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証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
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3683 サイバーリンクス

東証S
785円
前日比
-39
-4.73%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
12.3 1.19 2.04 90.55
時価総額 89.3億円
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決算発表予定日

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サイバリンクス Research Memo(3):ITクラウド事業とモバイルネットワーク事業が2本柱


■事業内容

サイバーリンクス<3683>の手掛ける事業は、流通業向け及び官公庁向けなどに主にクラウドサービスを提供するITクラウド事業とドコモショップを運営するモバイルネットワーク事業の2事業からなる。2015年12月期の売上高構成比はITクラウド事業が53.3%、モバイルネットワーク事業が46.7%であったが、2016年第2四半期累計期間の売上構成比はITクラウド事業が54.3%、モバイルネットワーク事業が45.7%と、ITクラウド事業のウエイトが高まる傾向にある。

(1) ITクラウド事業

ITクラウド事業は、顧客ユーザー別に流通クラウド分野(2015年12月期売上高構成比:ITクラウド事業の51.0%)と官公庁クラウド分野(同49.0%)に区分される。クラウドサービスの特長は個別企業の機能追求型でなく、共同利用により業界最善の機能を安価に提供することにウエイトを置いており、同社では「シェアクラウド」と呼び一般のクラウドサービスとの違いを強調している。安価にサービスを提供できる仕組みは、ソフトウェア、ハードウェアをユーザーが共同利用、開発面では仮想技術、オープンソースの積極的な活用、さらに同社のセンター※での集中運用をうまく組み合わせることにより、開発・運用コストを低く抑えることができるためだ。

※自社のデータセンター2拠点と、大手通信会社などのデータセンターを活用したバックアップセンター2拠点を設け、国内4拠点のデータセンターで分散稼働する環境を整えている。

a)流通クラウド分野
流通クラウド事業は、顧客ユーザー業種別に食品小売向け、加工食品卸売向け及び専門店向けに分けることができる。食品小売向けは、2005年に日本で初めて小規模企業(年商300億円未満)向けの小売基幹業務クラウドサービス「@rms(アームズ)基幹」※の提供を開始。以後、基幹系のサービスに加えて生鮮発注システム(「@rms生鮮」)、ネットスーパーシステム(「@rmsネットスーパー」)、単品情報分析システム(「SEIL MD Go!」)、小売業向け棚割システム(「店POWER」)など中・大規模企業(年商300~1,000億円超規模)に対応した周辺サービスまでのサービスラインナップの拡充に取り組む。この結果、食品スーパーの業務を小規模から中・大規模企業までフルサポートできる体制を整え、顧客基盤を順調に拡大してきた。2016年6月末時点における@rmsシリーズの導入社数は230社で、クラウド小売基幹系導入社数は業界No.1を誇る。

※「みんなのCGCシステム」というサービス名で事業を展開する(株)シジシージャパン(全国の中堅・中小スーパーマーケット約220社が加盟するボランタリーチェーン(同業種の小売店が各店の独立性を維持しながら、仕入れや広告などの営業活動を共同で実施する組織体)の本部)の推奨システムに採用されている。

一方、加工食品卸売向けは、小売企業からの様々な通信手段による受発注データを卸売企業に代わって一括代行受信し、統一規格(流通BMS※)等に変換して提供する流通EDIクラウドサービス(「クラウドEDI-Platform」)を2007年にスタート。2016年6月末時点で食品加工卸大手3社を含む59社(年商1,000億円超の企業が主力で、上位10社中7社が導入)が同社のサービスを導入しており、卸側のEDI処理量でNo.1のポジションを確立している。

※流通ビジネスメッセージ標準(Business Message Standards)の略。流通事業者(メーカー、卸、小売)が統一的に利用できるEDIの標準仕様。

さらに、食品小売業、卸売業、メーカー向けに商品画像データサービス(「Mdb」:Multimedia Data Base※)、棚割マネジメントシステム(「棚POWER」)を提供する。

※食品、菓子、生活雑貨、酒等の商品画像及び商品情報(商品名、JANコード等)をデータベース化し、ネットスーパー用の画像や小売店における棚割画像として提供する国内最大規模の食品系画像データベースとなっている。

専門店向けは、主にアパレル、化粧品、生活雑貨等を専門的に扱う販売店に対して、米国Retail Pro International,LLCの国内代理店として専門店向け販売在庫管理システム「retailpro」の販売、導入、サポートを行う。

b)官公庁クラウド分野
官公庁クラウド分野では1964年以降、和歌山県内の自治体向けに防災行政無線システムを始めとする通信システムの施工・保守、行政情報システムの導入・運用サポートを手掛けている。加えて、小中学校向け校務クラウドサービス「Clarinet」、「医療情報連携プラットフォーム」などのクラウドサービスも提供する。なお、行政情報システムはクラウドサービスへの移行を開始しているほか、防災システムも既に一部クラウドサービス化して提供を開始しており、今後もクラウドサービスへの移行を進める。主要ユーザーは和歌山県の地方公共団体。校務システムは和歌山県の小中学校105校に加えて、神戸市の小中学校(2017年までに250校への導入が決定、導入が開始されている)。医療情報連携プラットフォームの顧客は和歌山県下の12病院(2016年6月末時点)、2015年4月には調剤薬局との連携を開始した。

(2)モバイルネットワーク事業

NTTドコモの1次代理店であるコネクシオ<9422>と締結している「代理店契約」に基づき2次代理店として、和歌山県下で7店のドコモショップを運営する。運営代理店における和歌山県内の販売シェアは35%でトップの座を不動のものにしている。一般顧客向けにNTTドコモのスマートフォンや携帯電話、アクセサリー商品等の販売、料金プランのコンサルティング、契約取次ぎ、通信料金の収納、故障受付などのアフターサービスを提供する。また、ドコモの代理業務として法人向けにスマートフォンの販売、料金プランのコンサルティング、契約取次ぎ、故障受付、モバイルシステムの提案と販売を行う。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 森本 展正 )

《HN》

 提供:フィスコ

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