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3987 エコモット

東証G
564円
前日比
-89
-13.63%
PTS
564円
12:47 04/19
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
64.6 3.28 2.07
時価総額 29.8億円
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エコモット Research Memo(9):AI、LPWA、5GなどがIoTの普及を後押し


■エコモット<3987>の中長期の成長戦略

1. 中長期の成長戦略
(1) 事業ポートフォリオ
中長期的な成長戦略としては「FASTIO」を基盤とするインテグレーションソリューションに経営資源を傾斜する。IoTシステムを活用した新たな社会課題ソリューションを開発し、その市場ニーズが高いようならパッケージ化する。それにより、コンストラクションソリューションやGPSソリューションに次ぐ、新たな事業の柱を生む。新たなパッケージサービスを増やし、ストックビジネス化を進め、事業基盤の安定化を実現する意向だ。新ソリューションとして、在庫監視ソリューション、残量監視ソリューション、故障検知ソリューションの開発に取り組んでいる。

(2) 中期的な経営戦略
中期的な成長戦略としては、前述したパッケージサービスの拡充によるストック基盤の更なる安定化に加え、AIの活用による市場の創造を掲げている。AIなどの新技術を活用して、モニタリングソリューションでは自動認識システムを実現する。コンストラクションソリューションは、センサーによる現場の情報に、AIを利用した気象データの未来予測などを組み合わせる。今後は、IoTで収集したデータとAIによる分析を組み合わせることで、より付加価値の高いサービスを生み出し、新たな市場の創造を実現する。

(3) 新しい通信サービス規格
既存のICTインフラは、IoTを前提に構築されたわけではない。来年から商用化する新規格の通信サービスにより、IoT市場は爆発的に成長することが期待される。携帯電話大手3社のNTTドコモ<9437>、KDDI、ソフトバンク<9984>は、2018年から新しい通信規格「LPWA」のサービスを開始する。LPWAは、Low Power Wide Areaの略で、消費電力を抑えて、遠距離通信を実現する通信方式となる。通信速度は携帯電話の100分の1程度と遅いが、通信時の消費電力が少なく、端末の電池は使い方次第で10年間交換が不要となる。通信費用も1回線当たり年100円と、携帯電話の数10分の1と格安になる。

M2Mアプリケーションに対応できるよう設計されており、京セラ<6971>やKDDIはLPWAを利用した水道の自動検針の商用化を進めている。ほかには、ガス検針、スマートグリッド、安全性監視、都市駐車場、自動販売機、都市照明など幅広い分野での利用が予想される。携帯通信事業者の業界団体であるGSMAの「モバイルIoTイニシアチブ」には、世界67社のモバイル通信事業者、デバイスメーカー、チップセット、モジュール、インフラ企業が参画している。2022年までに、14億接続を達成してIoTの中心的技術となると予想している。

同社は、LPWAをIoTの新規攻略市場と位置付けている。コンストラクションソリューションに活用するのはもとより、児童の見守り、点在する燃料タンクの残量監視、独居老人の見守りなど、従来のICTインフラでは提供が困難であったソリューションが可能になる。現在は、通信キャリア、自治体、学術団体との実証実験に従事している。

現在の携帯電話の通信規格である「4G」は、スマートフォンの普及とともに浸透した。NTTドコモは、第5世代移動通信システムとなる「5G」の開発に取り組み、2020年のサービス提供開始を目指している。2020年代の情報社会では、移動通信のトラフィック量が2010年と比較して1,000倍以上に増大すると予測しており、それに応えるネットワークシステムとして大容量化を、低コスト・低消費電力で実現することを目標としている。当然IoTへの対応も視野に入れている。同社は新しい通信規格に対応すべく研究開発を進める。

2. 株主還元
株主に対する利益還元を重要な経営課題と認識している。しかし、現在は成長段階にあるため、内部留保の充実による将来の事業展開及び経営体質の強化のための投資を優先している。今期の配当は、計画していない。

一方、株式の流動性の向上と投資家増の拡大を目的に、株式分割を予定している。2017年9月30日を基準に、普通株式1株につき2株の割合で分割する。株式分割後の発行済株式数は、1,318,400株となる。

3. 上場メリット
株式の上場メリットを意識して活用することで、更なる成長を目指している。上場メリットとして、信用力、知名度、資金調達力の3つの向上が挙げられる。これらを生かして、アライアンスの強化、優秀な人材の採用、サービス開発の強化を進めている。これらの施策が、営業力やサービス力を強化し、持続的な成長につながるように戦略を立てている。札幌市に所在するIT企業は、一般的に受託開発が主要業務となる。同社は、株式の上場とあいまって、社会課題解決のためのIoTソリューションを主体的に開発できるため魅力的だ。優秀な技術者の採用が順調に進んでいる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)

《MW》

 提供:フィスコ
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