リアルワールド Research Memo(6):総会員数917万人を保有し、マイクロタスク型に特化
■強みと事業リスク
(1)クラウドソーシング市場
リアルワールド<3691>の主力事業であるクラウドソーシングは、ノマド※2ブームやフリーランス※3として働く者が増加する一方、労働力不足に伴うBPO市場の拡大により、2009年頃からその利用が本格化。矢野経済研究所の調査によると、2012年度に市場規模は100億円を超え、2013年度には215億円へ順調に成長している。
※2英語で「Nomad」と表記し、遊牧民を表す。オフィスなどの拠点を構えることなく(定住することなく)、仕事をしやすい場所があれば、いつでもどこでも移動しながら仕事をする新しいライフスタイルのこと。インターネットの有線接続が主流の時代はSOHO(Small Office Home Office)と呼ばれていたが、モバイル接続が主流となり移動という概念が強調され、用いられるようになった。
※3英語で「freelance」。特定の企業や団体、組織に専従しておらず、自らの才覚や技能を提供することにより社会的に独立した個人事業主もしくは個人企業法人を指す。
市場の拡大に足並みを合わせる格好で、クラウドソーシングサービスを提供するサイト運営者が増加、競争は激化する傾向にある。クラウドソーシングサイトは、様々なタイプの仕事を取り扱っているサイトである「総合型クラウドソーシングサイト」とある特定の仕事のみを取り扱っているサイトである「特化型クラウドソーシングサイト」の2つに大別される。
(2)強みと事業リスク
クラウドソーシング事業における同社の強みは、潜在的な働き手となる917万人の総会員を有することを挙げることができる。このため、大規模、短納期の作業への対応が可能となり、マイクロタスク型のクラウドソーシングにおいて他社との大きな差別化要因になっていると考えられる。さらに、これまで業務提携によって蓄積してきたマイクロタスク型のクラウドソーシングのノウハウをシステム化したほか、パッケージ化したことも強みとして挙げることができるだろう。
事業リスクは、法規制や税制等の変更により、同社から見て準委任契約による現在の状況、会員にとって気軽に働けるという現在の状況が変化するような場合には、クラウドソーシング事業にマイナスの影響が発生する可能性がある。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 森本 展正)
《HN》
提供:フィスコ