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3793 ドリコム

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“日の丸技術”次なる舞台へ、「宇宙開発関連」打ち上げ近づく有力株 <株探トップ特集>


―人類初の月面着陸から半世紀、国家主導ではない民間企業のチャレンジが活発化―

 1969年7月20日、米国のアポロ11号が月に着陸し、2人の宇宙飛行士が人類史上初めて月面に降り立った。それから半世紀の間、ロケットや人工衛星に関する技術は絶え間なく進化を続け、近年では国家的な動きとは別にベンチャーなどの取り組みも活発化している。全地球測位システム(GPS)など衛星データを活用した各種製品・サービスは生活になくてはならないものとなっており、今や地球を取り巻く人工衛星は重要なインフラのひとつだ。株式市場が米中摩擦の激化や世界景気の減速懸念から不安定な動きとなるなか、あえて目先を追わず、21世紀の成長産業とされる宇宙関連ビジネスを手掛ける企業に改めて注目してみたい。

●惑星探査で世界に先行

 “最後のフロンティア”といわれる宇宙を巡る各国の開発競争は一段と熱を帯びており、中国国家宇宙局は今年1月に月の裏側に無人探査機を着陸させたほか、6月にはロケットの洋上打ち上げ試験に成功するなど先行する米国やロシアを急追。一方、米航空宇宙局(NASA)は2024年までに宇宙飛行士を再び月面に送る「アルテミス計画」を掲げ、トランプ米大統領は火星の有人探査にも意欲を示している。イスラエルの非営利組織が今春に挑戦した民間初の月面着陸は失敗に終わったが、インド宇宙研究機構が7月に打ち上げた無人探査機は9月に月面へ着陸する予定だ。

 米ロなどの後を追ってきた日本は、惑星探査の分野で世界に先行している。小惑星探査機「はやぶさ2」は7月11日、小惑星「リュウグウ」に2度目となる着陸に成功し、太陽系の起源や進化を解明するうえで重要なミッションである地中の砂を採取した。NASAの年間予算は約200億ドル(2兆1200億円)で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)はその10分の1以下しかなく、限られた予算のなかでの今回の成果は日の丸技術の高さを世界に向けて示すものとなった。

●「はやぶさ2」を支える民間技術

 これを支える原動力となっているのが、三菱重工業 <7011> の機体姿勢制御装置をはじめ、NEC <6701> のイオンエンジン、富士通 <6702> の軌道を計算するシステムなどの民間技術だ。このほかにも、セック <3741> の惑星探査機搭載エンベデッドシステム、NTN <6472> の球面滑り軸受け、住友重機械工業 <6302> のサンプル採取装置、明星電気 <6709> [東証2]の観測機器、古河電池 <6937> のリチウムイオン電池、川崎重工業 <7012> 子会社の日本飛行機が手掛ける人工クレーターをつくる衝突装置を分離するためのヘリカルスプリング、IHI <7013> 子会社のIHIエアロスペースが担当する熱防御再突入カプセルなどが、はやぶさには搭載されている。

●アイサンテクノ、Dガレージなどにも注目

 総務省が5月に開いた宇宙利用の将来像を議論する有識者会議「宙を拓くタスクフォース」の資料によれば、国内の宇宙産業(人工衛星やロケットといった宇宙関連産業や、宇宙関連民生機器などの波及的産業、宇宙レジャー産業など)の市場規模は16年の約9兆円から50年に約59兆円まで成長すると予測している。

 関連銘柄の商機拡大が期待され、全地球測位衛星システム(GNSS)を活用したサービスを提供するコア <2359> 、子会社の研究提案がJAXAの宇宙探査イノベーションハブに採択されている神栄 <3004> 、JAXAと共同で宇宙ゴミ除去システムに必要な資材の開発に取り組んでいる日東製網 <3524> 、日本版GPS「みちびき」を使ったサービスを展開しているアイサンテクノロジー <4667> [JQ]、ロケットの燃料となる過塩素酸アンモニウムを扱うカーリットホールディングス <4275> 、JAXAを中心に研究開発が進められている宇宙太陽光利用システムにレーザー用YAGセラミックスを提供している神島化学工業 <4026> [東証2]、ロケットの流体解析を手掛ける菱友システムズ <4685> [JQ]、人工衛星システムなどの設計・開発をサポートするアイネット <9600> などに注目したい。

 直近ではデジタルガレージ <4819> が7月25日に、米マサチューセッツ工科大学(MIT)研究機関の宇宙研究プロジェクトに参画すると発表。さくらインターネット <3778> は8月1日、経済産業省から受託運用する、クラウド上で衛星データの分析ができる国内初の衛星データプラットフォーム「Tellus(テルース)」に、気象衛星「ひまわり」の可視、赤外領域の画像データを追加したことを明らかにした。

●国内ベンチャーが相次いで資金調達

 これまで宇宙開発といえば国家主導だったが、近年では民間の宇宙ビジネスが活発化しており、米アマゾン創業者のジェフ・ベゾス氏や米電気自動車メーカーのテスラ共同設立者であるイーロン・マスク氏といった多くの起業家が積極的な姿勢をみせている。

 国内でも堀江貴文氏が出資していることで知られるロケット開発ベンチャーのインターステラテクノロジズ(北海道大樹町)は、5月に観測ロケット「MOMO」3号機の打ち上げに成功した。7月に実施した4号機の打ち上げは失敗したが、同月には人工衛星軌道投入用ロケット「ZERO」の開発に向けて総額12億2000万円を調達。北洋銀行 <8524> やミクシィ <2121> [東証M]の笠原健治会長、ドリコム <3793> [東証M]の内藤裕紀社長、スマレジ <4431> [東証M]の山本博士代表取締役などが第三者割当増資を引き受けた。

 また、小型衛星開発を手掛けるベンチャーのシンスペクティブ(東京都中央区)も7月、第三者割当増資により総額86億7000万円の資金調達を実施。清水建設 <1803> や芙蓉総合リース <8424> 、ジャフコ <8595> 、三菱UFJ信託銀行(東京都千代田区)などが出資している。

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