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3675 クロスマーケ

東証P
503円
前日比
-4
-0.79%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
9.7 1.49 2.58 409
時価総額 100億円
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クロスマーケ Research Memo(6):投資や返済は計画に沿って進捗、健全性が向上


■クロス・マーケティンググループ<3675>の業績動向

3. 財政状態
2018年12月期第2四半期末の財政状態は、総資産は9,024百万円(前期末比540百万円減)となったが、主な内訳は現金及び預金が351百万円増、受取手形及び売掛金691百万円減、のれん145百万円減などである。負債は5,354百万円(同611百万円減)となったが、主な内訳は長短借入金261百万円減、買掛金210百万円減などである。純資産は3,669百万円(同71百万円増)となり、自己資本比率は39.3%と同3.0ポイント改善した。一方、現金及び現金同等物の四半期末残高は2,397百万円(前年同期比316百万円減)となった。営業活動によるキャッシュ・フローは税金等調整前四半期純利益の増加や売上債権の減少などにより798百万円の収入(同334百万円減)、投資活動によるキャッシュ・フローは設備投資の増加などにより128百万円の支出(30百万円減)、財務活動によるキャッシュ・フローは借入金返済が進んだことなどにより295百万円の支出(同182百万円増)となった。


2018年12月期業績は期初予想を確保へ
4. 2018年12月期の業績見通し
同社は2018年12月期業績を、売上高18,614百万円(前期比11.1%増)、営業利益1,250百万円(同72.1%増)、経常利益1,172百万円(同95.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益600百万円(前期は703百万円の損失)と見込んでいる。2018年12月期は、主力事業である国内リサーチ事業の回復を中心に、強固な収益基盤の構築やグループ全体の業容拡大を推進することで、全体業績を回復させていく考えである。2017年12月期に発生した過年度のれん償却や特別損失がなくなることも、業績回復に寄与する見込みである。2018年12月期中に発生した顧客ポートフォリオの変化により、セグメントや収益・費用の間における入り繰りが大きくなったが、第2四半期の業績が結果的に計画線な着地となったことから、同社は通期の業績予想を据え置いた。ただし、保守的に積んでいた販管費を抑制しての着地だけに、課題解消に向けた対策が通期業績予想達成のカギになると考える。

期初におけるセグメント別の業績予想の組み立てによれば、国内リサーチ事業で、人員増強が一巡することに加えスキルアップによる生産性向上が見込まれるため営業を積極化しており、売上高は2ケタ成長して100億円の大台を狙うことになっている。生産性向上から収益性も改善することが見込まれていた。海外リサーチ事業は、M&Aが一旦一巡し海外の土台作りを終えたことから、次の成長へ向けて人員の入れ替えや増加した子会社の整理統合など、組織を安定化させていく考えである。このため、業績計画にあまり特殊な要件を織り込んでおらず、売上高は横ばいの予想となっていた。ITソリューション事業は、受託開発の需要が強い上、エンジニア派遣事業が順調に拡大してきているため、強い成長を見込んでいる。その他の事業は、広告プロモーションが伸び盛りであることから売上成長は衰えないが、人材投資が先行するため利益貢献は小さいと思われる。トータルでは、国内リサーチ事業とITソリューション事業の売上増により、人件費など販管費の増加をカバーすることになっていた。

しかし、第2四半期の業績はトータルで計画線になったとはいえ、売上高で国内リサーチ事業が弱く、海外リサーチ事業が強く、利益面では外注費の増加を人員数のコントロールなどでカバーしている状況である。これにより、先述したとおり、業績予想達成のための課題がいくつか挙がってくるわけだが、特に気になるのが国内リサーチ事業における顧客ポートフォリオの変化である。ここに言う変化とは売上構成比と原価の中身のずれであり、中長期的に事業構造に与えるインパクトが大きくなる可能性がある。グローバル対応の強化や新サービス開発が功を奏し、大手事業会社からの大型案件受注が売上拡大に寄与したものの、特にグローバルの大型案件は調査内容・エリアが広がるため外注費の増加につながり原価を押し上げる形となっている。一方、間接販売においては、顧客毎の動向変化により、粗利益率が高い間接販売が低下したことにより、全体の粗利益率の低下につながっている。過渡期と言うこともできるが、売上構成と原価のアジャストが遅れると、外注費の増加が連結事業に与える影響はさらに大きなものになる可能性がある。原価サイドの積極的なコントロールが対策の要と考える。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)

《MH》

 提供:フィスコ

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