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3675 クロスマーケ

東証P
507円
前日比
+4
+0.80%
PTS
507円
14:59 04/24
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
9.8 1.51 2.56 409
時価総額 101億円
比較される銘柄
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決算発表予定日

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クロスマーケ Research Memo(4):コア事業のネットリサーチを強みにオフラインでも事業を拡大


■会社概要

4. リサーチ事業
(1) リサーチ事業
クロス・マーケティンググループ<3675>の2016年12月期におけるリサーチ事業の売上高は13,372百万円(前年同期比3.6%増)、営業利益は2,256百万円(同5.0%減)である。売上高のうち国内が9,213百万円(同10.5%増)、海外が4,160百万円(同8.9%減)で、内外の構成比はおおむね7:3となっている。

同社のマーケティングリサーチの流れは、1)調査の背景・目的のヒアリングと調査目的を達成するための手法の整理、2)調査票の企画・設計のサポートと調査票の目的の確認、3)品質追及を目的にした各工程における実査、4)的確なプランニングと集計分析、5)調査結果を詳細に分析するレポート、6)解決のためのアクションを導くディスカッション??となっている。

主力サービスであるネットリサーチの流れは以下のようになる。まず、1)顧客から調査依頼を受け企画内容に沿ったアンケートプログラムを開発してアンケートサーバー上に設置する。その後本調査に入るが、本調査では、2)回答してもらいたい登録モニターを抽出するための事前スクリーニング、3)関連会社リサーチパネルにアンケート告知のメール配信を依頼し、リサーチパネルは登録モニターに告知し登録モニターからアンケート回答者を募る、4)アンケートに回答した登録モニターに謝礼(運営会社のポイント)をリサーチパネル経由で支払い、必要サンプル数が集まった時点でアンケートを締め切る。5)その後、論理矛盾や不正な回答を削除するためシステム・チェックや専任担当者による目視チェックでデータクリーニングを行う。本調査後は、6)調査結果を集計して顧客に納品するが、顧客の依頼によって各種統計分析レポートも作成する。最後に、7)リサーチパネルに対して登録モニターの利用料を支払う。

(2) 登録モニター
同社のビジネスにとって最も重要なのが登録モニターの質と量である。量については、アクティブな登録モニターだけとってみても144万人と非常に多い。モニターの登録は、VOYAGE GROUPの場合、VOYAGE GROUPの総合オンラインショッピングサイトであるECナビの会員に対しリサーチパネルに登録するよう勧誘する。(株)クレディセゾンとは、セゾン会員のアンケート参加希望者について、リサーチパネルが運営する「永久不滅リサーチ」の登録モニターとして利用する契約を締結している。このように登録モニターは、VOYAGE GROUPやクレディセゾンなどの会員制サイトから誘導され、同社関連会社のリサーチパネルによって管理されている。同社はほかにも、ネットリサーチ他社と登録モニターを相互に利用するネットワークを構築している。そのアクティブな登録モニターは231万人に上るため、同社の利用可能なアクティブ登録モニターは375万人と非常に多い。

質については、リサーチパネルがデータの信頼性を確保するため会員登録情報を毎年更新し、登録モニターの基本属性を常に最新の状態にしている。また、登録モニター各人の調査回答内容をチェックし、悪質な不正回答者を登録抹消するなど登録モニターの品質管理を徹底している。さらに、所有消費財や資産などによって特定条件の登録モニターをあらかじめ抽出し、自動車保有や携帯電話保有、資産保有などとカテゴライズされモニターを分類・管理しており、条件設定を調査の都度行わなくても精度の高い効率的な調査が可能となる。特に業界黎明期に多かった信頼性への不信は、こうした対策の積み重ねによって今ではほとんどなくなったと言われている。

(3) ネットリサーチからマーケッティングリサーチへ
以上のようなネットリサーチのノウハウやインフラを背景に、同社はネットからオフラインへと徐々に事業領域を広げてきた。オフラインでは、会場に調査協力者を集めてアンケートやインタビューを行う定量調査、座談会形式で調査協力者にインタビューを行う定性調査などのサービスを提供している。また、既存の調査手法にIT技術を組み合わせた調査サービスも各種提供している。このため、食品から飲料、化粧品、医薬品、自動車、調査会社、広告・マスコミ、金融・保険、卸売・小売業、サービス業と広範な業界で実績を積み重ねてきた。また、消費者実態把握、コンセプトテスト、製品評価、パッケージテスト、広告効果測定、広告評価、利用実態、商圏・エリア、ブランド評価、顧客満足度(CS)など様々な調査テーマにも対応できる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)

《TN》

 提供:フィスコ

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