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4308 Jストリーム

東証G
380円
前日比
-1
-0.26%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
43.1 0.91 4.21
時価総額 107億円
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決算発表予定日

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Jストリーム Research Memo(5):固定費を上回る売上増加がスタート、利益成長期入りへ


■事業内容

3. 市場環境と強み、収益構造
動画配信市場は成長期にあるため、Jストリーム<4308>に類似する企業が少なくない。動画配信プラットフォームでは米Brightcove(ブライトコーブ<BCOV>)やNTTスマートコネクト(株)、CDN事業者としては米Akamai(アカマイ・テクノロジーズ<AKAM>)やアマゾン・ドット・コム<AMZN>などの巨大企業である。そのほか、自社会員へのサービスとして配信を行っている大手ISP事業者や、大手コンテンツホルダーと提携して副次的に配信サービスを提供するポータルサイト事業者なども一部同社と事業が重なっている。このような市場において同社は、パイオニアとして長年蓄積してきたノウハウを生かし、グループを挙げて動画配信システムにフォーカスする。同社の強みは歴史と経験に裏打ちされた「専門性」、堅牢で最新のシステムに基づく「信頼性」、動画の企画から制作、配信、分析までをトータルでサポートする「利便性」などである。さらに、大量・高速・安定した配信や高度なセキュリティといった「高機能」という特徴も形作った。顧客であるコンテンツプロバイダーや一般企業からの評価は高い。

こうした強みをフルに使い、同社は動画配信市場で拡大する需要を取り込んでいる。例えば近年では、医薬領域のデジタル化を背景に医薬メーカーから医師・病院へ向けたWeb講演会の需要が急増しており、大規模・双方向性に強みがあり高品質な(失敗しない)ライブ配信を得意とする同社に需要が集中する格好となっている。また、2020年6月、ライブ配信を使ったバーチャル株主総会の取扱いが急増した。提携先の信託銀行大手3社が、新型コロナウイルス対策として株主総会集中時期の「3密」を避けるため、同社サービスをパッケージ化して販売したことが背景にある。同社が以前よりバーチャル株主総会に取り組んできた実績があるための提携だが、2022年3月期以降も期待できる分野と言える。

このため、同社の業績が急伸している。売上高の伸びは、新型コロナウイルスの影響で動画配信利用の流れに加速が付いたためである。また、売上高以上に利益が伸びたのは、同社の収益構造に起因する。同社の大まかなコスト構造は、固定費が社内の営業や制作、運用、管理部門の費用、及び「J-Stream Equipmedia」の償却費とCDNの通信料である。変動費はライブ配信等における外注費などである。このため、売上高が大きく伸びたとき、レバレッジが効いて利益が売上高以上に伸びる構造になっているのである。ここ数年の投資先行期間を経て、コミュニケーションのデジタルシフトという同社のビジョンに現実が追い付いてきた2020年3月期に業績が立ち上がり始め、新型コロナウイルスをきっかけとした動画利用の急進展で需要が開花し、大幅増益につながった。今後、体制整備のための固定費の増加は必要だろうが、好調の流れが続くこと予想されるため、上方シフトした利益率が大きく落ちることはないと思われる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)

《EY》

 提供:フィスコ

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