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4245 ダイキアクシス

東証S
756円
前日比
+10
+1.34%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
25.2 1.06 3.17 70.23
時価総額 103億円
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ダイキアクシス Research Memo(8):海外事業は、インドネシアの新設工場がフル稼働(2)


■中長期の成長戦略

(4) 国別展開状況
以下に国別の進展状況を説明する。

a) インドネシア
ダイキアクシス<4245>は2015年6月にインドネシア第2の都市のスラバヤに支店を開設した。営業拠点を設ければ受注につながる状況にある。2015年8月に同社のグループ会社であることを明確にするため、子会社の商号を変更した。日系メーカーとの競争では、日本からの輸入製品に15~20%の関税がかかるため現地生産が有利に働く。

東急不動産は、2018年12月の完工を目指して首都ジャカルタに商業棟を含む大規模マンション(2棟、381戸)を開発している。同社は、同プロジェクトに参加し、FRP円筒の浄化槽10本を納入する。ほかに、イオン<8267>やトヨタホーム(株)の案件に関与している。

b) ミャンマー
2016年1月にミャンマーにおける販売代理店として1社と契約し、納入実績ができた。ティラワ工場団地内の商業施設(処理能力188立方メートル/日)と外資系のノボテル・ホテルへの設備(同300立方メートル/日)、広告宣伝効果の高いナイトマーケット(ヤンゴン市)に6基(各20立方メートル/日)とヤンゴン銀行(10立方メートル/日)などである。新政権への移行により、公共事業の予算執行に進展がみられる。経済発展に伴う汚濁量増加に伴い、政府による規制運用が強化され、水質の汚濁状況を表すBOD(生物化学的酸素要求量)ではBOD20が標準化されている。ミャンマーの品質基準に、固有メーカー名と同等レベルのものとの表示があるが、クボタ<6326>と同社が認定メーカーとなっている。既に、安定供給体制を確立しており、月間5~10基の納入実績ができている。

c) インド
インドでは「スワッチ・バーラト」(クリーン・インディア)がモディ政権の最優先課題の1つになっている。インドの下水道普及率は約15%にとどまる。2014年10月に発表された「クリーン・インディア」プロジェクトでは、国父マハトマ・ガンディーの生誕150周年になる2019年までに約3兆5,000億円を投じて、1億2,000万家庭に専用トイレを設置するという目標を掲げている。小中学校のトイレや公衆トイレも整備する。人口の約48%、農村では67%が専用のトイレを持っていないため、「屋外排泄」が恒常化しており、公衆衛生の脅威になっている。また、学校に男女別のトイレがないため、女子生徒が通学を断念する事態に陥っている。さらに、夜間の屋外排泄が女性に対する性的暴行を引き起こす原因となっている。国策として取り組んでいる政府は、啓蒙活動にも力を入れている。歌って踊るボリウッドでも、「TOILET:A Lover Story」という題名の映画が製作され、この8月に封切られた。

同社は、2016年7月にインド政府に浄化槽を寄贈し、製品品質をアピールした。浄化槽(処理能力10立方メートル/日)の設置場所は、インド中西部にあるナーグプル市の公園内のトイレ、村の公衆トイレ、テストマーケティングとしてプラスチック工場の排水処理用の3件になる。

同社は、2016年に1社と、さらに2017年に4社と地域別の販売代理店契約を締結した。デンマークの世界的ポンプメーカーの代理店であるBI Marketing Pvt. Ltd.とその親会社で大型水処理事業を行うHECSと浄化槽等の販売店契約を締結した。

2017年4月にインド全土で排水量2,000立方メートル以上の不動産に対し、水質汚濁防止の規制レベルが従来のBOD30からBOD10へ強化された。新築だけでも膨大な需要が発生するが、既存設備にも規制が及ぶ。既設のセプティックタンク(腐敗槽)は汚水のみで生活排水の処理ができないため、強化される規制をクリアできない。現在、かなりの引き合いが来ている。当面の課題は、インドネシア製の製品に対する関税と輸送費により価格が割高となることである。厳しい規制をクリアするため、価格が高いが高性能な製品を採用するような行政の指導が必要である。今後の展開によっては、インド国内に生産拠点を設けることも検討課題となるだろう。

d) 中国
中国では、エンジニアリング会社として活動しており、日系企業から指名で大型案件が舞い込んでいる。農村部も環境規制が厳しくなっている。農産物が輸出されるため、水質汚濁による影響を防ぐための措置であり、今後の広がりに期待が高まっている。

e) その他の地域
環境省は2013年度より、政府の成長戦略の一環として日本企業のアジア水ビジネス市場進出を支援する「アジア水環境改善モデル事業」を実施した。2014年度に公益財団法人 日本環境整備教育センター、(株)極東技工コンサルタントと同社の3社が提案した「マレーシアにおける浄化槽整備による生活排水処理事業」(浄化槽モデル)が採択された。同社はメーカーとしての役割を担った。

農業国のベトナムは、BOD、窒素、アンモニアなどに対する排水規制の厳格化を進めており、処理性能の高い日本仕様製品への需要が期待される。同社は、ローカルパートナーを選定し、受注活動を開始した。アフリカのケニア向けに、2017年8月に初出荷をし、搬入・据付工事を完了した。ナイロビの新規代理店から引合いが急増している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)

《HN》

 提供:フィスコ
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