信用
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3848 データアプリ

東証S
1,059円
前日比
-22
-2.04%
PTS
1,056円
13:57 03/29
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
15.3 1.41 2.27
時価総額 78.5億円
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データアプリ Research Memo(6):「変革への挑戦」を掲げ、事業領域の拡大深耕と収益安定性の向上を目指す


■データ・アプリケーション<3848>の成長戦略

1. 市場環境
コロナ禍の影響により、企業のIT投資で一部抑制・先送りの動きが見られたものの、いわゆる「2025年の崖」問題(2018年9月に経済産業省が発表した「DXレポート~ITシステム『2025年の崖』の克服とDXの本格的な展開~」)では、既存システムの老朽化・肥大化・複雑化・ブラックボックス化などによって、企業の競争力が低下し、2025年以降に最大12兆円/年(現在の約3倍)の経済損失が発生する可能性が指摘されている。このため今後の市場環境については、あらゆる産業で新たなビジネスモデルが求められ、DXの流れが加速すると想定している。

同社が展開する企業間電子データ交換分野の他、企業間電子データ交換を含めた企業内外のシステムの全体最適化を目指して、分散化する企業内外のシステム間におけるデータ連携・変換・加工・活用といったデータに関する様々なビジネスの拡大が予想されている。これらのことから、同社が属する市場環境は良好と言えるだろう。

2. 中期経営計画
同社は、2021年5月に中期経営計画(2022年3月期~2024年3月期)を発表した。2024年3月期の売上高25億円、サブスクリプション売上3倍(2021年3月期比)、営業利益3.5億円とする数値目標を掲げている。また、株主還元方針として、DOE(株主資本配当率)3.5%を目安に長期的・安定的な配当の維持を目指す方針である。なお、ソフトウェア(売り切り)の提供に対して、サブスクリプションは短期的には売上減少要因となるが、期ずれなどの影響を受けにくく、顧客の導入障壁が低いことから安定収益源となるとして、サブスクリプションの推進を継続する。

(1) 基本方針
同社は、ありたい姿を「データと一緒にワクワクする未来へ!」と定義し、中期ビジョンとして「変革への挑戦」を掲げた。また、経営戦略の基本方針として、(1) 研究開発や技術探求に加えて、他社との協業等を実行しつつ、DXをはじめとした新たな市場開拓を行い、企業成長の方向性を広げる、(2) 継続的な製品機能のエンハンスや提供サービスの拡充等により、既存事業の周辺市場への展開を含め、事業領域の拡大深耕を目指す、(3) サポートサービス品質を上げ、解約率の低減と顧客満足度の向上を図りつつ、リカーリングビジネスを推進し、収益安定性の向上を目指す、(4) 教育・労働環境を整備し、優秀な人材の採用・育成に努め、企業としての持続的成長の実現を図る、の4つを掲げた。

(2) アクションプラン
計画達成に向け、「商品」「顧客」「業務プロセス」「人材」をキーワードとし、アクションプランを掲げている。「商品」では、既存市場の深耕、戦略製品(ACMS Apex、RACCOON、OCRtran)を中心にソリューション力の強化、ストックビジネスのさらなる強化など、「顧客」では、製品の付加価値向上による既存顧客維持、パートナー企業との協業深化、顧客のグローバル化・DX化へ向けた支援など、「業務プロセス」では、M&A検討、営業の効率化など、「人材」では、社員のスキルアップ、技術探求部門の新設などを推進する方針だ。

定性的な成長イメージとしては、EDIミドルウェア市場でのマーケットリーダーのポジションを足掛かりに、テクノロジーとビジネスの変化に適応し成長し続けることを目指す。具体的には、市場規模420億円(同社推定)のデータ・インテグレーションソフトウェアマーケットへ事業拡大することで、データ・インテグレーション領域でマーケットリーダーを目指すとともに、同社の戦略製品を活用することで顧客のDX促進を目指す。

直近では、営業利益率が低下(2020年3月期は前期比11.7ポイント低下、2021年3月期は同6.8ポイント低下)しているものの、これは、売り切りからサブスクリプションへ戦略的にシフトしていることによる短期的な売上減少や、会計方法変更によるメンテナンス売上の減少といった一過性の要因によるものであり、市場環境は良好であることから、データ・インテグレーションソフトウェアマーケットへの事業拡大戦略を推進することで、中長期的な成長を期待したい。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)

《YM》

 提供:フィスコ

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