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3666 テクノスジャパン

東証S
565円
前日比
-23
-3.91%
PTS
570円
19:51 04/19
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
8.6 1.55 3.19
時価総額 115億円
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決算発表予定日

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テクノスJPN Research Memo(2):ERP導入支援を主力に、ビッグデータ事業にも注力するICTサービス企業


■会社概要

1. 事業概要
テクノスジャパン<3666>は、ERP(基幹業務システム)導入支援を主力とするほか、第2の柱としてビッグデータ事業にも注力する独立系のICTシステムサービス企業である。「最適なシステムソリューションを通じて、世界へ活躍の場を広げる日本企業の根幹を支える」ことをミッションに掲げ、情報システムの企画・立案から、分析・設計、開発・導入、保守に至る一連のサービスを提供。質の高いコンサルティング力や技術力、独自テンプレートの活用などに強みがあり、SAPを軸としたERP導入支援では、製造業を中心に100社以上の実績を誇る。また、市場が拡大傾向にあるビッグデータ分野に関しては、ERPと連動したソリューションを提供することで差別化を図り、グループとして顧客企業のビッグデータ経営をコンサルティングから対応できる体制を構築している。

業種別売上構成比(2017年3月期実績)は、製造業が70.1%、情報通信が15.0%、サービスが6.8%、商業が4.2%、金融が3.7%、その他が0.2%となっており、製造業向けを得意としているが、ビッグデータ事業の推進により製造業以外での企業開拓も進めている。

事業セグメントは、「情報システムソリューションサービス」の単一であるが、「基幹業務システム及び周辺ソリューション」及び「その他」に大別される。さらに前者については、主力の「ERPシステム導入支援業務(以下、ERP事業)」のほか、連結子会社のテクノスデータサイエンス・エンジニアリング(株)(以下、TDSE)による「ビッグデータ活用支援業務(以下、ビッグデータ事業)」に分かれる。「情報システムソリューションサービス」が連結売上高全体の97.2%を占めるが、ポテンシャルの大きい「ビッグデータ事業」の伸び率が著しいだけでなく、主軸のERP事業も堅実な伸び率を継続している。

(1) ERP事業
顧客企業の最適なソリューションを実現する「Best of Breed」※を戦略の基本に据え、世界規模で流通している様々なERPベンダーが提供するERPパッケージ(基幹業務システム)の導入支援を展開している。具体的には、顧客企業のロジスティクス管理業務(購買、生産、販売)におけるモノの流れの適時的確な把握のほか、会計管理業務(財務会計、管理会計)における業績の適時把握及び将来予測、グローバル化する企業グループの業績管理などに対して、上流(コンサルティング)から下流(保守・改善)までを一気通貫で手掛けている。取り扱うERPパッケージは、SAPジャパン(株)のSAP ERPを中心に、生産管理に強い東洋ビジネスエンジニアリング<4828>のMCFrame、インフォアジャパン(株)のInfor LN、日本オラクル<4716>のJDEなどである。

※各分野で最良のハードウェアやソフトウェアを選択し、その組合せでシステム構築を行うアプローチ。


軸となるSAP ERPは、1996年9月にSAPジャパンとパートナー契約を締結(製品の取扱いは創業時の1994年から開始)し、100社を超える導入支援実績を誇る。また、海外関連のプロジェクトにも力を入れており、ロールイン・ロールアウト(日本企業の海外現地法人及び外資系企業の日本法人向けの導入)を支援している。さらには、これまでの導入経験により作成したテンプレート※を活用することにより、短納期・低コスト導入や新たな付加価値の提供も可能としている。

※同社がERPパッケージや他のソフトウェアの導入実績で得た、他社でも必要と考えられる設定や追加機能をERPパッケージに適用した新たなパッケージを指す。新規導入時に、ERPパッケージとともにそれらの設定や機能を追加することで、導入期間の短縮化や低コスト化を図ることができる。


また、ERPパッケージの導入とともに、周辺技術を組み合わせ、さらに進化したトータルソリューション(需要予測やマーケティング関連など)に対するニーズも高まっており、TDSEとの連携(データ解析)や新技術の獲得(システムデータ連携等)により積極的に対応している。

(2) ビッグデータ事業
市場が拡大しているビッグデータ分野においては、統計解析を使った予測分析コンサルティング、分析基盤の構築、新しいアルゴリズム(人工知能や機械学習等)や技術(IoT等)を使った製品開発などを展開している。

連結子会社のTDSEは、国内トップクラスのデータサイエンティスト(統計解析の高度な知識を持った専門家)を擁しており、ビッグデータを活用する(価値に変える)ための4つのフェーズ、すなわち「ためる」「キレイにする」「分析する」「予測する」に対して、コンサルティングとシステム開発の2つのアプローチでサポートしている。特に、AI製品として自社開発した「scorobo」※1を提供するほか、有力なソーシャル分析ツールである「Netbase」※2のアジアでの主要な代理店になっている。これまでの実績としては、顧客企業の様々な業務分野におけるデータ解析支援のほか、IoTデータを活用した社会インフラ(風力発電や送電線など)のメンテナンス効率向上の仕組みなどの構築や、Fintechサービス※3の開始を実現している。

今後は、ERP事業で培った生産管理などの業務ノウハウと、AIやIoT技術を活用したスマートファクトリーやサプライチェーン領域などへの戦略系システム構築ビジネスをグループ全体で本格的に進めていく方針である。

※1 グループ初の機械学習機能を搭載した人工知能製品。デジタルマーケティングから金融業界、そしてスマート工場へ活用範囲を拡張。今後さらに様々な分野への活用を進めていく。
※2 NetBase(米国)が展開するソーシャルデータ分析ツール(SNS上の顧客の声をリサーチ)。リスク管理やマーケティング活用で利用企業が急増し、大手自動車メーカーや大手アパレル企業等に導入。
※3 ファイナンスとテクノロジーを掛け合わせた造語であり、ファイナンス・テクノロジーの略。ICTを駆使した金融サービスのこと。フィスコ<3807>と提携し、株価予測及び経済指標予測を独自の人工知能製品「Scorobo」シリーズで提供開始した。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)

《HN》

 提供:フィスコ

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