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3435 サンコーテクノ

東証S
1,427円
前日比
-13
-0.90%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
6.8 0.67 2.31
時価総額 125億円
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決算発表予定日

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サンコーテクノ Research Memo(4):成長源になった太陽光関連事業、一時的な足踏み後は再成長に期待


■事業部門別業績動向

(d)太陽光関連事業の現状と取り組み
太陽光関連事業はここ数年のサンコーテクノ<3435>の成長源であり、今2016年3月期に起こっている市場の縮小が構造的なものか、一時的なものかの判断は、極めて重要だと考えられる。

太陽光発電については、2014年度に買取価格の見直しが打ち出された。これを受けて、太陽光発電事業者の中に工事・プロジェクトの見直し・棚上げの動きが出てきた。当初はこの影響が2015年3月期おいて出てくるとみられていたが、そこでは顕在化しなかった。同社は、当然この影響を視野に入れていたが、2015年3月期の実績を踏まえて、2016年3月期においてはパネル販売量の落ち込みを5%程度にとどまると想定していた。しかしふたを開けたら20%以上の減少となり、それだけ設置工事が減少したという状況だ。

上記のことは、同社の今第2四半期の販売実績に如実に表れている。同社の太陽光関連売上高は材料販売(材販)と工事に分けて開示されているが、工事の急減した一方で材販の落ち込みは小さかったことがわかる。同社は斜面などの特殊な場所の施工で威力を発揮する、ディー・アーススクリューを用いたダイレクトアース工法を売りとしているが、平坦地などではオーバースペックで高単価ということで、見積もり依頼が来ても失注することが多かったものとみられる。一方、材販については、他社が工事を受注した後、施工のためのアンカーなどを同社に発注してくることが多いため、売上としては影響が少なかったとみられる。

では、こうした状況が構造的なもので、今後太陽光関連売上が大きく縮小するかと言えば、決してそうではない。結論から言えば、2017年3月期には太陽光関連売上高が復活する可能性が見えてきているという状況だ。

同社によれば、現状では来期以降の太陽光パネルの架台設置工事の商談が増加基調にあるもようだ。特徴は、これらの案件の多くが、平坦地ではなく傾斜地への設置工事であるということだ。傾斜地への設置は施工難易度が高く、同社の強みが活き、価格競争にも陥りにくいと考えられる。こうした事情の背景には、クローズしたゴルフ場を太陽光発電用地として再利用する動きが広まっていることなどがある。

中長期的にも同社は強気だ。同社によれば、認証済みながら未着工の案件が50GWh分ほど依然として残っており、このうち半分は傾斜地への設置案件とのことだ。また、同社が期待をかけてきた、防災市場などの中小型案件は、買取価格見直しの対象外で、今後も需要は安定的に推移するとみられる。同社はこれらの市場向けに、あと基礎アンカーを用いた、ダイレクトスラブ工法を展開しており。今2016年3月期を底に来期にはV字回復を果たし、その後多少上下しながらも、安定したトレンドラインを描いていくものと弊社では考えている。

(e)生産体制の状況
同社は、主力のファスニング製品を国内とタイで製造している。タイは1988年に進出後徐々に生産体制を拡充してきた。ファスニング製品は基本的には鋼材を材料とするが、普通鋼とステンレス鋼に大別できる。現在では、普通鋼製品はタイで生産し、日本に輸入している。国内では単価の高いステンレス鋼製品に特化している。

タイ工場はまた、母材となるコイル(線状の鋼材を糸巻のように巻いたもの)を購入して、その後の工程である、伸線(コイルをさらに細く延伸する工程)や切断、アンカーへの加工、メッキなどを、すべて自前で行っている。また母材コイルの価格もアジアのスポット市場では国内市場よりも安いため、現状ではタイ工場製品のコスト競争力はかなり高くなっているものと考えられる。

同社はまた、2011年にベトナムに進出した。ベトナムも将来的には生産基地化することも視野には入っているが、現状は販売拠点としての活動にとどまっている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)

《HN》

 提供:フィスコ

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