信用
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)のみができる銘柄
株価20分ディレイ → リアルタイムに変更

3978 マクロミル

東証P
728円
前日比
+4
+0.55%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
8.7 0.74 3.43 196
時価総額 295億円
決算発表予定日

銘柄ニュース

戻る
 

GMOリサーチ Research Memo(5):インターネット上で調査の全てを完結できるプラットフォームが強みの源泉


■事業概要

4. 競合状況とGMOリサーチ<3695>の強み、課題について
インターネットリサーチ業界では、マクロミル<3978>やクロス・マーケティンググループ<3675>、楽天リサーチ(株)などが大手としてあるが、これら企業が調査企画・設計から調査・分析、コンサルティングまでフルサービスを展開しているのに対して、同社はプラットフォーム及びパネル調査(アンケート作成から収集まで)に特化したビジネスモデルを展開していることが大きな違いとなっている。同社はこれら企業からアンケート調査を受託しており、協業の関係にもある。純粋にパネル調査のみを展開している企業は未上場であるが規模は小さい。また、欧米にも同社と同様にパネル調査に特化した企業はあるが、アジア地域においてパネルネットワークを構築している企業は少なく、欧米では大手調査会社だけでなく、これら企業からアジア地域のパネル調査について受託するケースもある。

同社の強みは「GMO Market Observer」と「ASIA Cloud Panel」の業界共有プラットフォームをインターネット上でクラウドマッチングする調査体制を構築している点にある。調査会社、シンクタンク等の顧客企業に対してインターネット上で調査のすべてを完結できる(アンケートの作成から配信・回収・集計まで、従来複数のツールやシステムを使い分ける必要のあったインターネットリサーチの一連のプロセスを同一のインターフェース上で実現する)プラットフォーム「GMO Market Observer」を提供し、同社が構築する仮想的な調査パネル「ASIA Cloud Panel」を活用できる体制となっており、同社のネットリサーチ業界における強みとなっている。前述したようにパネルネットワークは国内、アジア地域においてシステム連携により構築しているため、調査対象を拡大しやすいだけでなく、事業効率の点からも優れていると言える。

同社は「パネル供給改革」を経営戦略として掲げている。同社のリサーチパネルである「JAPAN Cloud Panel」及び「ASIA Cloud Panel」に、より多くの自社会員を持つ企業が参加することで相互のパネル価値を向上させ、さらにより多くの会員を持つ企業が参加する呼び水となり、パネルが強化されるという好循環になることを目指している。自社会員を保有する企業が参加意欲を高めるパネル供給改革の重要経営指標(KPI)として、「ASIA Cloud Panel」内でアンケート回収時に各パネルに付与するポイント発行額を位置付けている。2017年12月期の実績は8.5億円分の発行を行っており、事業の成長とともに発行額も拡大していくことが予想される。

今後の課題としてはスマートフォンユーザーに対するアンケート手法の最適化が挙げられる。これまではPCによるアンケート回答を前提にアンケートフォームの作成が行われていたが、東南アジア等の新興国ではPCよりもスマートフォンの普及率が高くなっており、パネル数の一段の拡大にはスマートフォンユーザーの取り込みが不可欠と考えられるためだ。一般的にインターネットによるアンケート調査は10~100問と多数の質問事項が用意されているため、スマートフォンで回答するには煩雑さを感じるユーザーも多い。逆に、質問形式を簡素化すればクライアント企業が得られる情報が少なくなり、調査の意味をなさなくなるといったジレンマがある。今後は5Gの普及などモバイルネットワークの高速大容量化が進み、スマートフォンの高機能化も進むことから、いずれこうした問題は解消される可能性が高いが、いち早くこうした課題を解決することができれば、アジア地域での圧倒的なポジションを確立することにもつながるだけに、今後の取り組みに注目したい。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《TN》

 提供:フィスコ

株探からのお知らせ

    日経平均