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3479 ティーケーピー

東証G
1,539円
前日比
-67
-4.17%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
12.6 1.62 13.63
時価総額 652億円
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TKP Research Memo(6):大塚家具との業務・資本提携を締結


■ティーケーピー<3479>の活動実績

1. 出店実績
今期は、料飲等売上を伴う高付加価値グレード(上位3グレード)の拠点を積極的に出店する計画を進めている。2017年11月末の拠点数は223拠点(前期末比+8拠点増)、会議室数は1,829室(同+77室)にとどまったが、上位3グレードを軸として着実に伸ばすことができた。また、第4四半期の出店見込みについても、既に9 拠点(会議室・宴会場)が機関決定(2018年1月時点)している。

一方、注力分野である宿泊施設についても、上期は「アジュール竹芝」(浜松町)※1及び「レクトーレ湯河原」の運用を開始した。また、2017年9月には「ファーストキャビン」※2の第1号店を名古屋にオープン。その結果、2017年11月末時点の拠点数は、レクトーレ(5拠点)、石のや、アジュール竹芝、アパホテル(3拠点)、ファーストキャビンの合計11拠点となっている。また、第4四半期に入ってからも、2017年12月にアパホテル(西葛西)をオープンしている。

※1 東京都職員共済組合の保有する施設であり、2017年4月より当社が運営を受託。
※2 2016年3月にファーストキャビンとの資本業務提携により簡易宿泊事業へ参入。「コンパクトホテル」と「会議室」を融合した、同社ならではのハイブリッド施設として展開している。


なお、「アジュール竹芝」については、都心型「リゾート研修シティホテル」へのリノベーション(改修工事)を施した上でリニューアルオープン(会議室・宴会場は「TKPガーデンシティ浜松町」として運営)。立ち上がりにやや時間を要したが、オペレーション体制が確立してきたことで、2017年11月には単月黒字化を達成した。今後はさらに付加価値(新しいコンセプトのもと、全面改装を予定)を高め、宿泊料金の引き上げや客室数の増室(約100室増)により、2~3年かけて軌道(本格的な業績貢献)に乗せる計画であり、世界的に評価されるブティックホテルを目指す。

2. イベントプロデュース事業への展開
2017年9月には、メジャース(本社:東京都港区)の子会社化(100%株式取得)により、イベントプロデュース事業へも本格的に参入した。メジャースは、企業の大型イベント、セミナーや展示会などの企業のイベント運営活動を支援しており、戦略の立案から、企画、実施、効果測定などを手がけるマーケティングプロデュース事業とともに、クラウド型イベント管理システム「Event Cloud Mix」を提供しており、サービスとITシステムの両軸から企業のイベント運営を支援する企業である。

特に、マーケティングプロデュース事業では、大手グローバルIT企業などのマーケティングパートナーとして年間を通じた業務支援を含め、今まで3,000件以上の案件をプロデュースした実績とノウハウを有する。また、「Event Cloud Mix」は、イベントにおける集客活動、登録管理、来場管理、また出展者や講演者情報の管理に至るまで100以上の機能をオールインワンで運用でき、オリジナルイベントアプリや、イベントサイト作成などすべてがシステム内での作業を完結できるため、イベント運営の課題に広く取り組むことができるクラウド型イベント管理システムである。

同社は、これまで蓄積してきたハード面の強みや顧客基盤に、メジャースの持つソフト面の強みを融合することで新たな市場を取り込むとともに、既存顧客に対するアップセル(イベント案件による売上拡大)を狙う戦略である。2017年12月には営業連携により大型イベントプロデュースを受注※するなど、早くもシナジー効果が出始めている。また、人材交流制度をスタートさせ、イベントプロデュースやマーケティング分野におけるスキルアップ及びナレッジの共有により、グループ全体のレベルアップも図っていく方針である。

※同社の会場キャパシティを超えるイベントの場合、同社単独では受注できていなかったが、メジャースとの連携により同社以外の大型会場(都内大型ホテル)でのイベント企画から運営までの総合プロデュースを受注することができた。これによって、これまでの会議室利用による年間利用金額を大きく上回る取引を実現。同社が進める高付加価値化の最たる事例と言える。


3. 大塚家具との業務・資本提携
2017年11月には、大塚家具※1との業務・資本提携※2を締結した。主な業務提携内容は、以下のとおりである。

※1 1969年の創業以来、総合インテリア企業として、世界中の優れた商品をリーズナブルな価格と充実したサービスとともに提供している。全国主要都市に21店舗、1営業所、5提携店(2017年11月現在)を展開するとともに、ホテル等の大型案件の家具・インテリアを手掛け、法人向け事業も積極的に展開している。
※2 大塚家具の普通株式1,290,000株(持株比率6.65%)を第三者割当により取得(取得総額1,051百万円)した。


(1) 業務提携の主な内容
a) 同社が運営する施設にかかるインテリアの企画及び大塚家具が取り扱う商品の納入
b) 大塚家具が所有又は賃借する物件における同社によるイベントスペース等の運営
c) 顧客の相互紹介ならびに顧客ニーズに対応するための連携及び協力体制の構築
d) 両社共同での新規出店開拓

特に、b)については、同社にとって立地の良い場所に好条件での出店が可能となる一方、大塚家具にとっても店舗スペースの最適化により固定費を削減できるメリットがある。既に具体的な取り組みが進んでいるが、注目すべきは、大塚家具新宿ショールーム内8Fフロアの共同運営 である。新宿駅からのアクセスが良く、天井高のイベントホールとして展開する予定(2018年春頃予定)であり、子会社化したメジャースのイベントプロデュース力を存分に生かせる物件と言える。ほかにも、大塚家具仙台ショールーム内の7F・8Fフロアの共同運営もする予定であり、こちらは大中小の様々なサイズの部屋を兼ね備えた貸会議室として展開予定(2018年春頃予定)である。

まずは、前述のとおり、b)の空間再生(店舗スペースの有効活用)が提携の目玉になりそうであるが、いずれは両社の資源を融合することにより、新たな価値創造(例えば、法人向けに家具の使い方に関する新たな提案など)にも発展する可能性があるとみている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)

《NB》

 提供:フィスコ

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