貸借
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
日経平均株価の構成銘柄。同指数に連動するETFなどファンドの売買から影響を受ける側面がある
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4151 協和キリン

東証P
2,653.0円
前日比
-2.5
-0.09%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
22.5 1.70 2.19 7.71
時価総額 14,326億円
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決算発表予定日

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【植木靖男の相場展望】 ─ 過剰流動性相場は続く


「過剰流動性相場は続く」

●逆風下における株価急上昇の“なぜ?”

 日経平均株価は2月の月替わりから一気に飛び出した。やや想定外の快走ぶりである。

 昨年12月の2万4066円(終値ベース)、そして本年1月の2万4083円と2度にわたって18年10月の高値2万4270円に挑戦したものの果たせず、半分あきらめかけていたところ、にわかに2月から急騰。まさに、サプライズが起きた。その後、あっという間に1000円近く騰げた。

 だが、多くの投資家は戸惑っているようだ。もともと、世界景気はIMF(国際通貨基金)が指摘しているように減速中である。しかも、先行きが読めない不気味な新型肺炎が世界的に拡大するという、とんでもない事態が発生しており、そのような中での株価上昇だけに呆然としているのだ。

 ではなぜ、こうした環境下で株価が急上昇しているのか。もちろん、それなりの理屈が市場では指摘されている。米中貿易問題で中国が関税を引き下げるとしたこととか、 新型肺炎に対するワクチンの開発期待などが挙げられている。

 だが、懸念されるのは新型肺炎拡大によるサプライチェーンへの影響である。つまり、ひとつの製品を作り、それを販売するまで、数々のプロセスが複雑かつ密接につながっており、これが企業間、国家間にまたがっている。このプロセスが中国内で破綻すれば、世界の景気は深刻な悪影響を受ける。

 そうなれば、企業収益が悪化し、株価は急落するというシナリオを考えると、ここへきての上昇を先の2つの要因(中国の対米関税引き下げ、ワクチン開発)で解読することは不可能である。

●拡大する“バブル”的状況には素直に追随

 では、この上昇の背景は何か。ひと言でいえば、過剰流動性によるものといえよう。新型肺炎の流行で、中国政府は3日に日本円にして約18兆円もの資金供給を行っている。

 米国では、昨年3度の利下げに加え、再び金融の量的緩和に踏み切っている。我が国も欧州も金融緩和策を続けている。加えて、先行き米国は大統領選を控えて、減税策も示唆している。すでに、金融政策にこれ以上頼れない我が国や欧州も財政政策に頼ろうとしている。

 こうして過剰流動性は、一段と拡大する方向にある。これはまさしく、バブル的様相そのものである。だが、とにかく投資家は素直にこれに追随することが肝心だ。

 さて、こうしたバブル(今回中勢バブル?)の際の物色対象は何か。同じような市況をみせる米国では、テスラ株がそのスター的存在となっている。いかにも米国らしい。だが、我が国では世界に誇れる業種は少ない。強いて挙げれば、オリンパス <7733> に代表される医療機器の分野である。中国などアジア、さらに欧米へと積極的に市場開拓している。

 やや小粒であるが、我が国の医療機器の将来に期待したい。今回は、1989年以来の高値更新の松風 <7979> 。デンタル事業のグローバル化の加速に注目。

 また、朝日インテック <7747> もカテーテルが中国市場で伸びる。米国製品に関税がかかっているだけに中国市場獲得の好機だ。

 医薬品では、出遅れの協和キリン <4151> 。白血病薬など新薬が増える。中国向けも好調だ。

2020年2月7日 記

株探ニュース

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