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3661 エムアップ

東証P
1,071円
前日比
+18
+1.71%
PTS
1,072.1円
09:54 04/24
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
25.7 6.10 1.12 16.28
時価総額 391億円
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決算発表予定日

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エムアップ Research Memo(1):各子会社の設立等により新事業へも積極展開。乃木坂46コラボアプリにも注目


■要約

1. 会社概要
エムアップ<3661>は、携帯コンテンツ配信事業を主力としており、人気アーティスト等のファンクラブサイトの運営を軸に、キャラクター・アニメ等のエンタメ系コンテンツやメロディコール等の音楽コンテンツの配信などを展開している。また、PCコンテンツ配信事業やeコマースも手掛ける。代表取締役社長の美藤宏一郎(みとうこういちろう)氏は、音楽業界(レコード会社)出身者。アーティストやタレント、スポーツ選手、キャラクター等の獲得に強みがあり、会員制サイトの運営、eコマースを始め、幅広いコンテンツ分野で数多くのキャリア公式サイトを展開する。携帯コンテンツやeコマース市場の拡大を背景に同社も成長を続けてきた。フィーチャーフォンからスマートフォンへの急激な移行により会員数の伸びが一時的に停滞する局面を経験したものの、ファンクラブサイトを軸としたスマートフォン向けコンテンツの充実やeコマースの強化に加えて、足元では各子会社の設立により、新しい技術(VRやAR等)の活用を含む新事業への展開にも積極的であり、同社は新たな成長ステージを迎えている。

2. 業績動向
2017年3月期の業績は、売上高が前期比0.7%減の3,711百万円、営業利益が同7.3%増の426百万円と減収ながら大幅増益を実現した。主力の携帯コンテンツ配信事業において、既存サイトの一部で会員数の減少が見られたことや、新規ファンクラブサイトの開設が想定を下回ったことが減収を招いた。一方、利益面では、販管費の大幅な削減により営業増益を実現し、営業利益率も11.5%(2016年3月期は10.6%)に改善している。業績の伸びから評価すると物足りなさは否めないが、新事業への展開を迅速に進めるため、新たに設立した各子会社が順調に立ち上がってきたところや組織変更により体制の強化を図ったところにおいては、今後の成長加速に向けて一定の成果を残したと言える。

3. 今後の見通し
同社の成長戦略の軸は、ファンクラブサイトを起点としてロイヤリティの高い会員基盤の拡大を図るとともに、関連するコンテンツやeコマースとのシナジー効果を高めるところにある。新事業への展開にも積極的に取り組むことで成長を加速する方針である。今後の事業戦略のポイントとして、1)アプリ及び動画配信サービスの開発ノウハウの活用、2)ファンクラブサイト事業の基盤強化とファンメールの更なる拡大、3)新規コンテンツの獲得と深化、4)子会社による新事業の展開の4つを掲げている。特に、子会社による「乃木坂46」とのコラボレーション公式アプリ(2017年8月公開)が大きな注目を集めており、今後の動向に目が離せない状況となってきた。

2018年3月期の業績予想については、売上高を前期比13.8%減の3,200百万円、営業利益を同10.3%増の470百万円と減収増益を見込んでいる。減収予想となっているのは、IFRS移行に伴う影響(売上計上基準の変更等によるマイナス要因)を反映した一方、新規サイト及び子会社を通じた新事業による業績貢献(プラス要因)については、不確定な要素が含まれていることから織り込んでいないことが理由である。したがって、保守的な予想が前提となっており、同社は新事業の立ち上がりの状況等を踏まえ適宜見直しを行う方針としている。弊社でもアップサイドの可能性を探る展開になるものと予想している。特に、「乃木坂46」とのコラボレーション公式アプリは事前登録者が想定を超える規模に拡大しており、そこからどの程度のマネタイズ(収益化)が実現してくるのかによって、業績に大きなインパクトを及ぼす可能性がある。また、2017年4月より開始した動画配信サービスの今後の展開にも注目している。VRやARなど新しい技術の導入を含め、同社ならではの進化の方向性に期待したい。

■Key Points
・スマートフォン向けを中心にファンクラブサイトの運営や各種コンテンツの配信を主力事業とする
・最近では、各子会社の設立により、新しい技術(VRやAR等)の活用を含む新事業へも積極展開
・特に、子会社による「乃木坂46」とのコラボレーション公式アプリに大きな注目
・2018年3月期の業績予想は保守的な前提となっており、同社は新たな成長ステージを迎えている

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)

《HN》

 提供:フィスコ

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