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2016年07月27日20時00分

インバウンド消費に新潮流、「食と農」活用へ <株探トップ特集>


― 4-6月期の旅行支出9.9%減も足もとで進む「コト」消費へのシフト―

 訪日外国人観光客の インバウンド消費に変化が出てきている。観光庁が20日に発表した4-6月期の訪日外国人観光客1人当たりの旅行支出は前年同期比9.9%減の15万9930円と、足もとでは鈍化傾向。一見するとインバウンド消費が陰りをみせているようだが、時計などの高級品を大量に買う「爆買い」から、化粧品など消耗品や、日本文化の体験ができる「コト」消費に需要がシフトしているためだ。政府も体験型のインバウンド消費を推進しており、市場規模拡大による関連企業の取り組みに期待が高まりそうだ。

●農水省は食と農を活用したインバウンド推進へ

 農林水産省は2016年度の予算で「食と農を活用したインバウンド推進」事業に1億1500万円の予算を新たに設けた。政府は2020年に訪日外国人観光客数4000万人、消費額4兆円を目標として掲げているが、これに沿うかたちで、農林水産物・食品の輸出額1兆円を前倒しで達成することを目指す。日本食・食文化の魅力を海外へ発信し、日本の農畜産物のお土産としての持ち帰り需要を拡大。インバウンドを推進することにより、輸出の増大や日本食の海外展開を一体的に進めることを目的としている。

 主な内容として、農水省は、「食と農の景勝地」をはじめとした地域の食・食文化の魅力を映像化し、その映像を集積・検索できるウェブサイトの構築を支援。また、飲食店などによる多言語対応やムスリム、ベジタリアンなどの食習慣への対応を促すための研修事業などの取り組みを後押しする。「事業実施企業の公募は先日終了し、今後審査委員会で検討される。複数の企業から応募があった」(農水省食料産業局)としており、事業開始はまだこれからだ。事業の実現には多言語対応が必須であることから、この面の技術を持つ企業の協力が欠かせない。こうしたことから、既に多言語に対応したシステムを持つサン電子 <6736> [JQ]、ジェイテック <2479> [JQG]、フュートレック <2468> [東証M]、アプリックスIPホールディングス <3727> [東証M]などの企業は出番が期待される。

 また、政府は訪日外国人が直売所や道の駅などで購入した農畜産物を、空港やクルーズの寄港地で受け取れる体制を整備する。現状は日本から海外へ肉製品や農畜産物を持ち出す際、国内の検疫手続きと観光客の自国での手続きが必要なため、煩雑さを理由に購入をためらう外国人が多く、手間を省くことで購入へのハードルを下げることを目指す。ヤマトホールディングス <9064> 傘下のヤマト運輸ら物流会社が、道の駅や直売所で販売した野菜を船が停泊している港まで配送し、訪日客が観光をしている間に検疫手続きを完了させるというシステムだ。今年度から、台湾や韓国からの訪日客が多い博多港や長崎港などで開始し、今後の日本の農産物の販路拡大を狙う。

●体験型ツアー始動、地方への波及期待

 インバウンド需要が「コト」消費に人気がシフトしていることを受けて、日本食文化の体験ができるツアーも外せない。エイチ・アイ・エス <9603> は訪日外国人観光客向けにラーメン店で「湯切り体験」ができるプランを販売している。「日本のラーメンは海外の方にも人気で、職人が湯切りするシーンなどが有名。今回のプランは、その湯切りを自身で体験し、最後に食べる内容となっている。欧米の方を中心に予約が入っていると聞いている」(同社広報担当)と、利用者の反応は上々のようだ。同じく、旅行会社のKNT-CTホールディングス <9726> や、インバウンド向け予約ツアーサイトを運営するアドベンチャー <6030> [東証M]でも日本文化を体験し、ご当地の日本食がその場で食べられるツアーを組んでいる。他にも、個人旅行者が食や農業体験で現地に向かうときの交通手段として、オリックス <8591> のオリックスレンタカーやカーシェアリングのパーク24 <4666> のなどの利用増が見込めそうだ。

 また、日本の農産物の販路拡大には、農家との連携が不可欠となってくる。6月に上場し、農産物の直売所事業を手掛ける農業総合研究所 <3541> [東証M]は、全国の生産者と提携し、新鮮な農産物を都市部のスーパーマーケットで委託販売している。


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