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鮮烈デビュー“LINE”、高まる期待「グーグル、ヤフー並み成長も」 <株探トップ特集>


―海外投資家が人気先導、時価総額一時1兆円乗せ―

 LINE <3938> が日米市場で鮮烈なデビューを果たした。15日、東京株式市場へ株式上場(IPO)した同社株の初値は公開価格に対して48%高を記録。一時、時価総額は1兆円を超えた。無料通信アプリを手掛ける同社のIPOは、引けにかけ軟化したものの大幅上昇となった。一部アナリストからは「第2のヤフーやグーグルに成長することを期待する」との声も挙がる。しかし、その一方で、株価には過熱感を指摘する声も出ている。

●公開価格48%上回る好発進

 15日に東京市場へ新規上場したLINEの初値は公開価格3300円に対し48.5%上昇の4900円をつけた。一時、5000円まで買われ時価総額は1兆円超に達した。

 ただ、後場に入り売り先行となり終値は4345円だった。

 14日に先行上場したニューヨーク市場の初値は公開価格(32.84ドル)を28%上回る42ドル(約4420円、1ドル=105.30ドル換算)で終値は41.58ドル(約4380円)だった。市場からは「東京やニューヨーク市場が上昇基調に入っており、その意味では運の強さがある」(ネット系証券)との見方が出ていた。また、ニューヨーク市場では、同社は今年最大規模のIT関連企業のIPOとなったほか、東京市場では任天堂 <7974> が人気となり、ゲームやソフトウェア関連株が注目されたことも追い風に働いた。

●ポータルサイトへ成長期待、広告分野など開拓余地

 人気を先導したのは海外投資家とみられている。LINEのIPOの公募株数に対する投資家の応募倍率は25倍弱となったと報じられたが、国内機関投資家の約13倍に対し、海外投資家は20倍台後半に達したとされている。

 同社は無料通信アプリ大手だが、特に今後の収益拡大への期待が強いのが、広告関連事業だ。日米を含む世界市場で、インターネット広告市場は成長を続けており、テレビやインターネット、モバイルを含め接触時間が長いメディアが評価される傾向にある。この観点からみると、米国ではフェイスブックなどの強さが目立つが、日本ではLINEの成長が著しく、広告メディアとしても高い価値を持つとみられている。

 一部アナリストからは「10~20歳代を中心にした若い世代にとっては、LINEはポータルサイトとなり得る存在。第2のヤフーやグーグルに育つ可能性もある」との見方も出ている。パソコンが主力の時代は、ヤフーやグーグルがニュースを読んだり、情報を検索したりするための、入り口となった。しかし、スマートフォンを中心とするモバイル時代のポータルサイトは、LINEがその位置を占めることも可能だ。実際、LINEはニュース配信や音楽、金融決済などポータルサイトとしての事業を展開する方向にある。上場間もない頃のヤフーやグーグルに近い立ち位置にLINEはいる、というわけだ。

●海外短期筋が相場左右、5000円抜け焦点に

 ただ一方で、先行き警戒感を示す見方も少なくない。14年12月期の業績は最終黒字だが、15年12月期は赤字を計上するなど「デコボコがあり、安定していない」(他のアナリスト)。また、16年3月末時点のアクティブユーザー数(MAU)は2億1800万人だが、足もとで伸び率は鈍化しており「成長の旬は過ぎている」(ファンドマネジャー)との見方は少なくない。今期業績予想が示されていないこともあり「分析しづらい銘柄」(アナリスト)との声も出ている。

 ある機関投資家は「時価総額1兆円まで買われたのは行き過ぎ。短期モメンタムで買われたが、今後、再び短期姿勢の海外投資家が出てこないと5000円を抜くのは、しばらく難しくなる」という。実際、15日の東京株式市場で同社株は5000円をつけた後は、売り先行となり軟化して引けており、今晩と18日のニューヨーク市場の動向が注目を集めている。いずれにせよ、「当面はLINEが東京市場全体のセンチメントを左右する」(市場関係者)ことになり、今後の展開から目が離せない。


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