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証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
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3681 ブイキューブ

東証P
261円
前日比
+1
+0.38%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
22.2 10.71 3.58
時価総額 67.7億円
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ブイキューブ Research Memo(3):クラウド型の法人向けWeb会議などのサービスが収益の柱


■会社概要

(2)事業概要

ブイキューブ<3681>の事業を端的に言えば、「インターネットを経由したビジュアルコミュニケーションサービスの提供」である。この代表例として、Web会議サービス、Webセミナーサービスなどがある。このビジュアルコミュニケーションサービスを、クラウドを使って提供する「SaaS(Software as a Service)」(月額課金方式)が同社の主力事業となっている。以下が同社のビジネスモデルの概要である。

●Web会議の特色
以前から電話会議やTV会議は大手企業を中心に利用されてきたが、これらのサービスを利用するためには特定の機器が必要であり、その機器を設置してある場所でしか利用できず、利用コストが比較的高価である。これに対して同社が提供するWeb会議サービスはインターネットを介して提供されるため、ネットへの接続が可能な場所であればどこでも利用が可能である。さらに専用の機器や端末は不要で、一般的なPC、スマートフォン、タブレット端末などで利用可能である。すなわち、比較的安価に、「いつでも、どこでも、誰でも」利用できるのがWeb会議サービスの特色であり、TV会議に比べて優位な点である。

●クラウド型ビジネスの特徴
同社はクラウド型サービスを中心に事業展開を行っている。基本的には、よほど大きな中途解約がない限り、翌年度の売上高は前年最終月(12月)の月間売上高×12ヶ月に新規獲得分を加えた額となる。一般的に変動費が少ないので、売上高が増加すれば、そのかなりの部分が利益に上乗せされる公算が大きい。損益分岐点を超えてからは、利益率が高くなるのがクラウド型サービスの特色と言える。

●収入の源泉
同社がサービスを提供するのは法人であり、個人とは取引を行っていない。取引先は中小企業から上場大手企業、官公庁、教育機関、各種団体まで幅広く、特定の業種に偏っていることはない。クラウド型サービスに関しては、利用規模によって月額利用料が異なっている(例えば、5千円から数百万円までとかなり幅広い)。したがって、契約先を増やすことと、1社当たりの契約利用料(契約ポート数×契約ポート単価)を増加させることが同社の売上高の増加(業績向上)につながる。料金は、1ポート当たり月額11,000円~である。

月額利用料の幅が広く、少額利用企業の増加から受ける影響が軽微であるため、利用顧客数こそ公表されていないが、一度契約すると途中解約する企業は少なく、大部分が契約を継続する状況にあるようだ。

2015年12月期の予想では売上高の57%がクラウド型(主に月額課金)となっているが、金融機関などセキュリティの関係からクラウド型を敬遠する顧客もあり、これに対しては顧客の設備内に専用サーバーを置いて使用する「オンプレミス型」(売り切り)のサービスも提供している。オンプレミス型の価格はクラウド型の約3年分の利用料相当額のようだが、オンプレミス型でも保守契約は継続されるため、こちらも顧客数を積み上げることが重要である。

また、上記に加え、ハードウェアとソフトウェアを一体として取り扱う、電子黒板システムなどを含むアプライアンスの売上がある。連結子会社のパイオニアVC(株)(以下、PVC社)が主に担う。

●主なコスト
同社の主なコストは、サーバー、通信回線(専用線)、ソフト開発費、営業費用などである。サーバーは外部のデータセンターを活用しているが、一部は同社専用サーバーとして利用している。顧客(利用量)の増加に伴ってある程度サーバー料金も増加するが、規模が大きくなればなるほど売上高に対する比率は下がっていく。通信回線費用も同様で、売上規模の拡大ほどにはコストは増加しない。言い換えれば、売上高が損益分岐点を超えると、その後の売上高の増加は利益率向上につながる構造になっている。

一方、ソフト開発や営業費用などは「先行投資」的な要素があり、必ずしも規模(売上高)に比例しない場合もある。そのため計画によっては利益率向上の抑制要因になる。先行投資期間として、これらのコストは当面増加する傾向にある。

なお、アプライアンスは、例えば、電子黒板システムでは大型液晶ディスプレイを仕入れて販売するため、売上高の増加に比例して、売上原価が増える。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)

《RT》

 提供:フィスコ

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