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3652 DMP

東証G
3,660円
前日比
-95
-2.53%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
57.6 3.44
時価総額 115億円
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“画像認識”なしに未来なし――新時代の「目」投資テーマ浮上へ <株探トップ特集>


―医療診断、自動運転、自動仕分け…、革新技術“キーテクノロジー”の持つ可能性―

 画像認識技術に対する関心が市場でも高まりつつある。自動運転のキーテクノロジーの一つであるということが背景にあるが、既に医療や社会インフラなどの分野では活用が始まっており、さらに応用範囲が広がり続けている。9月22日には、機械学習や自然言語処理などを用いたアルゴリズム(演算手順)を、画像認識などさまざまな分野に応用するPKSHA Technology <3993> [東証M]が東証マザーズ市場に新規上場予定であることからも、関連銘柄には注目が必要だ。

●独自のアルゴリズムで注目集めるPKSHA

 PKSHAは、東京大学発のITベンチャーで、独自開発したアルゴリズムを契約先のソフトウエア・ハードウエアに提供し、使用料を得るビジネススタイルだ。アルゴリズムには機械学習や自然言語処理、深層学習技術などを応用しており、会話アプリでの自動対話や顧客情報の管理、動画・画像認識などに利用されている。

 同社に関しては、ノーリツ鋼機 <7744> 傘下で投資会社のNKリレーションズが出資していることや、8月にはトヨタ自動車 <7203> が出資すると一部で報じられたこともあって上場前から関心が高まっている。人手不足の影響などもあって、言語の解析や画像認識などの分野で需要は増えており、成長性への期待も大きい。

●AIの進化で画像認識技術も向上

 画像認識技術とは、画像データの画像内容を分析して、その形状を認識する技術のことをいう。デジタルカメラのオートフォーカスなどにも利用されており、画像データから対象物となる輪郭を抽出し、背景から分離した上で、その対象物が何であるかを分析する。人間であれば、目と脳とで瞬時に行う行為だが、コンピューターにとっては高度で複雑な処理が必要となる。

 画像認識を応用した技術としては前述のデジカメのほか、身近なところではOCRや顔認証、虹彩認証などがある。一方、産業分野では製品の欠陥検査や部品の選別、基板などへの部品の自動実装の位置合わせ、倉庫などでの仕分け作業などに使われている。

 このように、画像認識技術は以前からある技術だが、人工知能(AI)の高度化によって、言語化しづらい画像データの特徴も抽出できるようになったことで、そのレベルも向上しており、その用途も広がっている。

●インフラ点検や医療分野での利用広がる

 日立造船 <7004> では、阪神高速グループと共同で、路面の舗装のひび割れを検出できる「ひび割れ検出システム」を開発した。従来は、測定車が搭載するスキャンカメラで撮影した画像から、路面のひび割れやくぼみなどを人が目視で検出していたが、画像認識でひび割れやくぼみなどを自動的に分類する。

 医療分野では、シンフォニア テクノロジー <6507> が、微細な電子部品を整列させる自動供給装置などで培った画像認識や高い精度で機器を制御する技術を応用し、iPS細胞を増やす際に発生する目的外の細胞を効率良く取り除く装置を販売する。また、インスペック <6656> [東証2]も精密基板検査システム事業で培ってきた高解像度画像処理技術を生かし、病理診断支援ツールの開発に取り組んでいる。

●画像認識技術を芸能事務所がオーディションに採用

 チェンジ <3962> [東証M]では昨年12月から、独自の画像認識技術を活用した「画像ビッグデータ解析サービス」を提供している。画像データをAIやAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)などを用いた画像処理技術を利用し、さらに独自のデータ分析技術を駆使して、ビジネスに有効活用できるようにするという。

 イー・ガーディアン <6050> が開発した画像認識システムは、大手芸能プロダクションが主催するオーディションの審査システムとして採用された。女性芸能人の顔サンプル約8000枚を学習させて女性の特徴や共通性を分析し、客観的に点数化することで、データに基づいた審査を行うというユニークなシステムだ。

 また、ディジタルメディアプロフェッショナル <3652> [東証M]は、これまで蓄積してきたGPU技術をベースに構築した製品プラットフォーム「ZIA」を開発。第1弾として動画像認識を効率的に行う独自エンジン「ZIA Classifier」を販売している。

●画像認識技術の周辺企業も注目

 このほか、画像認識技術を基幹技術とするモルフォ <3653> [東証M]や、自走式の3次元計測装置「モービルマッピングシステム」(MMS)を利用して作成した立体画像から、ガードレールやトンネルといった構造物を自動的に判別するシステムを手掛けるアイサンテクノロジー <4667> [JQ]などは、自動運転に関連した画像認識技術を持つ企業として注目されている。

 また、米エヌビディア社のディープ・ラーニング・インスティチュート(DLI)トレーニングパートナープログラムに参加し、画像認識に関するプログラムを提供する日本サード・パーティ <2488> [JQ]や、画像認識用のデータを集めて開発企業向けに提供するサービスを行うリアルワールド <3691> [東証M]、ディープラーニング利用の画像認識アプリ開発を加速させるプラットフォームを提供する新日鉄住金ソリューションズ <2327> なども注目。さらに、画像認識用半導体を手掛けるルネサスエレクトロニクス <6723> も関連銘柄として挙げられよう。

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