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3459 サムティR

東証R
108,000円
前日比
+200
+0.19%
PTS
107,700円
14:59 04/19
業績
単位
1株
PER PBR 利回り 信用倍率
23.5 1.08 4.80 149
時価総額 906億円
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サムティ Research Memo(1):2018年11月期業績は大幅増収増益。サムティ強靭化計画に取り組む


■要約

1. 会社概要
サムティ<3244>は、関西圏及び首都圏を中心として全国に展開している総合不動産会社である。不動産事業(不動産ファンド向け大型賃貸マンションや投資家向け収益マンションの開発及び販売等)と不動産賃貸事業(賃貸マンションや商業施設等の保有)を両輪とし、ビジネスホテルの運営なども手掛けている。不動産賃貸事業による安定収入と不動産事業による成長加速のバランスにより事業環境の変化に柔軟に対応できるところに特長があり、大きな金融危機を乗り越えながら持続的な成長を実現してきた。また、両事業の組み合わせによる一気通貫型のビジネスモデルにも優位性があり、ここ数年高い成長を続けている。営業エリアの拡大とともに、2015年6月にはJ-REIT事業にも進出※、更なる事業拡大に向けてビジネスモデルの基礎固めが完了した。

※2015年3月に設立したサムティ・レジデンシャル投資法人<3459>(以下、SRR)を東証J-REITに上場。


前期(2018年11月期)は中長期経営計画「Challenge40」の利益計画を2期前倒しで達成。今期からは社長交代※に伴う新たな経営体制のもと、新中期経営計画「サムティ強靭化計画」(3ヶ年)に取り組む。

※新社長である小川靖展(おがわやすひろ)氏の就任は2019年2月27日を予定。


2. 2018年11月期の業績
2018年11月期の業績は、売上高が前期比39.3%増の84,274百万円、営業利益が同38.5%増の14,033百万円と大幅な増収増益となり、増額修正予想(8月29日付)をさらに上回る着地となった(売上高、各利益ともに過去最高を更新)。好調な不動産市況を追い風として「不動産事業」が大きく拡大。特に、都内を中心に外資系ファンド等からの投資需要が強い開発流動化(自社開発ブランド「S-RESIDENCE」の販売)が、販売件数の増加と販売価格の上振れにより増収に寄与した。再生流動化(既存の収益不動産等の再生・販売)についても、SRRへの物件供給などにより好調に推移。ホテル事業も開発案件を含めて順調に拡大している。利益面では、一過性の費用やホテル事業にかかる費用(開業や改修、開発にかかる費用等)のほか、広告宣伝費や人件費などによる販売費及び一般管理費の増加があったものの、増収により営業増益を実現。営業利益率も16.7%との高い水準を確保した。また、今後の成長につながる仕入れの状況(及び開発パイプライン)についても、おおむね計画どおりに進んでいる。

3. 2019年11月期の業績予想
2019年11月期の業績予想について同社は、売上高を前期比2.0%増の86,000百万円、営業利益を同6.9%増の15,000百万円と引き続き増収増益を見込んでいる。大幅な業績の伸びを記録した前期に比べると、販売件数の反動減等により緩やかな増収率にとどまるものの、高い業績水準が継続するとの見方が妥当である。売上高は「不動産事業」及び「不動産賃貸事業」がおおむね横ばいで推移する一方、ホテル事業の拡大が増収に寄与する見通しである。特に、客室稼働率が高水準で推移するなか、前期開業したホテルが期初から貢献するほか、今期の開業予定分による業績の上乗せを見込んでいる。利益面についても、前期における一過性のコスト要因の解消等を含め、全般的な取引採算性の向上により増益を確保するとともに、営業利益率も更なる改善を目指す方針である。弊社では、好調な外部環境(不動産市況)や内部要因(開発パイプラインの状況やホテル事業の順調な立ち上がり等)などを勘案すると、同社の業績予想の達成は十分に可能であるとみている。また、前期同様、販売価格の上振れによる影響にも注意が必要である。

4. 成長戦略
同社は、2016年11月期から2020年11月期までの中長期経営計画(5ヶ年)を推進してきたが、前期において利益計画を2期前倒しで達成したことから、新たに2021年11月期を最終年度とする中期経営計画「サムティ強靭化計画」を公表するに至った。重点戦略には、1)SRRを中心としたビジネスモデルの展開(フィー収入ビジネスの強化)、2)地方大都市圏における戦略的投資(営業エリアの拡大)、3)ホテル開発・オフィス開発事業の展開を掲げており、方向性に大きな変更はない。ただ、ポイントと言えるのは、将来的な調整局面に備えるため、バランスシート重視の経営をより強く打ち出しているところであり、賃貸キャッシュ・フローを中心とした財務基盤の強化を最大のテーマに置いている。自己資本比率30%以上を維持しつつ、営業利益200億円水準、ROE15.0%水準、ROA7.0%水準を目指していく。

■Key Points
・2018年11月期は計画を上回る大幅な増収増益を実現(過去最高の売上高、各利益を更新)
・中長期経営計画(利益計画)についても2期前倒しで達成
・社長交代に伴う新体制の下、新たな中期経営計画「サムティ強靭化計画」をスタート
・バランスシートを重視した経営への転換により、自己資本比率を維持しつつ、生産性や資本効率性の向上による利益成長を目指す

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)

《HN》

 提供:フィスコ

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