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3826 システムインテグレータ

東証S
414円
前日比
+4
+0.98%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
4.9 1.51 2.90 117
時価総額 45.9億円
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決算発表予定日

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システムインテ Research Memo(7):「OBPM」と「GRANDIT」が2ケタ成長見通し


■今後の見通し

2. 事業セグメント別見通し
(1) Object Browser事業
Object Browser事業の売上高は前期比9%程度の増収となる見通し。「SI Object Browser」シリーズについては引き続きクラウドサービスでの利用拡大を進め、前期比2%増と若干の増収を見込んでいる。一方、「OBPM」については前期比17%増収と2ケタ成長が続く見通し。2017年3月より機能を絞った「ライト版」(価格は半額程度)の提供を開始しており、中小企業だけでなく大企業においても社内の事業部門での導入検討が進むなど、引き合いが好調で今期は一段の売上増が期待されている。また、IT業界以外への拡販も進めていく方針で、その第1弾として「エンジニアリング版」の提供も2017年3月より開始している。販路がまだないため、今後は展示会への出展やセミナー開催などのマーケティング活動を強化し、受注獲得を進めていく方針となっている。ここ最近は、どの業界でも人手不足が慢性化しており、プロジェクト管理の厳格化が求められるようになっていることから、そのツールとして「OBPM」の成長余地は大きいと言える。

また、中国市場についても潜在的な需要は日本よりも大きく、システムインテグレータ<3826>にとって魅力的な市場となる。中国のソフトウェア開発の市場規模は日本の10倍以上と大きく、「OBPM」が普及すれば業績に与えるインパクトも大きい。中国ではPMに対する意識も高く、これはプロジェクトマネジメントに関するアプローチ手法を体系化したPMBOK(ピンボック)※の国際資格であるPMPの有資格者数でも見てとれる。数年前の中国の資格取得者数は約3万人と日本並みの水準であったが、現在は約10万人と日本の3倍以上の規模となっている。中国ではExcelで自作してプロジェクト管理を行っており、PMの統合管理ツールの市販品はまだない状態にある。中国でも人件費の高騰によりソフトウェア開発分野での生産性向上が求められており、性能の良いPMツールがあれば導入が進む可能性が高い。現在、新たな提携先を探索している段階で、提携が決まり次第、提携先企業で販売活動を開始することになる。業績に寄与するまでにはしばらく時間が掛かると見られるが、潜在需要は大きいだけにその動向が注目される。また、同社では将来的に英語版を開発し、海外で販売していく構想も持っている。

※PMBOK(Project Management Body of Knowledge)・・・米国のプロジェクトマネジメント協会が発行する「プロジェクトマネジメント知識体系ガイド」の略称。建設、製造、ソフトウェア開発など幅広いプロジェクトに適用可能なプロセスベースのアプローチ手法を体系的にまとめたもの。プロジェクトマネジメントを効果的に達成するためのアプローチ手法として、5個の基本的なプロセス群と10個の管理エリアに分類し、必要なプロセスがまとめられている。


(2) ERP事業
ERP事業の売上高は前期比27%増収を見込んでいる。不採算プロジェクト(約5億円)の大半が今下期に売上計上されることが増収要因の大半を占めるが、「生産管理アドオンモジュール」や「OBPM」との組み合わせによる「ITテンプレート」の需要も引き続き堅調な推移が見込まれる。また、企業の業務システムについてもクラウド化が進むなかで、「GRANDIT」についてもアマゾンウェブサービスへの対応を可能とするなど、顧客の多様なニーズを取り込んでいく方針となっている。ERPを導入する企業の中には、ハードウェアとソフトの一括導入を希望する企業もあるが、同社はハードウェアを扱わないため、こうした企業の受注を取り逃すケースもあった。しかし、クラウドサービスでは、ハードウェアやネットワークをクラウド事業者が用意するため同社の負担は掛からずに、受注獲得の機会が増すことになる。「GRANDIT」の料金プランは従来と変わりないが、システム構築だけでなく運用・保守も含めてワンストップでサービスを提供するためストック収入比率の上昇につながり、顧客の囲い込み効果も期待できる。前期は数件程度の実績だが、今後も顧客のニーズを見極めながら受注を拡大していきたい考えだ。

なお、今期は不採算プロジェクトの完遂に開発要員が割かれるため収益性はまだ低く、営業利益率で2016年2月期並みの水準(17.6%)まで戻るのは2019年2月期以降のこととなりそうだ。

(3) EC・オムニチャネル事業
EC・オムニチャネル事業の売上高は前期比6%増収を見込んでいる。「SI Web Shopping」については競争激化が続く環境に変わりないものの、大規模ECサイトの構築実績、ソリューション力等を前面に押し出した受注活動により、比較的大規模案件の受注も獲得するなど、足元の受注状況は既存顧客のリピートオーダーを中心に堅調に推移しており、今期は増収に転じる見込みとなっている。

一方、「SOCS」は前述したように専任の営業担当を1名配置し、見込み顧客の開拓に注力している。2016年4月に「名寄せ機能」を追加し競合製品との差別化を図っており、今後はセミナー開催等での認知度向上を図りながら更なる受注拡大に注力していく方針となっている。現状はオムニチャネルの普及が始まったばかりであり、企業側から見てもリアル店舗やECサイト等の各販売チャネルからの顧客データの統合管理については、社内で内製化しているか、もしくは手つかずのままの状態になっていると見られる。ただ、オムニチャネル上の顧客統合管理は企業のマーケティング活動を効果的に進めていくうえで必須の流れであり、性能や機能・価格面で魅力的なサービスを提供すれば、導入が広がっていくものと期待される。同社では当面の販売目標として今後3年間で500百万円を計画している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《TN》

 提供:フィスコ

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