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3976 シャノン

東証G
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業績
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時価総額 13.2億円

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シャノン Research Memo(4):新規採用の戦力化遅れにより、17年10月期の業績は会社計画を下回って着地


■業績動向

1. 2017年10月期の業績概要
シャノン<3976>の2017年10月期の連結業績は、売上高で前期比3.4%増の1,586百万円、営業損失で48百万円(前期は46百万円の利益)、経常損失で62百万円(同42百万円の利益)、親会社株主に帰属する当期純損失で326百万円(同36百万円の利益)となった。また、会社計画(売上高1,660百万円、営業利益25百万円、経常利益10百万円、親会社株主に帰属する当期純利益0百万円)に対してもいずれも下回って着地した。業績拡大を進めるべく当期は人材投資を積極的に行ったものの、採用時期の遅れや戦力化までに時間を要したことで、人件費等の費用増分を賄うだけの受注を獲得できなかったことが業績悪化の要因となった。

前期との比較について見ると、売上高はMAサービス部門が前期比0.6%増と伸び悩んだものの、EMサービスが新規案件の獲得により同10.8%増と伸長したことで増収を維持した。MAサービスについてはサブスクリプション売上が同5.1%増の629百万円となったものの、プロフェッショナルサービス売上が同4.9%減の480百万円と落ち込んだことが伸び悩みの要因となった。また、EMサービスについては、イベントプロデュースに関連する新規案件を獲得したことが増収要因となった。なお、2017年10月期末におけるMAサービスの契約アカウント数は前期末比で36件増の337件と増加基調が続いている。

経常利益の減益要因を見ると、人件費が前期比60百万円増加したほか、ブランディング活動の強化により広告宣伝費が同21百万円増加、また、株式上場に伴う関連費用を営業外で8百万円計上したことなどが主な減益要因となっている。また、特別損失として「シャノンマーケティングプラットフォーム」に関連するソフトウェア資産等の減損損失240百万円を計上したことで、当期純損失が膨らんでいる。

2017年6月時点の会社計画値との比較で見れば、売上高で73百万円、営業利益で73百万円下回ったことになる。売上高ではEMサービスが新規案件の獲得により37百万円上回ったものの、原価率の高いイベントプロデュース案件によるもので利益への影響は軽微にとどまった。一方で、MAサービスはプロフェッショナルサービス売上が98百万円減少したほか、サブスクリプション売上も12百万円下回り、利益減の要因となった。プロフェッショナルサービス売上の下振れについては、新卒社員や中途社員の戦力化が遅れたことにより新規顧客開拓が想定を下回ったこと(期末契約アカウント数は計画比22件減)、売上計上を見込んでいた複数の案件が翌期に期ずれしたこと(15~20百万円の影響)に加えて、MAツールに対する顧客側の習熟度向上やツールの機能向上によりスポット改修等の需要が従来よりも減少したことが響いた。

2017年10月期については新規アカウント件数の獲得が人材採用・教育の遅れや販売パートナーの稼働遅れ等によって想定通り進まなかったことが業績計画未達の主因となったが、四半期ベースで見ると新規獲得の増加件数は第4四半期が27件と第3四半期の16件から大きく伸長するなど増加傾向となっている。新卒・中途採用の人材が戦力化してきたこと、販売パートナー経由での顧客獲得が進んだことが要因と考えられる。

販売パートナーとしては、キヤノンマーケティングジャパン<8060>と2017年6月に販売提携し、同社経由の新規契約を数社獲得したほか、「シャノンマーケティングプラットフォーム」と連携サービスを行うコネクトパートナーのソフトブレーン<4779>やサイボウズ<4776>を通じた新規契約もそれぞれ数社獲得できており、同社が2017年10月期より打ち出したパートナー戦略の効果も、徐々に顕在化してきたと見ることができる。

また、解約率については2016年10月期の約14%から2017年10月期は約11%と改善が進んでいる。2016年10月期はセールスフォース・ドットコムやマルケト等との競争激化でリプレースを目的とした解約が一時的に増えたものの、こうした動きも一巡しており、同社製品が機能面やサポート体制含めて再評価されているものと考えられる。現在の解約件数は月平均3件程度となっており、同社では今後も解約率の低減を目指していく考えだ。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《HN》

 提供:フィスコ

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