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東証S
390円
前日比
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業績
単位
100株
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351 2.05 61.77
時価総額 29.0億円
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明日の株式相場に向けて=ファストリ“5000円高”の意味

 きょう(18日)の東京株式市場は前日に続き利食い優勢、日経平均株価が56円安の3万236円と続落した。2月に入ってから急激な上昇波動を構築してきた全体相場だが、さすがにここにきて上げ一服ムードが出てきた。これ自体は当たり前の話であって、ある程度のインターバルは必要となる。ただ、日経平均で全体相場を考えると相場の実態を見誤る可能性もあるため、その点を気を付けておきたい。

 前日は日経平均株価が175円安と反落はしたが、値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を上回っていた。しかし前々日の16日は383円高と日経平均が値を飛ばしたにも関わらず、逆に値下がり銘柄数が値上がりを400も上回っていた。きょうの前引け時点はどうだったかというと、日経平均は50円あまり高かったが値下がり銘柄数が値上がりを何と840も上回っている状態であった。そして、大引け。日経平均は50円あまりの小幅な下げで何とか踏みとどまったが、値下がり銘柄数は1700を超え、全体の約8割の銘柄が下落している。

 つまり、ここ最近の日経平均はほとんど一部の値がさ株を使った“作られた指数”であって相場の実態とは異次元レベルでかけ離れているということがいえる。一部の値がさ株というのは、もっと踏み込んだ言い方をすればファーストリテイリング<9983>である。きょうの東証1部上場企業の売買代金ランキング上位を見れば唖然とさせられるくらいに、第2位のファストリの突出した4700円高が浮き上がって見える。一時は4850円高と5000円高に手が届くかどうかという場面まで上値を伸ばした。裏側の事情はよく見えないが、仮に同社株を持たざるリスクがあるとすれば、それは同社のファンダメンタルズには関係のない全体指数に絡む戦略以外にない。

 もちろんファストリが悪いわけではないが、この時価総額11兆円超の大企業が指数を振り回す魔法の杖となっている事実は否めない。「日銀のETF買いの弊害として真っ先に挙げられるのはファストリに極端な品薄感をもたらしたことだろう」(ネット証券マーケットアナリスト)という声もある。最近はTOPIXと日経平均の遊離が激しく、NT倍率の上昇が際立っていることも話題となったが、それも歪んだ地合いが反映されたものだ。

 元来、全体指数は投資家の体感温度を示す要素が強いが、今は日経平均の推移を追いかけても投資マインドの強弱は見えてこない。強気で鳴らす市場関係者が、日経平均が3万円大台ラインをあっけなく突破し更にそこを通過点とばかりに上値指向を強めた時に、「さすがに戸惑うよりない」と本音を漏らしたが、それは空中戦によって指数だけが押し上げられ、投資家サイドが傍観者になっている現状を代弁したものともいえる。

 3万円大台ラインは本来であれば大きな心理的なフシ目だが、これまでの相場の足取りを見る限りそういう印象を与えない。したがって3万円台を下回る時もあっさりということになるかもしれない。2月後半から3月初旬にかけて日経平均は25日移動平均線の2万9000円近辺への押し目があっても不思議はない。仮にここから1000円以上の深押しがあっても、トレンドを揺るがすものではなく、むしろ自然といえる。

 個別銘柄についてはビットコイン関連が相変わらず強烈な値動きで、直近、関連会社の暗号資産交換業者登録完了という材料を出してきたインタートレード<3747>は満を持してストップ高に買われ買い物を残した。このほか、クシム<2345>が急動意、マネーパートナーズグループ<8732>も一時値幅制限いっぱいに買われる人気となった。ただ、これはもはや鉄火場で、ここからは反射神経の相場となる。それよりは、半導体の中小型株で目先利益確定売りによって深押しを入れているような銘柄を拾いに行く手法の方が結果的には成功しやすいと思われる。エノモト<6928>や野村マイクロ・サイエンス<6254>のような割安で好業績・増配といった銘柄をディスカウント価格で拾うチャンスが近づいている。

 あすのスケジュールでは、1月の全国消費者物価指数など。東証マザーズにWACUL<4173>が新規上場する。海外では1月の英小売売上高、2月の英PMI速報値、2月のユーロ圏PMI速報値、2月の米PMI速報値、1月の米中古住宅販売件数など。(銀)

出所:MINKABU PRESS

最終更新日:2021年02月18日 17時10分

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