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3690 イルグルム

東証G
624円
前日比
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PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
27.5 2.13 1.27 2.27
時価総額 39.8億円
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ロックオン Research Memo(1):マーケティングロボットの開発加速、2018年9月期末までに30社と連携予定


■要約

ロックオン<3690>は、現代表取締役社長の岩田進氏が大学時代の2000年に創業した関西発のITベンチャーである。広告効果測定システム「アドエビス」、ECオープンプラットフォーム「EC-CUBE」をヒットさせ、いずれも国内シェアNo.1の地位を築き、事業が成長軌道に乗った。広告効果測定システムであった「アドエビス」は、年々機能を拡張し、2015年にはマーケティングプラットフォーム「アドエビス」として進化し、その利便性が高く評価される。2014年に東証マザーズ市場に上場を果たした。

1. 事業概要
同社の主力事業は、マーケティングPF事業であり、顧客のマーケティング活動を支援する数々の商品・サービスをクラウドベースで提供している。特にデジタル広告の効果測定・運用に関するツール群である「アドエビス」により、広告への接触から購入に至るまでの顧客行動やマーケティング施策の効果を一気通貫で把握できる。アクティブな顧客数は年々増加しており、1,358件(2017年9月期末、前期末比117件増)に達し、大企業から中堅中小企業まで様々な業種で利用されている。インターネット広告市場の成長に伴い、広告効果測定の市場も追い風を受ける。同社の顧客単価は79,952円/月(同、前期比3,011円増)であり、ミドルエンド顧客を対象とし、他社とは棲み分けをしている。

2. 業績動向
2017年9月期通期の売上高は1,719百万円(前期比6.6%増)、営業利益92百万円(同62.6%減)、経常利益106百万円(同57.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益72百万円(同56.8%減)となり増収減益となった。同社計画比では、売上高は計画値の上限である1,700百万円を超え、営業利益でも上限である100百万円に近い着地となり、ほぼ予想どおりの着地だった。売上高に関しては、主力サービス「アドエビス」のアカウント数が順調に増加し、マーケティングPF事業が16.8%増と順調に伸び、全社の成長をけん引した。営業利益に関しては、販売・管理人員及び開発人員の増加及び商流PF事業の売上減などの影響が大きく減益となった。

現時点で同社は、2018年9月期通期業績に影響を与える未確定な要素が多いため、業績予想を公表していない(例年第2四半期の決算時に通期予想を公表)。売上面では、開発及び販売で積極的な投資を行うマーケティングPF事業で30%前後まで成長を加速させたい考えだ。一方で商流PF事業(EC-CUBE)は維持、商流PF事業(SOLUTION)は関連会社への業務移管が2017年9月期下期でほぼ完了したため、売上高は下げ止まる見込みだ。利益面では、2018年9月期も投資フェーズと位置付けているため、成長を重視して投資を継続する。マーケティング&セールスのコストは、前期実績に近い30%(前期は29%)をめどにしっかり使う方針である。

3. 成長戦略
同社の中期経営方針では、2020年9月期に売上高で3,000百万円を目指すとしている。目標達成のための戦略は、マーケティングロボット重点開発テーマの具現化と、マーケティング&セールス組織の拡充と高度化の2点である。今後も開発人材を増やし、AI、BI、APIなどの注力分野の具現化を急ぐとともに、マーケティング&セールス人員を継続して増強する。

マーケティングロボットの開発は最重要テーマである。開発の領域は、大きくはセンサ・可視化領域(下段)と制御・駆動領域(上段)に分かれる。センサ・可視化領域(下段)は同社の得意としている分野である。広告効果測定のNo.1カンパニーとしての一気通貫サービスを提供しており、匿名ユーザーの膨大なデータが蓄積されている。この領域では、追加機能は自社開発が基本となる。制御領域では、センサで蓄積した膨大なデータがAIを活用して分析され、消費者のプロファイル(属性、行動履歴など)を立体的に把握することを可能とする。駆動領域においては、顧客のニーズや環境によってマーケティング施策は様々である。いずれの領域でも機能の開発は外部との連携が基本方針となる。2018年9月期末までに、累計30社と新規連携を行う予定である。これにより、効果測定が強みの「アドエビス」は、One to One マーケティングを自動的・効率的に実行する手段に進化することになる。

■Key Points
・マーケティング効果測定のクラウド市場で国内シェアNo.1、顧客数・単価ともに伸びる
・2017年9月期通期は増収減益。マーケティングPF事業が順調に成長する一方、人材投資と商流PF事業の構造改革が減益要因に
・マーケティングロボットの開発加速、2018年9月期末までに30社と連携予定

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田 秀夫)

《NB》

 提供:フィスコ

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