2つのJ-REITを含む)により1兆5,693百万円(前期末比5.9%増)と拡大した。また、そのうち、同社が重視しているベースAUM※の残高も1兆383億円(前期末比10.5%増)と増加している。ただ、私募ファンドについては縮小傾向が続いており、2015年6月末残高も3,496百万円(前期末比14.8%減)と減少しているが、国内外の投資家から様々な不動産投資ニーズが高まっているなかで、足元では底打ち感があるようだ。2015年7月には第一生命保険<8750>との共同投資により不動産コアファンド(首都圏に所在する複数の賃貸住宅を対象)を組成するなど、今後は私募ファンドにも注力する方針を掲げている。
※同社がメインスポンサーとなっているREIT及び私募ファンド

一方、不動産投資事業における自己勘定投資については、自己資本(エクイティ)の範囲内という方針の下、上期においては約325億円の新規投資を行った。そのうち不動産関連投資(約290億円)については、これまでのオフィスや商業施設等を対象としたREIT向けブリッジファンド中心から、賃貸住宅を対象とした不動産メザニンローンへの投資比率が高まっている。メザニンローンはミドルリスク・ミドルリターン(おおむね7~8%と推定)を狙うものが中心であり、また流動性も比較的高いことから、通常のエクイティ投資に比べて手堅い投資タイプとみることができる。

財務面では、REIT向けを中心に連結対象不動産(棚卸資産及び有形固定資産)の売却が順調に進んだことから総資産は183,320百万円(前期末比10.8%減)に縮小した一方、純資産は内部留保の積増しにより89,133百万円(前期末比4.4%増)に増加したことから自己資本比率は46.2%(前期末は38.0%)に上昇した。また、有利子負債残高についても、連結対象不動産の売却に伴ってノンリコースローンが大きく減少するとともに、通常のコーポレートローン(無担保運転資金)についても、低利で長期安定的なものにリファイナンスを行っており、財務の健全性はさらに高まったものと評価できる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)

《RT》

 提供:フィスコ

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