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3918 PCIホールディングス

東証S
927円
前日比
-13
-1.38%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
10.4 1.09 3.78
時価総額 93.8億円
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SIGG
決算発表予定日

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PCIーHD Research Memo(3):交通・放送等の社会インフラ系ソフトウェア開発も行う


■事業の内容

●グループ会社の状況
同社グループは、純粋持株会社である同社(グループ戦略の策定、コーポレート・ガバナンスの構築、経営資源のグループ内最適配分、及びグループ各社に対する経営全般における指導・管理等を行う)と、事業会社であるPCIソリューションズ(株)、PCIアイオス(株)、Inspiration(株)の連結子会社3社で構成される。

●事業の内容
PCIホールディングス<3918>はソフトウェア開発、自社ソリューションの開発・保守、IT技術者の派遣等の情報サービス事業を展開。ユーザー企業数は大手システムインテグレーター(SI)及びエンドユーザーの約300社で、売上上位10社のウエイトが売上高の約45%、上位50社のウエイトは売上高の約80%を占める。

手掛ける事業は、PCIソリューションズ(株)が行うテクニカルソリューション事業、PCIアイオス(株)が行うビジネスソリューション事業と、子会社3社が手掛けているIoT/IoEソリューション事業の3つの事業に区分される。2015年9月期の事業区分別売上高(売上構成比)は、テクニカルソリューション事業6,797百万円(86.6%)、ビジネスソリューション事業499百万円(6.4%)、IoT/IoEソリューション事業555百万円(7.1%)。

同社は2016年9月期より事業区分をサービス提供形態からエンドユーザーからの要求に応じた技術特性による分類へ変更する。具体的には、テクニカルソリューション事業のビジネスシステム分野に関する事業をビジネスソリューション事業へ集約し、テクニカルソリューション事業の名称をエンベデッドソリューション事業へ変更した。この変化に対応した2015年9月期の事業区分別売上高は、エンベデッドソリューション事業3,963百万円(50.5%)、ビジネスソリューション事業3,333百万円(42.4%)、IoT/IoEソリューション事業555百万円(7.1%)。

(1)テクニカルソリューション事業

PCIソリューションズが行っている事業。大手SI企業やエンドユーザーの開発プロジェクトにおいて、同社が保有するIT知識・ソフトウェア開発技術・経験・ノウハウ等を活用し、エンベデッドシステム分野とビジネスシステム分野のソフトウェア開発業務を行う。契約形態別で見ると、請負契約、準委任契約の比率が全体の8割程度を占める(顧客企業の指揮命令下で業務を遂行する派遣契約の比率は2割程度)ほか、顧客企業先での常駐型開発が全体の7割程度となっている。

a)エンベデッドシステム分野
自動車、重機・建機等に不可欠な制御ソフトウェアの開発、移動体通信等の通信インフラとなる電気通信分野向け装置の開発及びその他情報家電機器、各種産業機器や半導体製造装置等の制御ソフトウェアの開発を行う。

自動車、重機・建機関連では、駆動系・ボディ系等の各種ECU※1、車載情報端末、CAN※2通信、衛星通信モジュール制御プロセス等に組み込まれるソフトウェアを開発する。一方、通信系システム開発においては、通信機器・伝送装置開発として、組込OSやネットワーク監視制御開発、ミドルウェア開発やアプリケーション開発を行っている。また、デジタルカメラに関わる撮影制御等のファームウェア開発や半導体検査装置を制御するソフトウェアの開発も手掛けている。

※1 ECU(Electronic Control Unit)は自動車の電子制御装置で、エンジン、エアコン、ABSやエアバッグ等の各種安全装置等の制御を行うシステム。
※2 CAN(Controller Area Network)は自動車等の機械の内部で電子回路や各装置を接続するためのネットワーク規格。

b)ビジネスシステム分野
金融・製造・流通・その他企業向けの一般情報系ソフトウェア開発及び交通・放送等の社会インフラ系ソフトウェア開発を行う。

一般情報系ソフトウェア開発では、銀行・証券・生損保・クレジット・信販会社やその他企業向けに基幹業務系ソフトウェア開発や各種一般業務系ソフトウェア開発、一部システムインフラ系ソフトウェア開発等を行う。また、航空会社、鉄道会社、放送局等、社会インフラサービスを提供する企業向けに業務系ソフトウェア開発を行っている。

(2)ビジネスソリューション事業

PCIアイオス(株)が手掛ける事業。オープンソースソフトウェア(Open-Source Software)※3をコアとした顧客の要求に基づくITシステムの構築、同社グループで独自に企画・開発したパッケージソフトウェア製品を活用したソリューションの提供、システムの運用保守、その他ハードウェアの仕入販売等により顧客企業の事業拡大、業務効率化、生産性の向上等の課題解決を行う。

※3ソフトウェアの設計図に当たるソースコードをインターネット等により無償で公開し、誰でもソフトウェアの改良、再配布が行えるソフトウェアを指す。

ITシステムの構築に関しては、顧客企業の情報システムのコスト削減傾向に焦点を当て、LAMP※4等、オープンソースソフトウェアの特性を充分に生かしたWebシステム等のクラウド型のITシステム構築を中心に展開している。一方、パッケージソフト製品に関しては、主としてカルチャースクールやオープンカレッジにおけるカウンター業務全般をカバーしたクラウド型業務パッケージソフトウェア製品「Lesson」の販売、必要に応じて導入支援サービスや追加機能の開発、並びに保守サービスを提供する。加えて、ハードウェアの仕入販売に関しては主として流通・サービス業の店舗で利用されるPOSシステムに自社開発した一般レジ業務に係るパッケージソフトウェアを付加して販売している。

※4Webアプリケーションのプラットフォームとなるオープンソースソフトウェアの組み合わせであり、OSのLinux、サーバソフトウェアのApache、データベース管理システムのMySQL、開発言語であるPHPを総称した頭文字からなる造語。

(3)IoT/IoEソリューション事業

子会社3社がそれぞれ手掛けている新規事業分野で、今後の成長ドライバーと位置付けられるビジネス。テクニカルソリューション事業における数多くの開発実績とIoT/IoE技術のベースとなる通信技術・組込み制御技術・アプリケーション技術といった同社グループの強みを活かしたソリューションの提案や、顧客企業との共同開発を行う。

a) Inspiration
自動車販売店向けに認定中古車検索サイトと販売店向け在庫情報システムとが連動したシステム、試乗車予約システム、タブレット端末でオリジナル提案資料の作成を可能とするシステムやタッチパネルによる検索システム等を開発する。

b) PCIソリューションズ
従来のエンベデッドシステム分野で蓄積した技術をベースにして、移動する自動車と自動車との通信を可能とするプラットフォーム(V2X※1)の開発を行っている。さらに、IoT/IoE技術をより有効活用するために、車載情報端末やスマートフォンで複数のアプリケーションを同時に動作・連動させることを可能にするアプリケーション制御ソフトウェアを開発している。
※1 V2XとはVehicle to Xの略語で、自動車と他の様々な機器やモノ(X)とを通信でつなげること。

c) PCIアイオス
エネルギー業界向けソリューションとして、太陽光等の再生エネルギー発電施設における発電状況モニタリングのための遠隔監視システムの開発を行っているほか、それに付随する再生可能エネルギー発電施設の運用・維持管理支援サービス(O&M:Operation & Maintenance)を提供している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 森本 展正)

《HN》

 提供:フィスコ

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