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3656 KLab

東証P
253円
前日比
-7
-2.69%
PTS
255円
22:33 04/19
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
0.90 6.24
時価総額 104億円
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決算発表予定日

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KLab Research Memo(1):18年12月期1Qも業績好調、「キャプテン翼」の寄与により海外売上高が拡大


■要約

1. 会社概要
KLab<3656>は、「世界と自分をワクワクさせろ」をビジョンに掲げ、スマートフォン向けアプリを中心にモバイルオンラインゲームの企画、開発を手掛けている。主要タイトルである既存の「ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル」、「BLEACH Brave Souls」のほか、前期の新作タイトル「キャプテン翼~たたかえドリームチーム~」(以下、キャプテン翼)や「うたの☆プリンスさまっ♪ Shining Live」(以下、シャニライ)が好評である。日本の人気漫画やアニメーションをゲーム化し、運用するところに強みがあり、海外への展開にも積極的である。海外売上比率は30%を超え、足元でも急速に拡大している。また、上位4タイトルで売上高の大部分をバランスよく構成しており、特定のヒットタイトルへの依存度が高い業界においては非常に安定的な収益構造と言える。

ここ数年は、スマートフォンゲーム市場全体に停滞感が漂うなかで、新規タイトルの不振や方針転換等に伴うリリースの見送りなどにより、業績に伸び悩みが見られた。しかしながら、直近では運営力及びマーケティング力の進化により既存タイトルが好調に推移していることや、固定費の圧縮及び変動費化が進んできたことに加えて、前期の新作タイトルが順調に立ち上がったことから、同社は本格的な成長フェーズに入ってきたと言える。

2. 2018年12月期第1四半期決算の実績
2018年12月期第1四半期の業績は、売上高が前年同期比51.0%増の7,927百万円、営業利益が同43.8%増の1,345百万円と大幅な増収増益となった。また、過去最高であった前四半期(2017年12月期第4四半期)との比較では反動減がみられるものの、4つの主要タイトルがそれぞれに高い業績水準を維持したと評価することができる。特に、海外売上高については、「キャプテン翼」グローバル版の売上寄与により前年同期比138.9%増(前四半期比でも64.0%増)と急拡大した。損益面では、広告宣伝費の一時的な増加により営業利益率が若干低下したものの、増収効果により大幅な営業増益を実現した。

3. 2018年12月期通期業績の見通し
2018年12月期の通期業績予想(レンジ形式)※について同社は、期初予想を据え置き、売上高を33,500 百万円(前期比25.1%増)~38,500百万円(同43.8%増)、営業利益を3,750百万円(前期比23.3%減)~6,250百万円(同27.8%増)と見込んでおり、レンジ上限の場合は、2期連続で大幅な増収増益となる見通しである。4本から6本の新作タイトルリリースを想定する一方、既存タイトルについてはライフサイクルの進行に伴う減衰傾向(自然減)をたどる予想である。

※同社は前期よりレンジ形式による「通期業績予想開示」を採用している。


弊社では、順調に立ち上がった「キャプテン翼」や「シャニライ」が海外展開を含めて通年寄与することなどから、仮に新作タイトルが不振であったとしてもレンジ内での着地は十分に可能であると評価している。

4. 成長戦略
スマートフォンゲームを取り巻く環境変化が厳しいなか、ここ数年にわたって同社は、内部開発によるゲーム事業中心から、外部開発/パブリッシングによるゲームタイトル数を増加させるほか、非ゲーム事業の推進により、三分鼎立(さんぶんていりつ)の状態を目指してきた。ただ、前期の新作タイトルが順調に立ち上がり、既存タイトルも好調であったことから、ゲーム事業のボラティリティの高さが経営に与えるリスクが後退したことを理由として、好調なゲーム事業に経営資源を集中し、更なる成長を目指す方針へと舵を切った。同社は、ゲーム事業を更に成長させるために、1)Japanese IPs(有力IPの獲得)、2)Global Growth(海外パブリッシングの強化)、3)Original Creations(自社IP創出)の3つのキーワードを掲げ、持続的な成長を目指す戦略である。

弊社では、スマートフォンゲーム市場の先行きに不透明感があるなかで、海外への展開、残存者利益の享受(外部リソースの活用を含む)が同社の成長を支えるものとみており、その動向に注目している。また、運営力の高さが発揮されてきたことや、「リスクヘッジよりも売上成長」をキーワードとしたゲーム事業への集中・非ゲーム事業等の整理も経営の安定性を評価するうえで、プラスの材料と捉えている。今後も、日本のIPを展開していくノウハウや独自のマーケティング力を生かして、いかに同社ならではの新たな価値を創出していけるかが成功のカギを握るだろう。

■Key Points
・2018年12月期第1四半期も主要4タイトルを軸に高い業績水準を維持
・特に、「キャプテン翼」の売上寄与により海外売上高が大きく拡大し過去最高を更新
・2018年12月期の通期業績についても、海外展開や新作タイトルにより大幅な業績の伸びを見込む
・今後も、有力IPの獲得、海外パブリッシングの強化、自社IP創出などに取り組む

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)

《MW》

 提供:フィスコ

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