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「宇宙関連株」本格成長軌道に突入、100兆円市場争奪戦が勃発 <株探トップ特集>


―世界的な開発競争が加速、年末の「宇宙基本計画」改訂で日本も本腰―

 9日、固体燃料ロケット「イプシロン」5号機の打ち上げが成功した。同ロケットの打ち上げは2019年1月以来で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が進める実証プログラムに選ばれた企業や大学、研究機関の衛星が搭載されている。ここ宇宙分野では米国を筆頭に中国、ロシアなどが先駆しているが、特に米国では民間企業による取り組みが続々と進んでいる。世界の宇宙ビジネス市場は40年に100兆円規模になるとも予想されており、今後国内企業の市場開拓に向けた動きにも期待がかかる。折に触れ関心を集める宇宙関連銘柄に改めて注目した。

●世界的な開発競争加速へ

 宇宙開発を巡る動きが活発化している。米国では7月、米アマゾン・ドット・コム<AMZN>創業者のジェフ・ベゾス氏が率いるブルーオリジンと、米ヴァージン・ギャラクティック・ホールディングス<SPCE>の2社がそれぞれ有人宇宙飛行を実施し、大きな話題を呼んだ。ヴァージンは早ければ22年内に商業宇宙旅行サービスの提供を始める見込みで、ブルーオリジンも20年代中に商用宇宙ステーションを建設する構想を掲げている。直近では、アマゾンが22年までに人工衛星を打ち上げる計画を発表、衛星ネット接続サービスで先行する米スペースXに対抗する狙いがあるとみられている。また、米航空宇宙局(NASA)の有人月面探査計画「アルテミス計画」に関し、最初のミッションとなる無人宇宙船の打ち上げが来年2月に行われる見通しであることが明らかとなっている。

 米国と覇権を争う中国は10月16日に有人宇宙船の打ち上げを実施、来年末の完成を目指す独自の宇宙ステーション「天宮」の建設を積極化させている。また、米中に続きロシア、インドなども宇宙開発競争で先駆している。

●国内各社も取り組み続々

 世界的に開発競争が熱を帯びるなか、国内でも政府が宇宙開発を推進する構えにあり、年末に改訂予定の「宇宙基本計画」では独自の小型衛星コンステレーションの構築や、火星の衛星から岩などを持ち帰って分析する世界初の計画を目指すことなどが盛り込まれる見込みだ。こうした政府の後押しに加えて、ここ民間企業の取り組みも相次いでおり、官民一体で市場開拓が進む宇宙ビジネスは本格的な成長軌道に乗ることになりそうだ。

 三菱重工業 <7011> は10月26日、準天頂衛星「みちびき」初号機の後継機を搭載したH2Aロケットの打ち上げに成功した。みちびきは、政府が進める日本版GPS(全地球測位システム)構築に向けた測位衛星で、現在の4機体制から23年をメドに7機体制まで拡充される見通し。また直近、同社が宇宙衛星事業に参入することが伝わっている。

 ホンダ <7267> は9月に新領域への取り組みを発表、なかで電動垂直離着陸機(eVTOL)やアバターロボットの開発に加え、宇宙分野での技術開発を加速させる方針を示した。JAXAと既に共同研究を行っている月面での循環型再生エネルギーシステム構築を目指すほか、小型ロケット開発への参入も表明した。

 荏原 <6361> は11月1日、ロケット開発ベンチャーのインターステラテクノロジズ(北海道大樹町)と室蘭工業大学と共同でロケット用ターボポンプの開発を開始したと発表した。同製品は、インターステラが23年度の打ち上げを目指して開発中の超小型人工衛星打ち上げロケット「ZERO(ゼロ)」に搭載される予定だ。

 このほか大手では、JAXAと月面でのモビリティ「有人与圧ローバ」を開発するトヨタ自動車 <7203> 、同じくJAXAと「変形型月面ロボット」を共同開発したソニーグループ <6758> やタカラトミー <7867> をはじめ、航空宇宙など幅広い分野で活用されている炭素繊維「トレカ」を手掛ける東レ <3402> 、国内宇宙ベンチャーとパートナーシップ契約を結んだ三菱ケミカルホールディングス <4188> がある。5月にNTT <9432> と宇宙分野で業務提携するなど、宇宙事業への注力姿勢を強めているスカパーJSATホールディングス <9412> にも注目。また、傘下のIHIエアロスペースで宇宙関連製品を開発・製造するIHI <7013> 、宇宙航空機部品受託加工の米モーフ3Dを子会社に持つニコン <7731> 、宇宙ベンチャーのispace(東京都中央区)の月面探査計画「HAKUTO-R」に参画し取り組みを進める高砂熱学工業 <1969> のほか、DMG森精機 <6141> 、日立造船 <7004> 、日本航空電子工業 <6807> 、エア・ウォーター <4088> などが関連銘柄として挙げられる。

●INCをはじめ放電精密、コアなども要マーク

 宇宙関連の中小型株で、ここマーケットの視線を集めているのがINCLUSIVE <7078> [東証M]だ。10月26日にインターステラとの資本提携を発表したことが手掛かり材料となり、連日ストップ高に買われる人気となった。インターステラが開発した観測ロケット「MOMO(モモ)」の広告ソリューションの企画・開発・営業支援をはじめ、人工衛星を活用したソリューション提供などを目指す方針で、今後の展開に期待が高まる。

 住友精密工業 <6355> は11月3日、ロケットや衛星、宇宙探査機などの姿勢制御などに使用する小型慣性センサーユニットをJAXAと共同開発したと発表、セーレン <3569> は9月に小型衛星を開発するSynspective(東京都江東区)と衛星用アンテナの量産プロセス構築に向けて協業することを明らかにした。JAXAと進めてきた3Dプリンターによる低熱膨張合金の軽量化に向けた基礎研究を完了させた日本鋳造 <5609> [東証2]、材料から部品調達までの一貫生産・供給を行う航空宇宙部品製造ネットワークサービスを提供する放電精密加工研究所 <6469> [JQ]、商用宇宙ステーション開発の米企業と提携した兼松 <8020> も注目される。

 また、NASA火星探査機の搭載部品を製造した実績があるシグマ光機 <7713> [JQ]、人工衛星のシステム設計などを長年手掛けるアイネット <9600> 、みちびき向けに高精度測位対応受信機など各種製品を開発・提供するコア <2359> も要マーク。このほか、衛星データプラットフォーム「Tellus(テルース)」を手掛けるさくらインターネット <3778> 、帝京大学と宇宙工学分野で包括的連携協定を提携している大日光・エンジニアリング <6635> [JQ]、宇宙ごみ対策関連としても知られる日東製網 <3524> に加え、ジェイテックコーポレーション <3446> 、神島化学工業 <4026> [東証2]、セック <3741> 、進和 <7607> 、シンフォニア テクノロジー <6507> などにも目を配っておきたい。

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