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3762テクマトリックス

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時価総額 1,016億円
決算発表予定日

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テクマト Research Memo(3):情報基盤と医療・CRM分野等の業務特化型ソリューションサービスに強み(2)


■会社概要

3. 事業内容
テクマトリックス<3762>の事業は、ネットワーク及びセキュリティシステムの構築、保守、運用・監視サービスを展開する情報基盤事業と、医療分野やCRM分野等の業界及び業務特化型ソリューションサービスを展開するアプリケーション・サービス事業の2つのセグメントで構成される。直近3年間の事業セグメント別構成比では、情報基盤事業が売上高で66~67%、営業利益で73~81%を占めている。また、営業利益率では情報基盤事業が9~12%台であるのに対して、アプリケーション・サービス事業は4~7%台とやや低くなっている。これはアプリケーション・サービス事業で展開するクラウドサービス等の投資負担がまだ重いためだが、償却前営業利益率で見れば情報基盤事業の12~13%台に対して、アプリケーション・サービス事業は12~14%台と逆転する。アプリケーション・サービス事業では新サービスの開発に向けた投資も積極的に続けているため、右肩上がりに利益率が上昇するわけではないが、すう勢的には売上高の拡大とともに利益率も上昇していくものと予想される。各事業の内容は以下のとおり。

(1) 情報基盤事業
情報基盤事業では、ネットワーク及びセキュリティ分野において独自の目利き力を生かし、北米を中心にニッチながらも高い技術力、競争力、成長力を持つ製品を見極め、単なる製品販売にとどまらずシステム構築から保守サポート、運用・監視サービスに至るまでワンストップ・ソリューションでサービスを提供している。

主に、仮想化ソリューション※1、次世代ネットワーク、セキュリティ、ストレージ等の分野を対象としており、主要取扱製品にはF5 Networks<FFIV>の負荷分散装置※2、McAfee,Inc.の不正侵入防御システム、Palo Alto Networks<PANW>の次世代ファイアウォール※3、Dell EMCのクラスターストレージなどがあり、それぞれ販売1次代理店となっている。いずれも世界で高いシェアを持つ製品となっており、単体売上高に占める製品売上構成比では各1~2割程度となっている。

※1 コンピュータシステムを構成する資源(サーバ、ストレージ、ソフトウェア等)に関する技術。複数から構成されるものを論理的に1つのもののように見せかけて利用したり、逆に1つのものを論理的に複数に見せかけて利用できる技術。
※2 Webサイトへのアクセス集中による反応の低下やシステムダウンを防止するため、多数のアクセス(負荷)が集中した場合に適切に複数のサーバに振り分ける(分散させる)装置。
※3 従来のファイアウォールでは防御できないセキュリティの脅威に対応した製品。たとえば通常のインターネット利用に紛れて内部システムに侵入し、情報漏えいを引き起こすサイバー攻撃や、流れるデータに対するきめ細かい制御が必要なファイル共有ソフト等による情報漏えいを防ぐ。


また、同社は先進的な技術を持つ製品や成長力があると判断した製品は、積極的に取扱商品としてラインアップしており、2017年2月に代理店契約を結んだBlackBerry(旧Cylance Inc.)の次世代アンチウイルス製品「CylancePROTECTR」もその1つである。同製品は、AI技術を活用することで未知のマルウェア※でも高確率で検出できることが特徴となっており、ここ最近のIT業界で最も急成長した製品の1つとして知られている。

※マルウェア対策ソフトで検出されないよう意図して開発された新種や亜種のマルウェア。マルウェアとは無害を装ってパソコンに感染するコンピュータウイルスの総称。


販売先別売上構成比は、民間企業向けが約8割、官公庁・地方公共団体向けが約2割となっている。民間企業のなかには通信事業者やデータセンター事業者等のITサービス企業も含まれている。情報セキュリティ関連市場の拡大が続くなかで受注競争も激しくなっているが、同社は高い技術力に加えて、24時間365日の保守サポート体制、有人による運用・監視サービスなど、ワンストップで高品質なサービスを提供できる総合力を強みとして、民需、官需問わず幅広い顧客層において実績を積み上げている。

連結子会社のクロス・ヘッド及び沖縄クロス・ヘッドは、ネットワークやサーバの運用・監視のほか、ネットワークエンジニアの派遣やセキュリティ製品・ストレージ製品の販売等を行っている。このうち、クロス・ヘッドについては収益力の強化を図るため、2018年頃から単純なエンジニア派遣業務主体のビジネスから、付加価値の高いクラウドサービスや、導入支援業務及びネットワーク・セキュリティの運用・監視サービスへのシフトを進めてきた。現在は、AWS(Amazon Web Service)の認定資格取得者数が約200人と全従業員の過半を占めるまでになっており、2019年5月にはAWSからAPNアドバンストコンサルティングパートナー※の認定を取得している。

※APN(AWS Partner Network)アドバンストコンサルティングパートナーとは、AWSに関する営業・技術体制があり、AWSでのシステムインテグレーションやアプリケーション開発等の実績が非常に豊富なパートナーが受けられる認定。


(2) アプリケーション・サービス事業
アプリケーション・サービス事業では、特定市場や特定業界向けにシステム開発、アプリケーション・パッケージ、テスト・ソリューション、クラウドサービス等の事業を展開している。対象分野としては医療、CRM、ソフトウェア品質保証、ビジネスソリューションの4領域で、売上構成比は各分野ともに20%~30%で拮抗している。

a) 医療分野
医療分野では、NOBORIが展開する医療情報クラウドサービス「NOBORI」のプラットフォーム上で、クラウド型PACSを中心に各種サービスを提供しているほか、医知悟で展開する遠隔読影のためのインフラ提供サービス「医知悟」が含まれる。

医療分野に関しては、1998年にDICOM規格に対応した医用画像システムを開発し、PACS(医用画像管理システム)市場に参入したのが始まりで、その後、医療情報の病院施設外の保存が認められるようになった機会を捉え、クラウド型PACSのサービスを2012年10月より開始し成長の原動力とした。同社のクラウドサービスは初期導入コストが不要なほか、データはクラウド上で安全に管理されるため、病院側でのデータバックアップ等のメンテナンス業務も不要になるといったメリットがある。また、患者本人の同意と医療施設間の公開設定があれば、他施設の患者の画像、レポートをシームレスに参照することができるほか、「医知悟」のサービスとの連携により(2018年4月開始)、専用通信装置を設置しなくても施設外の画像診断を行うことが可能となっている。

既存のオンプレミス(サーバを院内に設置する方式)ユーザーからの切り替えや、競合他社システムを利用する中規模・大規模病院からのリプレイスのほか、従来は初期コストが高く導入に慎重だった小規模医療施設の新規開拓なども進み、2020年3月末時点で契約施設数は1,000施設を超えたもようだ(2020年3月期より競争上の理由から施設数については非開示としている)。保存されている医療画像等の検査件数は前期末比で22%増の1.77億件、延べ患者数で同19%増の3,118万人超(複数の病院で画像診断を受ける患者はダブルカウントされている)のデータが「NOBORI」のクラウド上に保管されていることになる。月額利用料は最低5万円からとなっているが、料金は導入後5年間に蓄積される画像データの予想量に基づく従量課金制となるため、大学病院等のヘビーユーザーではその数十倍となるケースもある。2012年のサービス開始から7年が経過したが顧客事由による解約(閉院等)を除いて、サービス内容を理由とした解約は発生しておらず、顧客からも高い評価を受けている。

国内のオンプレミス型のPACS市場では富士フイルムメディカル(株)やキヤノンメディカルシステムズ(株)、GEヘルスケア・ジャパン(株)など大手医療機器メーカーが強いが、クラウドサービス型では同社が約8割とトップシェアとなっている。医療分野のクラウドサービスでは個人情報保護の観点からセキュリティ対策が重要となるほか、外部保存しているファイルサイズが非常に大きい医用画像をストレスなく院内で参照することが求められるため、ミッションクリティカルなシステムを構築する高い技術力が必要となる。同社はネットワーク及びセキュリティ分野において豊富な実績と技術力を持ち合わせていることが強みになっていると考えられる。

また、「NOBORI」のプラットフォーム上では、アドバンスト・メディア<3773>の医療向け音声入力サービス「AmiVoiceR CLx」やフランスIntrasense SAの3D医用画像解析ワークステーション「MyrianR」、東陽テクニカ<8151>の胸部X線骨組織透過/経時差分クラウドサービス「ClearRead XR-PAL」など他の医療関連サービスの提供も行っている。なかでも注目されるのは、2019年4月に資本・業務提携を発表し、新たなランナップとして取り入れた(株)A-Lineの開発・提供するクラウド型の医療被ばく線量管理システム「MINCADI」である。「MINCADI」は、医療画像検査装置より得られる情報を自動的に取得し、患者ごとの医療被ばく線量や検査ごとの撮影条件をクラウド上で管理し、最適化するためのソリューションとなる。2020年4月よりX線CT診断装置等における医療被ばくの線量の記録・管理が義務化されたことを受け、引き合いが増加している。同社では各種医療サービスを「NOBORI」のプラットフォーム上で提供していくことで導入施設数や利用者数を拡大していく戦略となっており、後述するスマートフォンアプリを使ったコンシューマ(患者)用のPHRサービスも同プラットフォームを通じて提供していくことになる。

「医知悟」は遠隔画像診断(読影)を行う放射線科医等の専門医と、画像診断を必要とする医療施設等とをつなぐ情報インフラを提供するサービスとなる。「iCOMBOX」と呼ばれる専用通信装置を送り手側、受け手側の双方に設置し、「iCOMSERVER(センターサーバ)」を介して送受信するプラットフォームである。2020年3月末現在で650拠点以上の施設に導入され、利用専門医数は1,400名以上(実質的に稼働している放射線科医の約3分の1が利用)、月間の依頼検査数は約20万件、市場シェアは約34%とトップとなっている。主な導入施設は、医療施設のほか大手健康診断事業者、衛生検査所、各種病院等である。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《EY》

 提供:フィスコ

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