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3758 アエリア

東証S
352円
前日比
-10
-2.76%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
15.7 0.83 76.73
時価総額 83.3億円
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アエリア Research Memo(6):必要不可欠な存在であり続けるために


■経営方針とM&A戦略

1. 企業理念と経営方針
アエリア<3758>は創業以来、「ネットワーク社会における、空気のように必要不可欠な存在に。」という企業理念を掲げ、「成長の早い領域へ積極的な事業展開」を行うことで、世の中で必要不可欠な存在であり続けることを追求してきた。そして、ネットワーク社会の発展に合わせ、M&Aを織り交ぜながら多くの事業に挑戦している。そのような同社が今見据えているのは、急速に進化するAIやVR/AR、ブロックチェーンなどのテクノロジーと、ローテクながら成長を続ける市場である。

ITサービス、コンテンツ、アセットマネージメントといった既存の事業の連携対象として、ブロックチェーンやAI、VR/ARなど新たな技術と、増え続ける訪日外国人旅行客を両にらみしながら、中長期的に新たな事業を展開していく方針である。そのため、安定収益を生み出す事業資産の獲得→成長マーケットへの積極投資→成長マーケットにおける基盤強化??というサイクルを、M&Aによって回すことになる。同社はもとよりこうした考え方で事業を展開してきたと認識しており、ターゲットがブロックチェーンなどになっただけで、特に大それたことを考えているわけではない。


リスク分散とシナジーがM&Aの目的
2. M&Aの戦略目的
同社はM&Aによって、事業連携とシナジー創出を深め、リスク分散を図りつつ強固な収益基盤を構築し、国内外で事業規模の拡大を目指す考えである。既存のITサービス事業では、既存顧客との取引を強化して安定収益化を進める一方、新たな技術の導入を図り、コンテンツ事業では、女性をターゲットにしたマーケットでの影響力をさらに強化するとともに、海外やオンラインカジノなど新たなマーケットの開拓を進め、アセットマネージメント事業では、既存事業を強化するとともに、民泊サービスの拡大やITサービスやコンテンツの融合を目指しているのである。

M&Aの戦略目的は、経営人材・チームの獲得と彼らのモチベ?ション向上、シナジーを創出できる事業資産の獲得の2つである。シナジー創出が可能な事業資産を獲得できれば、各事業の基盤拡大や新規成長マーケットへの進出が容易となるからで、コンテンツ事業では各社が立脚しているジャンルや技術の強みを相互に生かし、アセットマネージメント事業ではITノウハウやコンテンツを使ってライブイベントやグッズの販売など新たな体験というコンテンツを民泊サービスなどに付加することができる。


安定と成長を使い分けるM&A
3. ヒストリカルなM&A動向
創業以来営業利益は堅調に推移してきたが、2008年12月期にリーマンショックによる金融事業(当時)の苦戦で大幅赤字に転落した。2010年12月期には、金融事業から撤退しオンライン事業(PCゲーム)に注力したことで業績が急回復したものの、今度は2012年12月期以降、スマートフォン・ゲームへの急激なシフトと競争激化、開発費の回収遅れにより営業赤字が常態化した。さらに、大手ゲームメーカーが資金力と強力なキャラクターを背景にスマートフォン・ゲームに続々参入、身売りや廃業する優秀な中小ゲーム会社も多かった。しかし同社は、ITサービス事業という安定収益源があったため、その後も秀逸な作品を市場に投入していくことができた。

そのような状況のなかでリスクテイクしたと思われたのが、2015年の4社のM&Aである。安定収益を考えてファーストペンギン、スマートフォン・ゲームという成長マーケットに向けてリベル・エンタテイメントとアスガルド、GESI??という4社である。ただし、翌2016年12月期は、アスガルドとGESIが当初想定していた売上げに至らず、(株)リベルは新規タイトルの開発費や広告費など支出が重なり、またそうした苦戦によるのれん償却や減損損失の計上もあり、1,605百万円の営業赤字となった(ただしEBITDAは501百万円の黒字)。しかし、2017年1月にリベル・エンタテイメントがリリースした「A3!」が大ヒット、2017年12月期の営業利益は2,691百万円と大きく黒字転換した。これを弾みにM&Aが加速することになり、さすがに大赤字の翌2016年12月期にM&Aはなかったが、2017年12月期に9社、2018年12月期は7月で既に2社をM&Aした。さらに、同社は現在、ブロックチェーンやAI、VR/ARなど新たな技術と、増え続ける訪日外国人旅行客に関連するM&Aを狙っているものと思われる。いずれも、生活基盤やプラットフォームといった社会構造を変えてしまうほどのポテンシャルを有している可能性があると考えられる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)

《MH》

 提供:フィスコ

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