貸借
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
日経平均株価の構成銘柄。同指数に連動するETFなどファンドの売買から影響を受ける側面がある
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3436 SUMCO

東証P
2,550.0円
前日比
-98.0
-3.70%
PTS
2,566円
23:58 04/16
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
1.56 5.79
時価総額 8,929億円
比較される銘柄
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決算発表予定日

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【和島英樹のマーケット・フォーキャスト】 ─3本柱を軸に物色へ、上値試す展開に期待


「3本柱を軸に物色へ、上値試す展開に期待」

◆注目は3市場再編の一次判定、需給面では短期波乱要因も

 7月上旬までの東京株式市場は、上値を試す展開が期待できそうだ。ナスダック市場の最高値更新で、 半導体電子部品などのグロース株に買いが入りやすい展開となっている。また、国内でも新型コロナワクチンの接種が加速し始めたことで、欧米市場との比較で出遅れ感も浮上しつつある。ただ、米国では景気の先行き警戒感、中国経済の踊り場入り観測などが上値を抑える要因となりそうだ。

 7月中旬までの日経平均株価は2万8000円~3万円前後の値動きを想定する。

 7月23日には東京オリンピックが開幕し、株式市場は22日~25日まで4連休となる。オリンピック期間は8月8日までで、期間中は市場参加者が減少することもありそう。一方でオリンピックがスタートすれば、新型コロナウイルス感染症に対するネガティブな見方が後退する可能性がある。ワクチン接種がさらに進展すれば、アフターコロナ関連株に関心が向かうことも想定される。

 7月のスケジュールでは、2日の米雇用統計が注目される。米国株式市場では早期利上げ観測が株価の波乱の芽となっており、仮に非農業者部門の雇用者数が市場予想を大きく上回るようなら、インフレ懸念につながる可能性もある。そのほか、米国では16日の小売売上高(6月)、23日のPMI(製造業購買担当者景気指数・7月)、27日~28日のFOMC(連邦公開市場委員会)などが注目される。

 また、国内で7月に注目されるのは、9日に通知が予定されている新市場区分の適合状況の一次判定。東証は22年4月に現在の市場区分(東証1部、東証2部、マザーズ、ジャスダック)を「プライム」、「スタンダード」、「グロース」の3市場に再編する。

 プライムに区分されるためには流通時価総額100億円以上、全株式に占める流通株の比率が35%以上などの条件がある。4~6月の期間での適合状況をまとめ、9日に通知される。現在市場1部に属している企業で基準を満たせなければ、2次判定などを経てスタンダード市場行きとなる。また、TOPIX(東証株価指数)からも段階を経て除外される。これはTOPIXに連動して運用する年金などの投資家からの売りが出ることを意味する。

 一方で現在、市場2部やマザーズ、ジャスダックに上場している企業でも基準を満たせばプライム市場に行くことができる。会社側の上場申請が必要だが、クリア企業への関心が高まることも予想される。市場ではメルカリ <4385> [東証M]、セリア <2782> [JQ]、ジーエヌアイグループ <2160> [東証M]、フェローテックホールディングス <6890> [JQ]、千代田化工建設 <6366> [東証2]などがプライムの条件を満たしているとされる。

 需給面では、引き続き外国人投資家の動向に関心が高い。一方、短期的な注意点は、日経平均株価やTOPIX型のETF(指数連動型上場投資信託)の決算。配当を捻出するために、保有資産の一部を売却するというポジション整理が出る。市場関係者の推計では7月8日と10日に集中しており、8日に現物と先物合計で約3300億円、10日には同4900億円規模の売りが出るという。

◆市場の関心はグロース、バリュー、アフターコロナへ

 物色は「グロース」(成長株)、「バリュー」(割安株)、「アフターコロナ」が3本柱となりそうだ。特にナスダック総合指数が最高値に進み、短期的にはグロース株が優位な展開も想定される。ダウ平均が戻る場面では、バリューに関心が高まる可能性がある。ホテルレジャー外食などのアフターコロナは五輪が順調にスタートすれば注目度が高まりそうだ。

 グロースでは半導体関連のSUMCO <3436>、HOYA <7741>、新光電気工業 <6967>、イビデン <4062>、アルバック <6728>、ウシオ電機 <6925>などの値動きが良くなっている。

 また、6月はタムラ製作所 <6768>の出資企業が次世代パワー半導体材料である酸化ガリウムのウエハーの量産化に成功と発表。出資企業も動意づいている。 パワー半導体EV(電気自動車)向けに需要が増加しているうえ、日本が強みを有している分野でもある。窒化ガリウム(GaN)基板製造設備を竣工した日本製鋼所 <5631>、三菱ケミカルホールディングス <4188>、炭化ケイ素(SiC)パワーデバイスを一貫して手掛けるローム <6963>にも関心が向かう可能性も。現在主流のシリコン(Si)デバイスでは富士電機 <6504>、三菱電機<6503>、ルネサスエレクトロニクス<6723>などのシェアが高い。

 バイデン大統領が超党派議員グループと1兆ドルのインフラ投資法案で合意を表明した。米国で建築や道路に使われるH形鋼に強みがある大和工業 <5444>、ロードローラーの酒井重工業 <6358>、太平洋セメント <5233>などは恩恵を受ける可能性がある。

(2021年6月25日 記/次回は8月1日配信予定)

■和島英樹(Hideki Wajima)

株式ジャーナリスト
日本勧業角丸証券(現みずほ証券)入社。株式新聞社(現モーニングスター)記者を経て、2000年にラジオNIKKEIに入社。東証・記者クラブキャップ、解説委員などを歴任。現在、レギュラー出演している番組に、ラジオNIKKEI「マーケットプレス」、日経CNBC「デイリーフォーカス」毎週水曜日がある。日本テクニカルアナリスト協会評議委員。国際認定テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリスト(CFTe)。

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