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3970 イノベーション

東証G
1,260円
前日比
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業績
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100株
PER PBR 利回り 信用倍率
6.6 0.98 3.17
時価総額 33.7億円
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決算発表予定日

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イノベーション Research Memo(1):2018年3月期業績は下期以降は高成長路線に転じる見通し


■要約

イノベーション<3970>は、法人営業の生産性向上に寄与するインターネットを活用したマーケティング支援サービス事業を展開している。企業が利用するIT製品の比較・資料請求サイト「ITトレンド」(資料請求件数に応じて売上げが発生する成果報酬型ビジネスモデル)を中心としたオンラインメディア事業と、中堅・中小のBtoB企業を対象としたマーケティングオートメーション(以下、MA)ツール「List Finder」を提供するセールスクラウド事業が2本柱。2016年12月に東証マザーズ市場に上場した。

1. 2018年3月期第2四半期累計業績
2018年3月期第2四半期累計の業績は、売上高で前年同期比8.9%増と増収となったものの、営業利益は10百万円の損失計上(前年同期は92百万円の利益)となった。広告宣伝費や採用募集費、研究開発費などの先行投資の実施に伴い、前年同期比で53百万円の費用増要因となったほか、第2四半期に「ITトレンド」のGoogle検索結果の表示順位を上げるためのSEO対策費用を追加で20百万円程度投下したことが減益要因となった。営業利益に関してはこのSEO対策費用分が会社計画に対する下振れ要因となっている。KPIとなる「ITトレンド/BIZトレンド」の来訪者数は前年同期比16.6%増の270.6万人、第2四半期末における「List Finder」のアカウント数は同34.0%増の693件とそれぞれ2ケタペースで伸長するなど順調に拡大した。

2. 2018年3月期業績見通し
2018年3月期の売上高は前期比17.3%増の1,475百万円、営業利益は同14.5%増の197百万円となる見通し。通期計画の達成には、下期の営業利益に関しては、対上期比で217百万円の増益が必要となるが、このうち上期に計上した広告宣伝費や採用募集費、SEO対策費については下期に予定していないため、合わせて77百万円の増益要因となる。このため、通期での営業黒字化は見えているものの、会社計画を達成するためには下期に売上高を一段と拡大し、増収による売上総利益増で140百万円程度の増益が必要となる。下期の売上拡大施策として、オンラインメディア事業では営業体制の強化により「ITトレンド」の掲載製品数を拡充し、売上成長を加速化していく方針。また、セールスクラウド事業では「List Finder」の販売パートナー拡大と、サービス機能向上により、アカウント件数を増やしていく戦略となっている。通期計画のハードルはやや高く、営業利益で数千万円程度の下振れリスクはあるものの、両製品の今後の伸びに期待したい。

3. 中長期の成長戦略
中長期の成長戦略として、「ITトレンド」や「List Finder」等の既存事業の拡大に加えて、AIやIoT技術等の最新技術を活用した「法人営業の新たなスタイルの創造」を実現するサービスの開発、及び協業パートナーである(株)日経BPとの連携による事業拡大などを進めることで、収益成長を目指していく。


4. 株主還元策
今後の株主還元策としては、配当金や株主優待などを検討している。配当金の実施時期については経常利益で500百万円の水準が1つの目安になるとしている。また、同社は2017年7月1日付で株主数の増加と株式の流動性向上を図るため、1:2の株式分割を実施したが、業績が落ち込んだこともあり、あまり効果は見られていない。ただ、今後も引き続き株式の流動性を高めていきたい考えで、株価水準なども参考にしながら株式売出しや株式分割等を検討していくものと思われる。

■Key Points
・BtoB企業向けに特化した営業・マーケティング支援サービス事業を展開
・主力の「ITトレンド」「List Finder」で成長加速を見込む
・既存事業の成長に加えて新事業・新サービスの創出により高成長を目指す

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《MH》

 提供:フィスコ

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