信用
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3908 コラボス

東証G
322円
前日比
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単位
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時価総額 15.4億円
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決算発表予定日

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リアルワールド Research Memo(8):国内最大級の会員基盤やノウハウを生かし、提携や事業基盤の拡大を進める


■成長戦略とその進捗

(1)成長戦略の方向性

リアルワールド<3691>の成長戦略は、クラウドメディアとクラウドソーシングの一層の融合と更なる進化を図ることにより、より価値の高いリアルワールドエコシステム(「暮らすこと」「働くこと」を中心とした人が生きていくためのライフサイクル)の実現を目指すものである。特に、日本の労働力減少に対する政策である「一億総活躍社会(同一労働同一賃金)」の実現に向け、これまでのクラウドソーシングに限らず、結婚・妊娠・出産・子育てなど、様々なライフイベントに対して多様な働き方を柔軟に提供する「ワークエコシステム」の確立に注力する方針である。

(2) 2016年9月期における主な活動実績

○人口知能(AI)分野への展開(2016年2月)
クラウドソーシングによる人工知能やロボットのプログラム精度向上支援を商品化したものである。これまでの経験則(言語処理能力向上のための音声データ収集や会話文の作成作業等)を生かし、関心の高まっているAI分野での言語処理能力(難関と言われている日本語)の精度向上を支援するところに狙いがある。

○(株)リアルキャリアの設立(2016年2月)
同一労働同一賃金の実現に向け、クラウドソーシングに限らず、派遣、在宅ワークなど、様々なライフイベント(結婚・妊娠・出産・子育てなど)に対して多様な働き方を支援する「ワークエコシステム」の確立を目的としたものである。2016年5月には一般労働者派遣事業許可証を取得し、いよいよ活動を開始すると、在宅ワーク(契約社員・業務委託)に対するニーズを取り込みながら順調に立ち上がってきた。

○(株)REAL FINTECHの設立(2016年4月)
注目されるフィンテック分野への参入を視野に入れ、2016年2月にFinTech協会へ加入すると、4月にはブロックチェーン・テクノロジー等の新技術の調査、研究、サービス展開への実証、クラウドファンディング、金融及び事業投資を目的としてREAL FINTECHを設立した。同社は、マイナス金利政策導入を背景として貯蓄方法の見直しを検討する機運が高まるなかで、2016年5月から「ポイント利息」付与サービスを開始し、会員獲得(囲い込み)に向けた差別化戦略を打ち出したが、今後は会員の投資ニーズに対応するため、クラウドファンディングやマイクロファイナンスによるポイント資産の運用についても準備を進める方針である。フィンテックについては、一般的にも注目が集まっている分野であるが、同社でも様々な方面から事業機会の可能性が広がってきており、今後の展開に目が離せない状況と言えるだろう。

○インスタグラムマーケティング支援を開始(2016年4月)
インスタグラムマーケティング支援を手掛ける(株)シェアコトと連携し、商品やサービスのブランド認知を広めたい企業向けに、インスタグラムによる販促支援サービスの提供を開始した。シェアコトが数年にわたり培ったシステムを活用し、同社会員による大規模な販促支援を実現するものである。同社は、シェアコトとの連携により、ソーシャルを活用したマーケティング支援をより一層拡大する方針としている。

○在宅コールセンター事業をコラボス社と実証実験開始(2016年6月)
コールセンターで利用されているシステムを提供しているコラボス<3908>と連携し、同社会員による在宅コールセンター事業の実証実験を開始した。同社会員向けのアンケート調査によると、コールセンター経験者は回答者(有効回答数約5,000名)のうち2割超の約 1,200名に上っており、これらコールセンター経験者はもちろんのこと、営業・接客業務経験者などにおいてもコラボスのシステムを通じてアウトバウンド対応できる業務管理サービス提供を目指している。

○ AI(人口知能)をフェアリーデバイセズ社と共同開発開始(2016年6月)
コミュニケーションロボットなどの音声認識機能に利用されるシステムを提供しているフェアリーデバイセズ(株)と連携し、精度の高いAI(人工知能)の共同開発を開始した。フェアリーデバイセズは「ディープラーニング」を活用した音声情報処理システムをコミュニケーションロボットなど、様々な機器へ提供している東京大学発ベンチャーである。同社は、AI(人工知能)に学習させるための多様な音声データの収集を短期的に行うことが可能であるため、今回の共同開発により、今後発展の見込めるAI(人工知能)関連産業において、音声処理技術に必要とされる多様な音声データの提供を目指す。

○愛媛県と地方創生支援「一社一村」プログラムを推進(2016年10月)
愛媛県が取り組む『地方創生支援「一社一村」プログラム』への参画により、クラウドソーシングによる地方市民と地方企業の双方をサポートする活動を開始した。特に、リアルキャリアによる「在宅ワーク」は、会員にとってはキャリアアップや給与の向上につながり、顧客企業にとってもより難易度や質の高い仕事を依頼できることから地方創生支援との親和性が高いと考えられる。同社は、愛媛県との取り組みを皮切りに、引き合いの強い他の都道府県等へも活動範囲を広げていく方針である。

弊社では、独自の事業モデル(マイクロタスク型)における優位性を生かし、新たな社会基盤としての潜在需要が大きいクラウドソーシング市場(在宅ワークを含め)を、いかに同社自らの成長に取り込んでいくのかがポイントになるとみている。さらに言えば、国内最大級の会員基盤やノウハウを生かした事業機会の広がりが様々な形で進んでおり、それらが同社にとってさらに優位性を高める(先行者利益を生み出す)可能性にも注目している。特に、経営資源に限りがある中で、これまで以上にスピード感を求められることから、他社との連携とその成果(シナジー創出等)が成功のカギを握るものと考えられる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)

《TN》

 提供:フィスコ

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