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プロスペクト Research Memo(4):2018年3月期第2四半期は営業損失だが想定どおりの進捗


■業績動向

●2018年3月期第2四半期の業績概要(実績)
(1) 損益状況
2018年3月期第2四半期の連結業績は、売上高3,486百万円(前年同期比12.6%減)、営業損失1,006百万円(前年同期367百万円の損失)、経常損失295百万円(同550百万円の損失)、親会社株主に帰属する四半期純利益1,903百万円(同568百万円の損失)となった。セグメント別では、マンション分譲事業、注文住宅事業、再生可能エネルギー事業を除く各事業で減収・減益となったが、特に建設事業の減益幅が大きかった。また出資金運用益711百万円を計上したことから経常利益は前年同期比で大幅増益となった。

営業損失を計上したが、プロスペクト<3528>の場合、マンション分譲、注文住宅、建設などの主要事業において売上高が下半期に偏重する傾向があるため、上半期決算は営業損失となる場合が多い。したがって、この上半期の結果も特に懸念される内容ではなかった。

(2) セグメント別状況

a) マンション分譲
この上半期の販売については、77戸、3,015百万円の新規契約(同91戸、2,974百万円)を行い、引渡しは24戸(同6戸)となった。この結果、売上高は766百万円(同230百万円)、セグメント損失は40百万円(同152百万円のセグメント損失)となった。

新規竣工物件がなかったものの、前期までの竣工物件(完成在庫)の販売が順調に推移した結果、前年同期を上回る売上高を計上した。仕掛販売用不動産の契約状況については、3棟が販売中だが、駅近などの好立地プロジェクトがラインナップされており好調を維持しているよう。なお下半期については、3棟(総戸数120戸、売上高4,496百万円)の新規竣工を計画している。

b) 土地建物
この上半期には、契約実績及び販売実績はなかった。(前年同期は173百万円の契約、299百万円の売上高、30百万円のセグメント利益)。

c) 注文住宅
新規契約は21棟、590百万円(前年同期は13棟、417百万円)となり、11棟(同9棟)の引渡しを行った。この結果、売上高は476百万円(同419百万円)、セグメント損失は55百万円(同66百万円のセグメント利益)となった。

契約実績については、山形県内の住宅市場全体において低調さが目立ち、展示場への来場者数も減っている中で、全社一丸となった営業努力を重ねることで契約棟数を伸ばし受注増に繋げた。しかしながら小振りな住宅が多く棟当たり単価は低下した。

d) アセットマネジメント
不動産及び日本株式を対象とする有価証券の運用を行う事業で、売上高132百万円(前年同期174百万円)、セグメント利益19百万円(同62百万円のセグメント利益)を計上した。

日本株式市場における先行き不透明感や海外経済の不確実性を反映し、売上高、営業利益ともに大幅な変動はないものの僅かに減少した。なお、2017年7月に連結子会社としたTPJFの業績については、当決算においては損益に反映していない。(9月末日を「みなし取得日」とし貸借対照表のみ連結しているため。)

e) 建設事業
この上半期は、売上高1,798百万円(前年同期2,699百万円)、セグメント損失5百万円(同70百万円のセグメント利益)を計上した。

前期までに(元請として)受注していた東北地方での大型除染工事等が終了したことにより、売上高、営業利益ともに前年同期で大幅減となった。しかしながら、公共・民間工事の受注状況については底堅く推移しており、売上高、営業利益ともに事業計画通りに進捗している。むしろ前年までの高収益構造がイレギュラーな状態だったと言える。

f) 再生可能エネルギー事業
自社で運営する太陽光発電設備で発電した電気を電力会社に販売する事業で、この上半期は、売上高293百万円(前年同期132百万円)、セグメント利益116百万円(同63百万円)を計上した。

稼働済みの5プロジェクトが安定稼働しており、特に当期初より売電を開始した山武東(千葉県山武市、5.0MW)プロジェクトが当セグメントの増収、増益をけん引した。また当期末までに、新たに、仙台(宮城県仙台市、1.9 MW)ならびに徳次郎(栃木県宇都宮市、4.7 MW)の2プロジェクトが売電を開始する計画となっている。

g) その他
同社が所有しているマンション等を一般顧客向けに賃貸する事業が主で、売上高18百万円(前年同期33百万円)、セグメント利益5百万円(同21百万円のセグメント利益)を計上した。

減収・減益となった理由は、マンション開発を目的とした収益物件に係る賃料収入を含んでおり、仕掛開発用不動産に振替え済みの南大塚プロジェクトや、賃借人の退去が進んでいる左門町プロジェクトについて前年同期より収入が減少しているためだが、これらは計画通りである。

(3) 財務状況
財務状況は引き続き安定している。2018年3月期第2四半期末の資産合計は39,162百万円となり、前期末に比べ11,794百万円増加した。流動資産は24,753百万円となり同11,804百万円増加したが、主な要因は現金及び預金の増加583百万円に加え、TPJFの子会社化に伴い有価証券が9,551百万円増加したことによる。一方で固定資産は14,408百万円となり、同10百万円減少したが、有形固定資産の増加969百万円、無形固定資産の減少97百万円、投資その他資産の減少882百万円(主に出資金の増加688百万円、長期貸付金の減少1,442百万円)による。

負債合計は15,316百万円となり、前期末に比べ438百万円増加した。主な要因は、仕入債務の減少220百万円、工事未払金の減少997百万円、短期借入金等の増加2,505百万円、長期借入金の減少1,351百万円による。純資産合計は23,845百万円となり、同11,356百万円増加となったが、主な要因は、TPJF子会社化に伴う新株発行(株式交換)により資本金および資本準備金が増加したことによる。

(4) キャッシュフロー状況
2018年3月期第2四半期の営業活動によるキャッシュ・フローは1,210百万円の収出であったが、主な収入は税引前四半期純利益の計上2,118百万円、減価償却費151百万円、売掛債権の減少328百万円、前受金の増加294百万円などで、主な支出は負ののれん発生益2,420百万円、棚卸資産の増加651百万円、仕入債務の減少384百万円など。投資活動によるキャッシュ・フローは969百万円の支入であったが、主な支出は有形固定資産の取得1,948百万円、主な収入は連結の範囲の変更と伴う子会社株式の取得による収入2,935百万円などであった。財務活動によるキャッシュ・フローは826百万円の収入であったが、主なものは長短借入金の増加による収入1,317百万円、配当金の支払いによる支出503百万円など。この結果、期間中の現金及び現金同等物は582百万円の増加となり、期末の現金及び現金同等物の残高は5,962百万円となった。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)

《HN》

 提供:フィスコ

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