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4308 Jストリーム

東証G
377円
前日比
-4
-1.05%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
42.8 0.90 4.24
時価総額 106億円
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決算発表予定日

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Jストリーム Research Memo(1):動画配信の需要が新型コロナウイルスで拡大に弾み


■要約

1. 「J-Stream Equipmedia」とCDNに強み
Jストリーム<4308>は、広く企業向けにインターネット動画配信用のソフトウェアやプラットフォームを提供している。基盤となるのが、動画配信のためのあらゆる機能を装備する自社開発ソフト「J-Stream Equipmedia」と、配信をスムーズにする自社構築のCDN(Content Delivery Network)である。同社の配信システムを導入すれば、誰にでも動画を容易に制作できる上、どのようなデバイスにもどのような環境下でも高速で安定した配信を行うことができ、大量のアクセスにも対応可能である。同社の特徴は、専業として長年蓄積してきたノウハウ、高度なセキュリティと安定した配信、サポートやカスタマイズにある。「J-Stream Equipmedia」とCDNというプラットフォームを強みとし、顧客であるコンテンツプロバイダーや一般企業からの評価は高い。

2. 配信技術やニーズの多様化を背景にサービスを複合化
同社の主力事業は「J-Stream Equipmedia」とCDNなど動画配信システムの販売、セキュリティなど動画配信に付随するサービスの提供である。ライブ配信のサービスも行っており、企画から現場対応、運用までをトータルプロデュースしている。ほかに、多チャンネル事業者向けにエンコード設備の設計・構築・販売・運用なども行っている。同社は、一般企業や医薬系企業にはライブ配信やセミナー、社内教育、情報共有など様々な場面で必要なときに必要なだけ配信できる形で提供している。また、放送局や各種コンテンツプロバイダーには運用やシステム開発も含めて様々な形態で、ニーズに合わせカスタマイズして提供している。配信に加え、企画から現場対応、動画・WEB制作、サイト運用等をトータルに提供していることは同社の大きな特色である。ちなみに、同社の事業セグメントは2020年3月期までは「配信事業」「制作・システム開発事業」「その他の事業」の3つのセグメントで構成されていたが、動画の浸透や配信技術・顧客ニーズの多様化を背景にサービスの複合化を図るため、「動画ソリューション事業」単一セグメントとして統合された。

3. 用途特化型サービスや放送同時配信の広がりはチャンス
動画配信業界では、eラーニングや統合型マーケティングなど一般企業向け用途特化型サービスの広がり、医薬系企業のライブ配信需要の拡大、放送事業者の動画配信サービスへの参入(放送と通信の融合・再編)などが進んでいる。同社は一般企業に対して、「J-Stream Equipmedia」に最新テクノロジーや外部サービスとの連携などに組み込み、様々な活動シーンでデジタル化を支援する。医薬系企業に対しては、プロモーション戦略の転換をサポートしている。また、放送事業者に対しては、放送同時配信などビジネスモデルの転換に対してソリューションを提供し、事業者の収益化にも貢献していく考えである。直近の動きとしては、子会社(株)ビッグエムズワイと共同で、製薬業界で多用される「Veeva CRM」向けにデータ連携サービスを開始した。加えて、そうしたサービス向けにコンテンツを制作するアズーリ(株)をグループ化し、高い伸びを示す医薬系領域で更なる収益強化を図っている。

4. 動画配信市場の拡大が新型コロナウイルスで加速、同社も利益成長期入りへ
2021年3月期第2四半期の業績は、売上高5,640百万円(前年同期比55.8%増)、営業利益934百万円(同557.5%増)と驚異的な伸びとなった。新型コロナウイルスの影響も非常に大きかったが、同社のビジョンに世の中のニーズが追い付いてきたことが背景にあると考えられる。その結果、外注費など変動費は増加したものの、固定費が売上高の伸びを大きく下回り、レバレッジのきいた営業利益は大きな伸びとなった。同社は、2021年3月期業績見通しに関して、売上高11,900百万円(前期比41.0%増)、営業利益1,800百万円(229.0%増)と予想している。2021年3月期下期も従来どおり、メディア系企業、医薬系企業、その他一般企業の3方向へ向けて業容拡大を進める戦略である。加えて、新たに「3密」回避やリモートワークなど「新しい生活様式」による需要や対応策を織り込んだため、引き続き高い利益成長が維持できる見通しとなった。ただし、需要の急拡大で第2四半期までに実施しきれなかった体制を強化するため、投資や人件費など先行的に費用を増加させる方針である。このため、下期の営業利益率は上期に比べて若干縮小するが、利益水準は依然高く、中長期的にも高い伸びを継続する可能性がより高まったと言える。

■Key Points
・強みは自社開発した「J-Stream Equipmedia」と自社構築の配信システムCDN
・メディア系企業、医療系企業、その他一般企業の3方向に成長戦略を展開
・動画配信市場の成長が新型コロナウイルスで加速、同社も利益成長期入りへ

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)

《EY》

 提供:フィスコ

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