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3445 RSテクノ

東証P
3,105円
前日比
-15
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PTS
3,101.5円
09:27 04/25
業績
単位
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10.8 1.46 44.77
時価総額 818億円
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RSテクノ Research Memo(6):生産能力の拡大と新市場の創出の2つの軸で成長戦略を形成


■再生ウェーハ事業の成長戦略と進捗状況

1. RS Technologies<3445>の再生ウェーハ事業の成長戦略
プライムウェーハ事業への進出を決定した後でも、再生ウェーハ事業の重要性は何ら変わらない。プライムウェーハと並ぶ成長エンジンの1つという位置付けだ。

再生ウェーハ事業の成長戦略は大きく2つの軸から成ると弊社では理解している。1つは生産能力の拡大による成長だ。この具体的な計数目標として「世界シェア40%」という目標がある。もう1つの軸は潜在的市場の開拓、すなわち新市場の創出による成長だ。これは同社固有の技術である金属膜除去技術がカギとなる。

以下ではそれぞれについて進捗状況を詳述する。


2019年中にデザインキャパシティを15%(5万枚/月)増強。
実生産能力はさらに増加する見通し
2. 再生加工能力の増強計画
同社は再生加工を手掛ける三本木・台南両工場における能力増強投資を発表した。再生加工においては、主力製品は12インチウェーハとなっており、今回の能力増強も12インチウェーハについての増強となる。

同社の12インチウェーハの再生加工能力は、現状は三本木工場が20万枚/月、台南工場が10万枚/月の計30万枚/月となっている。今回の能力増強投資は、三本木工場で2万枚/月、台南工場で3万枚/月で、投資額はそれぞれ4億円、7億円を予定している。増設分の稼働時期は両工場とも2019年の見通しだ。

弊社では、今回の能力増強投資は、規模、タイミングともに適切なものだと考えている。現状、三本木・台南両工場ともフル稼働が続いて顧客からの需要に応じきれなくなりつつある。他方、能力拡大は階段状に増えるため、設備稼働率が一時的に低下して収益性の低下につながる。2万枚~3万枚という増設規模は顧客対応と収益性維持の両立の最適解だと考えている。

同社はここ数年、ボトルネックの解消や加工度の適正化による生産効率アップなどの手法によって、公称能力を上回る生産を続けてきている。また、今回の能力増強は、生産設備を追加導入しての抜本的な増強投資であるが、その投資金額に照らすと、実際の能力増強幅は、公表計画を上回る可能性があると推測している。こうした弊社の見方が正しければ、2019年末ごろの12インチウェーハ再生加工の実生産能力は三本木工場が25~27万枚/月、台南工場が15~16万枚/月となる。

12インチウェーハの世界需要は月間550万枚~600万枚といわれており、そのうち約20%に相当する110万枚~120万枚が再生加工需要とされている。同社はかねてより世界シェア40%を目標として掲げており、今回の増設計画によって、この目標達成に向けて大きく前進することになる。


金属膜除去技術について一部ユーザーから認定を取得。事業の本格開始が迫る
3. 新市場の開拓:金属膜除去技術
半導体メーカーは、テスト・評価目的でモニターウェーハ上に実際に銅などの金属の回路形成を行うことがある。現在はこのような金属回路を形成したモニターウェーハは再生に回さず廃棄されている。理由は金属回路を形成してしまうと金属成分がウェーハ内部に浸潤し、表面をポリッシングしても除去しきれないためだ。

金属膜形成を理由に廃棄処分されるモニターウェーハの量について、月間投入枚数(550万枚~600万枚)の約5%(28万枚/月程度)に上るとの見方がある。これは同社の12インチウェーハの再生加工能力に匹敵する膨大な量だ。同社はこれを解決し、金属回路を形成したモニターウェーハを再利用可能にする技術を開発した。こうした技術を有するのは、現状では同社だけとみられ、28万枚/月の新市場を同社が独占できる可能性が出てきている。

ただし、こうした新技術がビジネスとして成立するには顧客認定が必要となる。同社はこれまで、複数の顧客との間で認定取得に取り組んできたが、これまでのところ主要顧客の一部から認定取得に成功している。2018年12月期からは徐々に金属膜除去の再生加工がスタートするとみられる。“新市場”の立ち上がりに注目したい。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)

《HN》

 提供:フィスコ

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