貸借
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
株価20分ディレイ → リアルタイムに変更

3914 JIG-SAW

東証G
3,850円
前日比
+65
+1.72%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
10.10 2.39
時価総額 260億円

銘柄ニュース

戻る
 

IoT×AIで生産性向上、成長戦略「スマート工場」関連に商機 <株探トップ特集>


―導入の動き加速で高まる注目、浮上する関連銘柄は―

 あらゆるモノがネットにつながる「IoT」(モノのインターネット)がさまざまな分野で広がりをみせているが、製造業の現場でも、IoTや人工知能(AI)などを駆使して生産性を高める「スマート(賢い)工場」の導入が、大手を中心に普及し始めている。10日に自由民主党が安倍晋三首相に提言した成長戦略にもスマート工場などの推進による生産性の向上が盛り込まれ、成長戦略の一環としても普及促進が期待されるだけに、今後、注目度が高まりそうだ。

●米独に比べ出遅れる日本

 スマート工場とは、高度なファクトリーオートメーション(FA、工場自動化)を実現した上で、機器や設備をインターネットで接続し、IoT化することで生産性の向上を実現した工場のこと。機器や設備からデータを収集し、それを解析することで自動化を進めたり、故障を未然に防いだりすることができるようになり、最適な生産体制を築くのが狙いだ。

 海外では、ドイツが政府主導で進めている「インダストリー4.0」や、米国でゼネラル・エレクトリック(GE)などが普及を進めている「インダストリアル・インターネット」が先行しており、日本はこれらの国に比べて出遅れが指摘されていた。

 これを受けて日本政府では、民間の関連産業に働きかけてスマートファクトリー(スマート工場)の推進計画を策定し、2020年までに全国に50ヵ所のスマート工場を完成させる目標を掲げている。また、昨年4月にはこの分野で先行しているドイツと規格化に関する覚書を締結した。

 現在では、ドイツとの連携に加えて、日本の推進団体が米国でインダストリアル・インターネットを推進する団体「インダストリアル・インターネット・コンソーシアム」(IIC)とも提携して日独米で世界標準作りを進めており、スマート工場普及のための基盤が急速に整いつつある。

●ブリヂストンは彦根工場でスマート工場を導入

 既にスマート工場を導入している企業もある。ブリヂストン <5108> では、主力の彦根工場(滋賀県彦根市)で、スマート工場を導入している。生産設備の燃料の残量や部品の動作回数を記録し、データとして外部に提供することで、燃料の安定供給や設備の故障防止につなげている。

 また、エクセディ <7278> も寝屋川本社工場(大阪府寝屋川市)の一部にスマート工場を導入した。クラッチカバーの組み付け自動化ラインを、クラウドベースの生産管理システムと連携させることで、リアルタイムの計画台数に応じて固定冶具やパンチ、金型の調整を自動で行うという。

 さらに、アマダホールディングス <6113> も土岐工場(岐阜県土岐市)の金型工場にスマート工場を導入する。IoTシステムをベースとする生産ラインとWebシステムをベースとする新販売システムを同時に構築することで、顧客からの個別の依頼から金型納品まで全工程をサポートし、短納期を実現する方針だ。

●インフラ構築で各社の動きも加速

 スマート工場を導入する企業の増加に伴い、そのインフラ構築のための動きも加速している。

 ファナック <6954> では、NTT <9432> や米シスコシステムズ(カリフォルニア州)などの協力を得て、他社の機械・設備とネットワークで連携する工場用IoT基盤「フィールド・システム」を開発。今年9月にも対応アプリなども合わせ提供を開始する。

 また、三菱電機 <6503> は、工作機械などのFAと、生産計画などを指示するIT(情報技術)分野をつなぎ、それぞれからデータを収集して生産現場の状況を管理する「FA-ITオープンプラットフォーム」を10月以降に開始すると発表しており、この分野の主導権争いが熱を帯び始めた。

 このほか、日立製作所 <6501> は昨年6月に開始した経済産業省の「IoT推進のための社会システム推進事業(スマート工場実証事業)」を受託。また、装置や製品だけでなく工場内の人の動きも捉えて最適な作業方法を探るシステムも確立している。DMG森精機 <6141> も昨年9月から、日本マイクロソフト(東京都港区)と、工作機械を中心とする制御システムのセキュリティーとスマート工場などの実現に向けた技術協力を開始しており、関連銘柄として注目を集めそうだ。

●シーイーシーなどがシステム開発で先行

 一方、システム開発企業からのアプローチも激しさを増している。

 シーイーシー <9692> では、生産設備の稼働データを蓄積・分析し、予防保全・予兆保全を目指すソリューションや、工場の制御を自動化・自律化するソリューションを提供している。また、今年1月に、新日鉄住金ソリューションズ <2327> や、安川情報システム <2354> [東証2]もスマート工場向けソリューションの提供を開始すると発表。2月にはISID <4812> が、IoT導入を目指す工場を対象に、実際の機器で事前検証できるサービスを開始したと発表し、それぞれ脚光を浴びた。

 このほか、LED照明やFA表示システムなどとIoT/M2M(機器間通信)ソリューションを組み合わせたスマート工場を提案するJMACS <5817> [東証2]や、IoTを活用した製造ラインの統合管理ソリューションを提供するアイビーシー <3920> にも注目。さらに、トヨタ自動車 <7203> の車両生産指示システムを手掛けたサイオステクノロジー <3744> [東証2]や、IoTデータコントロールとIoTエッジ組み込みとのシームレスな連携を実現するJIG-SAW <3914> [東証M]なども関連銘柄として挙げられそうだ。

株探ニュース

株探からのお知らせ

    日経平均