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イグニス Research Memo(1):「ぼくとドラゴン」が好調に推移


イグニス<3689>は、スマートフォン向けネイティブアプリの企画・開発・運営・販売を手掛けている。主に広告収入による「無料ネイティブアプリ」と課金収入による「ネイティブソーシャルゲーム」の2ジャンルを事業の柱とし、ゲーム及び非ゲームの領域で独自のポジショニングを確立している。日常的に利用する高品質なツール系アプリなどを無料で提供することにより、ダウンロード数及びMAU(Monthly Active Users)※1の拡大が同社の成長をけん引してきた。前期(2015年9月期)からは、これまでの小規模アプリ中心から、コミュニケーション領域などライフタイムの長い中・大規模アプリ※2へ注力することによる収益構造改革に取り組んでいる。移行期に当たるところに、急激な環境変化の影響(小規模アプリの収益化の難易度が上昇)が重なったことから業績が一旦後退する局面を経験したが、順調に立ち上がった「ぼくとドラゴン」(ネイティブソーシャルゲーム)が足元で好調に推移しており、同社は新たな成長ステージを迎えた。

※1 MAU(Monthly Active Users):ある月に1回以上、アプリの利用があったユーザー数(重複も含む)
※2中・大規模アプリ:同社では開発期間に応じて、無料ネイティブアプリを小規模アプリ(1ヶ月未満)、中規模アプリ(1ヶ月超3ヶ月未満)、大規模アプリ(3ヶ月超)に分類している

2016年9月期第1四半期(2015年10月?12月)の業績は、売上高が前年同期比443.8%の1,321百万円、営業利益が409百万円(前年同期は101百万円の損失)と大幅な増収増益(黒字転換)となり、過去最高の四半期業績を更新した。無料ネイティブアプリは注力する更新型アプリ※の収益化が開始していないことから減収となったものの、好調に推移している「ぼくとドラゴン」(ネイティブソーシャルゲーム)が同社の業績の伸びをけん引している。

※試行的な運用によりユーザーの声を反映させるなどの改善を図りながら成長させていくアプリ

2016年9月期業績予想について同社は、第1四半期の実績や足元の状況を勘案して、期初の売上高予想を増額修正するとともに、非開示となっていた利益予想を発表した。新たな業績予想として、売上高を前期比65.4%増の4,000百万円(修正幅+500百万円)、営業利益を700百万円(前期は38百万円の損失)と増収増益(黒字転換)を見込んでいる。「ぼくとドラゴン」が開発・運営体制強化や積極的なプロモーション等により年間を通じて収益の柱となる想定となっているようだ。

弊社では、「ぼくとドラゴン」が足元で好調に推移していることや更なる成長の余地があることから、同社の業績予想はやや固めの水準とみている。一方、損益面については、広告宣伝費のかけ方で大きく左右される可能性があり、四半期ごとの損益の状況とその背景をフォローしていく必要があるだろう。また、中長期的な視点からは、「ぼくとドラゴン」が長期にわたる安定収益の柱としてめどが立ったのは大きな成果であるが、更なる収益の柱の育成がポイントになるであろう。既に試行的に運用を開始しているものを含めて、ライフタイムの長い更新型アプリが、今後どのような形で収益貢献していくのかにも注目していきたい。

■Check Point
・「無料ネイティブアプリ」と「ネイティブソーシャルゲーム」が事業の柱
・大幅な増収増益となり過去最高の四半期業績を更新
・海外展開を含めた事業拡大を図る

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)

《HN》

 提供:フィスコ

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