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3854 アイル

東証P
2,735円
前日比
-43
-1.55%
PTS
2,735円
14:59 04/25
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
25.5 7.86 1.32 1,347
時価総額 685億円

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アイル Research Memo(1):中堅・中小企業向けにトータルシステムソリューションを展開


■要約

アイル<3854>は、中堅・中小企業を主たる顧客対象として企業の経営力アップを支援する、トータルシステムソリューション企業である。顧客の抱える経営課題全般に対して、基幹システム構築、システムサポート保守、ネットワーク構築、Webコンサルティング、ECサイト構築、基幹業務パッケージソフト、複数ECサイト一元管理ソフト、実店舗とECの顧客・ポイント一元管理ソフトなど、ITの有効活用が必要な中堅・中小企業の経営課題を解決するための商材を「Web」と「リアル」の両面から複合提案する「CROSS-OVERシナジー」戦略で、トータルシステムソリューションを展開している。またICC(アイルキャリアカレッジ)大阪校・東京校を運営している。今後は、DX(デジタルトランスフォーメーション)支援のリーディングカンパニーを目指している。

1. 強み・特徴
事業区分は、基幹業務パッケージソフト「アラジンオフィス」シリーズが主力のシステムソリューション事業、ASP型(クラウド型)でサービス提供する複数ECサイト一元管理ソフト「CROSS MALL」や実店舗とECの顧客・ポイント一元管理ソフト「CROSS POINT」が主力のWebソリューション事業(CROSS事業、その他Web事業)としている。優位性・強み・特徴としては(1)独立系企業、(2)中小企業市場への特化、(3)「Web」と「リアル」の両方への対応力と高シェア、(4)業種特化型体制と業種特化型パッケージソフトによる特化市場深耕、(5)自社製品・サービス比率の高さ、(6)トータルソリューションを実現する「商品生態系」戦略、(7)高水準のコールセンター応答率、(8)社員の7割が技術職の体制などが挙げられる。こうした優位性や強みの結果、「攻めの力」も「守りの力」も強く、顧客企業数は大幅増加基調である。またストック型商材の売上げも拡大基調である。

2. 2018年7月期連結業績は増収増益
2018年9月7日発表の2018年7月期連結業績は、売上高が前期比9.2%増の9,412百万円、営業利益が同21.8%増の526百万円、経常利益が同19.8%増の546百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同12.3%増の336百万円だった。売上高は過去最高を更新し、ほぼ計画水準の増収増益だった。新規顧客開拓が順調に推移してシステムソリューション事業が同8%増収、Webソリューション事業が同16%増収と伸長した。利益面ではストック型商材の伸長、2017年7月期から重点施策として取り組んでいる品質管理強化や生産性向上の効果も寄与して売上総利益率が上昇した。

3. 2019年7月期連結業績も大幅増益で過去最高更新予想
2019年7月期連結業績予想は、売上高が前期比8.4%増の10,200百万円、営業利益が同34.9%増の710百万円、経常利益が同31.9%増の720百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同35.5%増の456百万円としている。システムソリューション事業、Webソリューション事業とも伸長して増収・大幅増益予想、そして過去最高更新予想である。売上面では大型物件の受注増加で一時的に完成納期の時期が長期化し、コスト面では積極的な研究開発投資や人材投資を継続するが、新規受注や更新受注の獲得が順調に推移して売上高は100億円を突破し、ストック型商材の伸長、品質管理強化・生産性向上の効果、さらに働き方改革推進に伴う職場環境改善関連費用の一巡も寄与して、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益とも大幅増益予想である。

4. 中期経営計画で2021年7月期営業利益10億円目標
3ヶ年中期経営計画(2019年7月期-2021年7月期、1年ごとに更新するローリング方式)では、2021年7月期の目標値として売上高11,800百万円、営業利益1,000百万円、経常利益1,020百万円、親会社株主に帰属する当期純利益657百万円を掲げている。また中期的には売上高営業利益率10%を目指している。重点戦略としては、(1)新たな拠点展開も視野に入れた地域密着の営業展開、(2)顧客満足度と生産性の向上、(3)高付加価値トータルソリューションの提供を掲げている。

同社は、DX(デジタルトランスフォーメーション)支援のリーディングカンパニーを目指している。DXとは「ITの浸透が人々の生活をあらゆる面で良い方向に変化させる」という概念で、従来のビジネスモデルやビジネス手段といったものをデジタル技術によって変革し、新たな価値を創造することである。そしてブロックチェーン技術やAI(人工知能)技術も活用した次世代クラウドサービスなどの開発を推進する。規模拡大と利益率上昇で中期成長が期待される。

5. 利益還元は配当性向30%かつ安定配当
利益還元については配当性向30%かつ安定配当を指標としている。この基本方針に基づいて2019年7月期の配当予想は、年間12.00円(第2四半期末6.00円、期末6.00円)としている。予想配当性向は32.9%となる。また2019年7月期より中間配当を実施する。なお2018年8月1日付株式2分割を考慮して、2017年7月期の年間18.00円を9.00円、2018年7月期の年間20.00円(市場変更記念配当2.00円含む)を10.00円に換算すると、2018年7月期は1.00円増配だった。そして2019年7月期は2.00円増配予想となる。

■Key Points
・中堅・中小企業向けにトータルシステムソリューションを展開
・「Web」と「リアル」の両面から複合提案する「CROSS-OVERシナジー」戦略が特徴
・2019年7月期連結業績は大幅増益で過去最高更新予想

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)

《HN》

 提供:フィスコ

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