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3800 ユニリタ

東証S
1,914円
前日比
+12
+0.63%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
18.1 1.27 3.55
時価総額 153億円
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決算発表予定日

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ユニリタ Research Memo(2):今期からデータ活用によるソリューション提供にも注力


■事業概要

ユニリタ<3800>は、金融や製造を始め、幅広い業種向けに基幹業務システムの運用管理等を行うパッケージソフトウェア(以下、製品)の開発、販売、サービスを主力とし、独自のノウハウを生かした運用コンサルティングや人材育成等の周辺業務のほか、運用代行サービスも手掛けている。また、今期より、データ活用によるソリューション提供にも注力している。

金融機関や大手企業を中心としたメインフレーム向けの製品が創業以来の安定収益源となっており、高い収益性を誇っている。顧客のジョブ管理や帳票管理など、ITシステム運用の自動化、効率化に貢献することで同社の業績も着実な成長を遂げてきた。

しかしながら、システムのオープン化やダウンサイジング化の進展、クラウドの普及、ビッグデータの活用など外部環境の急激な変化を受けて、中長期的な視点から将来を見据えた事業構造変革に着手した。これまでのITシステム運用の自動化、効率化に貢献する分野(生産性向上等)に加えて、顧客の企業価値向上に直接貢献する分野(市場拡大や競争力の向上等)へ事業領域を拡充することで成長を加速する方針である。

事業構造変革の一環として、2015年4月には連結子会社のビーコンITを吸収合併するとともに、会社名を「ビーエスピー(BSP)」から「ユニリタ」へ変更した。BSPの得意領域である「システム運用」とビーコンITの得意領域である「データ活用」が一体となった事業体制を実現することで、環境変化への対応とシナジー創出を実現し、事業展開のスピードアップを図るところに狙いがある。

事業セグメントは以下の4つに区分される。セグメント別の売上高構成で見ると、データ活用事業、システム運用事業、メインフレーム事業の3本柱となっているが、現状においては、営業利益のほとんどがメインフレーム事業によるものとなっている。

a)データ活用事業
「プロダクト」と「ソリューション」によって構成される。

ビーコンITとの連結化(2014年1月)により新たに取得した事業であり今後の注力分野である。

「プロダクト」は、データ処理の高速化や運用機能の強化など、データ活用のためのソフトウェアの開発・販売を行っている。

「ソリューション」は、連結子会社であるデータ総研がデータ活用に関するコンサルティング等を行っている。

b)システム運用事業
「プロダクト」と「ソリューション」、「アウトソーシング」によって構成される。

「プロダクト」は、基幹業務システムの運用管理のうち、オープン系の製品を取り扱っている。運用自動化、帳票、ITサービスマネジメント(ITSM)の3つの領域における自社製品の開発・販売・サポートを行うとともに、他社製品も一部取り扱っている。製品の使用権の許諾料(ライセンス料)及び製品価格の一定割合の保守サービス料が収益源である。また、需要が拡大しているクラウドサービス「Be.Cloud」も2013年3月より開始した。

「ソリューション」は、ITサービス領域におけるソリューションサービス(システム構築のコンサルティング、人材育成サービス等)や、会員制サービス「シスドック」(ITシステム運用に関する専門的なアドバイスを定期訪問により提供)、経営に貢献する運用部門の構築に向けたメソッドである「ASMO」を用いたソリューションサービス(企業価値分析や組織改革、人材育成等)などを行っている。

「アウトソーシング」は、同社が提唱するITシステム運用部門が企業価値創造に貢献するためのコンセプト「運用レス」に基づき、2013年10月から開始したBPO(ビジネス プロセス アウトソーシング)である。具体的には、ITシステム運用に関する改善提案から、システム構築、システム移行、プロジェクトマネジメント、サービスデスク構築などの支援を行う。

c)メインフレーム事業
基幹業務システムの運用管理のうち、金融機関や大手企業を中心としたメインフレーム系の自社製品を取り扱っている。メインフレーム系製品の利用者からは、翌年度以降に、保守サービス料として製品価格の一定割合を受け取っている。同社創業以来の主力事業であり、安定収益源となっている。

d)その他事業
ビーコンITグループの連結化により新たに取得した事業である。ビーコンITグループのデータ活用事業以外の事業であり、事業継続対策の構築・運用・保守のサポートや人材派遣管理用のSaaSなどが含まれる。連結子会社である(株)アスペックスや(株)ビーティスが手掛けている。

2015年9月末現在の顧客数(同社製品の導入企業数)は800社を超えるが、大手企業による導入実績が多くみられる。業種別売上構成比では、幅広い業種に対応しているが、製造、小売・流通、金融・保険の比率が高い。

販売チャネルは、主力事業においては直販が中心であるが、競争が厳しく、製品の種類が多いデータ活用事業をはじめ、新規・成長事業分野においては代理店政策も重要な位置付けとなっている。

連結子会社は、ITサービスコンサル事業(現システム運用事業の一部)を展開する(株)ビーエスピーソリューションズと中国の販売拠点である備実必(上海)軟件科技有限公司(以下、BSP上海)のほか、アスペックス(人材派遣管理用のSaaSビジネス)、ビーティス(BCPの構築・運用・保守のサポート)、(株)データ総研(データ活用に関するコンサルティング事業)の計5社で構成されている(2015年9月末現在)。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)

《RT》

 提供:フィスコ

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