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3831パイプドビッツ

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パイプドHD<3919>次世代ITベンダーへと革新する3ヵ年


ラジオNIKKEI マーケットプレスの『フィスコ presents 注目企業分析』12月7日放送において、パイプドHDを取り上げている。主な内容は以下の通り。

■会社概要
パイプドHD<3919>は2015年9月1日付で旧パイプドビッツ<3831>から単独株式移転によって設立された純粋持株会社である。パイプドHDの完全子会社となったパイプドビッツは、自社製品である「SPIRAL(スパイラル)」というプラットフォーム(ミドルウェア)をクラウド型で提供するユニークなIT企業である。中小SIer(システムインテグレーター)向けにプラットフォームの提供をするだけでなく、特定の業界(美容業界や建築業界など)向けに自社開発したアプリケーションの販売も行っている。

■事業内容について
同社は、佐谷宣昭(さたにのぶあき)社長によって2000年4月に設立された。多くの企業にとって、その顧客の属性やメールアドレスなど、事業上知り得たデータは重要な「情報資産」であり、これらの「情報資産」を安全に預かると同時に有効利用するサービスを事業として開始した。この事業を行うために自社開発したのが、情報管理のためのプラットフォーム「SPIRAL」である。その後、この「SPIRAL」を中心に各種のアプリケーションを開発し、これらの応用事業を展開しつつ現在に至っている。

このように、同社の主力事業は自社開発した「SPIRAL」というプラットフォーム及び関連したアプリケーションソフトを、売り切りではなくレンタル方式(月額課金方式)でユーザーに提供することである。ソフトウェアの階層(レイヤー)のなかで「SPIRAL」の位置付けは、クラウド型ミドルウェアとも言える。

■「SPIRAL」の特徴について
一般的に多くの企業は業務上のシステムなどを構築する際に、開発・運用のためのハードウェアや基本ソフトウェア(OS)、開発環境(ツール)、データベース、ミドルウェアなどを自社で購入し(または開発委託し)、それらを組み合わせてシステムが稼動するための基盤(プラットフォーム)を構築する必要があり、さらに開発後もそれらを維持する手間(コスト)が必要であった。しかし同社の開発した「SPIRAL」は、開発ツールが搭載されているので各種アプリケーションを簡単に開発することができるだけでなく、データベースも内蔵しているため「SPIRAL」に格納された顧客データなどの情報資産を各アプリケーションで共有して利用することが可能になる。またこれらのアプリケーションやデータ類を簡単に複製したりデリバリーしたりすることもできる。この点がパッケージ型ソフトと大きく異なる優位性である。

このため顧客企業は、「SPIRAL」を利用することでアプリ開発のコストを大幅に削減すると同時に、情報の運営(利用)・管理を簡単かつ一括して行うことができる。さらに従量制の月額課金型プラットフォームであることから、コスト削減にも役立っている。「SPIRAL」の導入企業には、大手金融機関をはじめとする著名な企業が名を連ねている。

なお、主要顧客としては自社の業務用ソフトなどを社内開発する大手企業に加え、中小企業向けなどに開発を行う中小SIer及びWeb制作・Web開発会社がある。また、同社はこの「SPIRAL」を使って特定業界やユーザー向けに同社自身でアプリケーションを開発し、これらの販売も行っている。このような主要製品はパッケージ販売(売り切り)ではなく、すべてクラウド(月額課金)型で販売されている。

■足元の業績
旧パイプドビッツの2016年2月期上期(3-8月)決算は、売上高が前年同期比24.4%増の18.81億円、営業利益が同12.1%増の3.42億円、経常利益が同9.3%増の3.33億円、四半期純利益が同1.9%増の1.80億円となった。売上高、営業利益ともに過去最高を更新した。増収率に比べて増益率が低くなっているが、これは人材採用を中心に積極的な投資を行ったためであり、当初から想定されたものである。

主力の情報資産プラットフォーム事業では、第2四半期末の有効アカウント数が10,569と前期末比188減となったが、主な要因は比較的単価の安いアカウントの大口解約があったことである。その一方で、中型案件や大型案件が増加したこと、多様なサービス提供によってアカウント当たりの金額が増加したことなどから、セグメント売上高は大幅増となった。

一方、経費については、前述のとおり人材採用を積極的に行ったことから第2四半期末の人員数は282名となり、前年同期末から58名増加した。但し、このうち53名はまだ研修段階(費用はかかるが営業力として寄与していない人材)であり、今後はこれらの新規採用人員や研修中の人員が戦力化してくることが予想される。

進行中の2016年2月期はパイプドHDとして初の決算となるが、売上高が前期比26.0%増の40.00億円、営業利益が同31.2%増の8.20億円、経常利益が同29.2%増の8.20億円、当期純利益が同31.6%増の4.90億円と予想されており、連続して過去最高利益を更新する見通しだ。

■中長期的な見通しについて
同社は2017年2月期を最終年度とする3ヵ年の中期経営計画を掲げている、最終目標は売上高が2014年2月期比で約3.7倍の92.00億円、営業利益が同5.0倍の28.00億円となっている。同社は「次世代ITベンダーへと革新する3ヵ年」というスローガンを掲げ、「新規事業の発掘と育成」「人材の積極的採用と育成」を軸に積極的に投資を行うとしている。2016年2月期予想に比べるとかなり高い目標と言えるが、同社が事業ドメインを置く業態(クラウド型)であれば達成は不可能ではないだろう。今後の有効アカウント数の動向に加え、マイナンバー制度の導入状況なども注目される。

■株価動向
持株会社体制へ移行から3ヶ月が経過したが、9月8日安値1003円をボトムに上昇トレンドが継続しており、上昇する25日線が支持線として意識されている。9月1日高値1374円がその後、支持線として機能している。また、足元で株価はやや調整を見せているが、10月の戻り高値水準が支持線として機能しており、資金回転が利きやすいなかでの上昇トレンドが続いている。


ラジオNIKKEI マーケットプレス
『フィスコ presents 注目企業分析』毎週月・木曜14:30~14:45放送

《TM》

 提供:フィスコ

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