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4064 日本カーバイド工業

東証P
1,787円
前日比
-2
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PTS
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業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
6.9 0.50 4.48 18.70
時価総額 168億円
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決算発表予定日

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カーバイド Research Memo(4):2019年3月期は国内需要の伸び悩みと住宅着工減などで減収


■業績動向

1. 2019年3月期の業績概要
日本カーバイド工業<4064>の2019年3月期の業績は売上高48,651百万円(前期比4.2%減)、営業利益2,649百万円(同18.0%減)、経常利益3,119百万円(同7.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益1,800百万円(同34.2%減)と、国内需要の伸び悩みと住宅着工減などで減収となり、利益面では原材料高や輸送費の上昇などが影響、営業利益では2ケタ減益となった。一方で、米中貿易摩擦のほか半導体メモリ等の不振などが影響したことにより、2019年3月期第4四半期の売上高が11,985百万円(前年同期比11.2%減)、営業利益439百万円(同51.6%減)となったことも大きく響いている。

2. セグメント別概況
(1) 電子・機能製品事業
売上高19,030百万円(前期比3.1%減)、経常利益1,645百万円(同16.0%減)となった。製品カテゴリー別では、機能化学品のうち医薬品・農薬向けが低迷、売上高は減収となった。機能樹脂は光学関連分野向け粘・接着剤は堅調に推移したものの、トナー用樹脂の販売が低調だったため売上高は横ばい(カテゴリー変更で実質は減収)であった。電子素材は半導体用金型クリーニング材が半導体生産の鈍化で海外での販売が伸びず減収、セラミック基板は車載向けが好調に推移し増収となり、電子素材全体では7%減となった。利益面では減収効果に加え、原油価格の高騰などによる原材料費の上昇などが影響し、2ケタ経常減益を余儀なくされた。

(2) フィルム・シート製品事業
売上高16,370百万円(前期比1.9%増)、経常利益1,174百万円(同23.7%減)となった。製品カテゴリー別では、フィルム・ステッカーでは、マーキングフィルムが国内外ともに順調に推移、ステッカーも東南アジア向けなどが好調に推移したことで、フィルム・ステッカー全体では6%増収となった。一方、再帰反射シートは、米国向けなどで販売が振るわず3%減収となった。利益面では原材料費や輸送費等のコスト上昇から減益幅が拡大した。

(3) 建材関連事業
売上高9,766百万円(前期比5.8%減)、経常利益210百万円(同65.1%減)となった。住宅着工戸数の減少などで主力のビル・住宅用アルミ建材において手摺や笠木等の販売が低迷したため、6期ぶりに売上高10,000百万円を割り込むこととなった。利益面では減収影響に加え、アルミ地金の高騰による影響もあり、大幅減益を余儀なくされた。

(4) エンジニアリング事業
売上高4,808百万円(前期比14.5%減)ながら経常利益は93百万円(前期は259百万円の損失)となった。国内向け工事案件の完工が減少し外部売上が減少したものの、内部売上は前期比54.2%増となった。また、追加工事などのコスト減が寄与し、利益面では黒字転換を果たした。


財務状況と経営指標は徐々に改善
3.財務状況
2013年3月期をボトムに利益の改善が進んだことから、自己資本比率が徐々に向上している。ネットキャッシュ残高は、手元資金が豊富とは言えないなかで相対的に有利子負債が多くマイナスで推移しているが、利益増による現金及び預金の積み増し、緩やかながら有利子負債の削減が進んでいることで改善方向にある。フリー・キャッシュ・フローでも、設備投資など投資活動によるキャッシュ・フローが抑制されており、営業活動によるキャッシュ・フローの拡大で2016年3月期以降はプラスで推移している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 岡本 弘)

《YM》

 提供:フィスコ

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