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3970 イノベーション

東証G
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前日比
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時価総額 33.9億円
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イノベーション Research Memo(6):既存事業の成長に加えて新事業・新サービスの創出により高成長を目指す


■市場動向と成長戦略

1. オンラインメディア事業
オンラインメディア事業は、企業が顧客獲得を目的とした広告宣伝費用の一部であり、インターネット広告市場の一部(運用型広告)として位置付けられる。インターネット広告市場についてはここ数年、年率10%台の成長が続いているが、なかでも運用型広告は年率22%成長(2012~2017年)と高い成長が続いている。個々の属性や行動利益に基づいた広告施策が打てることから、投資対効果が他の広告施策よりも高いことが背景にある。このため、今後も運用型広告は2ケタ台の高成長が続くものと予想される。

こうしたなかで、イノベーション<3970>は今後も「ITトレンド」「BIZトレンド」を主力サービスとして成長拡大させていく方針だ。成長戦略としては、3次元での成長を進めていく戦略となっている。具体的には、「掲載製品・サービス数の拡大」「サービスカテゴリー数の拡大」「来訪ユーザー数の拡大」に取り組んでいく。3軸それぞれ拡大していくことができれば、成長スピードも一気に加速化していくことになる。

「掲載製品・サービス数の拡大」では、対象となるIT製品が現在、国内だけで約1.3万製品あると言われており、その中で掲載製品数は約2,000製品と全体の2割にも達していないことから、依然拡大余地は大きいと言える。同社サイトの認知度向上に向けたプロモーション活動や営業体制の強化を図ることで、掲載社数並びに掲載製品数を拡大していく戦略だ。また、「サービスカテゴリー数の拡大」については、今後AIシステムやIoTソリューション、FinTechサービスなど新規領域の拡充や、医療分野など専門業種ごとにカテゴリーを拡充していく方針となっている。「来訪ユーザー数の拡大」が現在の課題となっているが、サイトの利便性向上や「ITトレンドスタイル」など新たなメディアの育成などで新たなユーザー層を開拓していくことによって、ユーザー数を拡大していく戦略となる。

IT製品は技術進化が激しく、次々に新しい製品・サービスが創出されている。2~3年前はテレビ会議システムの資料請求件数が多かったが、直近では「働き方改革」の取り組み強化もあって勤怠・就業管理システムの資料請求件数が多くなっている。今後もAIやIoT、FinTechといった先進技術を使った製品が多く登場することが予見され、こうした製品の掲載数を拡充していくことで資料請求件数も拡大していくことが予想される。

2.セールスクラウド事業
調査会社の調査によれば、MAツールの企業への普及率は0.5%、上場企業に限ってみても4.3%とまだ普及率は低く※、今後の普及拡大による成長ポテンシャルは大きいと言える。

※コンサルティング会社の(株)Nexalが2017年5月に約33万社の企業サイトについて行った、独自プログラムを用いたWebサイトクローリングによるソースコード調査を基に算出。


こうしたなかで、MAツールのアカウント件数で国内トップクラスの実績を持つ同社では、今後も販売パートナーとの提携戦略や製品の機能拡充を進めていくことで、ターゲットとなる中堅・中小企業の顧客数を拡大していく方針となっている。

3. 中長期の成長イメージ
同社は今後も既存事業での拡大を図っていくと同時に、新技術・新サービス開発のための投資も積極的に進めていくことで、中長期的な成長を推進していく戦略となっている。新技術・新サービス開発については2017年4月に新設したSales Tech Lab.(セールステックラボ)で進めている。「法人営業の新たなスタイルの創造」が設立の趣旨で、産・官・学と連携し、最新技術を用いたサービスの創出を目指している。

直近の成果としては、セミナー動画プラットフォーム「Seminar Shelf(セミナーシェルフ)」(β版)を開発し、試験的な運用を2017年8月より開始している。「Seminar Shelf」は営業・マーケティング担当者向けのセミナー動画専用サイトであり、会員登録するだけで、関心のある企業のセミナーを会場に行くことなく場所・時間を選ばずPCやスマートフォン等で視聴できるサービスである。セミナー動画は10分程度に編集してサイトにアップする。課題は、動画制作費用の低減や効果的な集客施策の確立となる。集客施策としては提携先の日経BPとの連携も選択肢の1つとなる。セミナーについては、参加したくても場所や時間の問題で参加できないケースも多くあり、潜在的なニーズは大きいと見られるだけに、これらの課題が解決できれば早急に事業化したい考えだ。

その他、M&Aも成長戦略の1つとして良い案件があれば検討していく方向だ。対象はBtoBに特化したWebマーケティングを展開している企業のほか、SFAやCRM、名刺管理、法人企業データサービス等の周辺領域を展開している企業となる。

成長戦略をまとめると、同社独自のノウハウに基づいた法人営業プロセスに関わる一気通貫のサービスを強みとして、中堅・中小企業のニーズに対応した製品・サービス群を拡充しながら既存事業の拡大を図り、また、提携パートナーである日経BPとの事業連携強化による収益基盤の拡充や新事業・新サービスの創出、M&Aによる事業領域の拡充なども進めながら、高成長を目指していく考えだ。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《NB》

 提供:フィスコ

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